26 / 35
あなたの香り 3柊side
しおりを挟む
今日は蓮都と一日仕事なしで一緒にいられる日だというのに、仁がどうしても今日来てもらわなくてはならない仕事だという。最初は間髪入れずに断った、、が
「あら、、いいのかしら~?あの時の貸し、無かったとは言わせないわよ?」
心底楽しいといった様子でけらけらと無邪気に笑う様子が電話越しからも感じ取れる。
半ば脅しだ。だが確かにまだ貸しを返せてなかったんだ。深くため息をつきしぶしぶ了承したのだった。
蓮都を一人きりで家に留守番をさせるのは心配しかない。ふと目を離したらどこかに行ってしまいそうで不安でならない。行く前に出かけるときは連絡するんだよとよく言い聞かせ、名残惜しい気持ちで家を出た。
―――――――
僕が帰ってくると、蓮都は駆け足でやってきて、勢いよく僕に抱き着いてきた。そのままふわりと蓮都のフェロモンのにおいがふわりと香る。蓮都のフェロモンの香りは甘くてとてもいい匂いだ。例えるならば、蜂蜜入りのミルクだろう。とことん甘くて、そのサラサラの髪を撫でると匂いが少しだけ濃くなる。
一日ほど家を空けるのは久しぶりで普段ならゆっくり帰ってくるのだが、家に待つ最愛のパートナーのことを考え速足で帰ってきた。しばらく抱き着いていても離れない様子を見ると、ずいぶん寂しがらせてしまったのだと少し反省すると同時に、愛おしさがこみ上げてくる。
しばらくそうして抱き着かれながら頭を撫でていると、蓮都が何かに気づいたような仕草で僕の体からぱっと手を放す。
(、、、?)
「蓮都?」
不思議に思い、うつむいたままの蓮都の顔を覗く。すると蓮都は一瞬だけ寂しそう、それでいて拗ねたようなな顔をし、すぐに元に戻って心配そうに僕の目を見つめた。
「ごめんね、もっと早く帰ってくるつもりだったんだけど。、、何かあった?」
もしかして誰かが来たのか、、?そう思い玄関やその周りを見渡してみるも特に形跡はない。
「いえ、、なんでもないです。」
そう言い残して、たたた、、とすぐに自室に戻っていってしまった。
いったい何だったのか、、、、。蓮都が僕を拒むなど今までほとんど無かったはずだ。とりあえず、リビングのソファに座り思い当たる人物に電話を掛けた。
プルルル、、プルルル、、、
想像通り、サンコールもしない内にそいつは電話を取った。
「ひどいわよ柊ちゃん!!!せっかく癒しのカフェタイムだったのに!」
「仁、帰ってきてから蓮都の様子がおかしいんだ。お前何か蓮都に吹き込んだか?」
「ちょ、、あんた声怖いわ!!やめて頂戴!そもそも蓮都ちゃんの連絡先すら知らないのよ!?」
そう言われてみればそうだった。それにしても高い声が耳にキンキンと響く。
「じゃあ何が原因なんだ。」
「そうねぇ、、蓮都ちゃんはどんな様子だったの?」
「帰ってきてから抱き着いてきてくれたんだが、その時に様子が変になったんだ。」
「あ~、、、、。なるほどねぇ、、。わかったわ。なんで蓮都ちゃんが変になったのか。」
「なんだ。」
「とりあえず、お風呂に入ってから蓮都ちゃんのお部屋に尋ねたらどうかしら?」
「、、、あぁ。」
聞いても答えを教えてくれなさそうな仁との電話を切り、さっさと風呂に向かった。
「あら、、いいのかしら~?あの時の貸し、無かったとは言わせないわよ?」
心底楽しいといった様子でけらけらと無邪気に笑う様子が電話越しからも感じ取れる。
半ば脅しだ。だが確かにまだ貸しを返せてなかったんだ。深くため息をつきしぶしぶ了承したのだった。
蓮都を一人きりで家に留守番をさせるのは心配しかない。ふと目を離したらどこかに行ってしまいそうで不安でならない。行く前に出かけるときは連絡するんだよとよく言い聞かせ、名残惜しい気持ちで家を出た。
―――――――
僕が帰ってくると、蓮都は駆け足でやってきて、勢いよく僕に抱き着いてきた。そのままふわりと蓮都のフェロモンのにおいがふわりと香る。蓮都のフェロモンの香りは甘くてとてもいい匂いだ。例えるならば、蜂蜜入りのミルクだろう。とことん甘くて、そのサラサラの髪を撫でると匂いが少しだけ濃くなる。
一日ほど家を空けるのは久しぶりで普段ならゆっくり帰ってくるのだが、家に待つ最愛のパートナーのことを考え速足で帰ってきた。しばらく抱き着いていても離れない様子を見ると、ずいぶん寂しがらせてしまったのだと少し反省すると同時に、愛おしさがこみ上げてくる。
しばらくそうして抱き着かれながら頭を撫でていると、蓮都が何かに気づいたような仕草で僕の体からぱっと手を放す。
(、、、?)
