俺を見てよ

好きだ!!

さおさん!!

「基晴！お前もバスケするだろ？」

　部屋のドアが開いて竜太くんが顔を出す。

「うん！やる！」

　ベッドに転がってボールハンドリングをしていた俺は勢いよく起き上がった。
　慌ててドアまで行くとちょうど彩織さんが居て思わず顔が緩む。
　お昼食べてそのまま岬さんと来たらしいさおさんはジャージ姿で……それもイイ！と１人でテンションを上げた。

「こんにちは」
「こ……こんちには！」

　ガラにもなくキョドってしまう。

「今日は基晴くんも部活だったの？」
「あ、はい。彩織さんは午前中練習試合だったって聞きました。お疲れ様でした」

　一緒に歩き出してくれて緊張が半端ない。

「敬語じゃなくていいよ」

　にっこり笑うとか……ヤバいって。

「いや……でも……」
「あと、さおでいいよ！彩織ってあんまり呼ばれ慣れてなくて」
「じゃあ、さおさんで……」
「さんも要らないって」

　笑うさおさん、かわい過ぎる。
　階段を降りて一緒に靴を履いた。

「さおー！ペットボトル忘れてる！」

　岬さんが後ろから走って来るとさおさんは受け取ってぎゅっと岬さんに抱きついた。
　うわぁ……岬さん、羨ましいっ!!