「蓮都?」
不思議に思い、うつむいたままの蓮都の顔を覗く。すると蓮都は一瞬だけ寂しそう、それでいて拗ねたようなな顔をし、すぐに元に戻って心配そうに僕の目を見つめた。
「ごめんね、もっと早く帰ってくるつもりだったんだけど。、、何かあった?」
もしかして誰かが来たのか、、?そう思い玄関やその周りを見渡してみるも特に形跡はない。
「いえ、、なんでもないです。」
そう言い残して、たたた、、とすぐに自室に戻っていってしまった。
いったい何だったのか、、、、。蓮都が僕を拒むなど今までほとんど無かったはずだ。とりあえず、リビングのソファに座り思い当たる人物に電話を掛けた。
プルルル、、プルルル、、、
想像通り、サンコールもしない内にそいつは電話を取った。
「ひどいわよ柊ちゃん!!!せっかく癒しのカフェタイムだったのに!」
「仁、帰ってきてから蓮都の様子がおかしいんだ。お前何か蓮都に吹き込んだか?」
「ちょ、、あんた声怖いわ!!やめて頂戴!そもそも蓮都ちゃんの連絡先すら知らないのよ!?」
そう言われてみればそうだった。それにしても高い声が耳にキンキンと響く。
「じゃあ何が原因なんだ。」
「そうねぇ、、蓮都ちゃんはどんな様子だったの?」
「帰ってきてから抱き着いてきてくれたんだが、その時に様子が変になったんだ。」
「あ~、、、、。なるほどねぇ、、。わかったわ。なんで蓮都ちゃんが変になったのか。」
「なんだ。」
「とりあえず、お風呂に入ってから蓮都ちゃんのお部屋に尋ねたらどうかしら?」
「、、、あぁ。」
聞いても答えを教えてくれなさそうな仁との電話を切り、さっさと風呂に向かった。
47
お気に入りに追加
280
あなたにおすすめの小説


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

【完結】あなたに撫でられたい~イケメンDomと初めてのPLAY~
金色葵
BL
創作BL
Dom/Subユニバース
自分がSubなことを受けれられない受け入れたくない受けが、イケメンDomに出会い甘やかされてメロメロになる話
短編
約13,000字予定
人物設定が「好きになったイケメンは、とてつもなくハイスペックでとんでもなくドジっ子でした」と同じですが、全く違う時間軸なのでこちらだけで読めます。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
絶対服従執事養成所〜君に届けたいCommand〜
ひきこ
BL
少数のDomが社会を支配する世界。
Subと診断された者にはDomに仕える執事となるため英才教育が施され、衣食住が保証され幸せに暮らす……と言われているのは表向きで、その実態は特殊な措置によりDomに尽くすべき存在に作り変えられる。
Subの少年ルカも執事になるほかなかったが、当然そこには人権など存在しなかった。
やがてボロボロに使い捨てられたルカと、彼のことをずっと気にかけていた青年との初恋と溺愛とすれ違い(ハッピーエンド)。
◆Dom/Subユニバース設定の世界観をお借りしたほぼ独自設定のため、あまり詳しくなくても雰囲気で読んでいただけるかと思います。ハードなSM的描写はありません。
◆直接的な描写はありませんが、受け・攻め どちらも過去にメイン相手以外との関係があります。
◆他サイト掲載作に全話加筆修正しています。
※サブタイトルは試験的に付けており、変更の可能性があります
※表紙画像はフリー素材サイトぴよたそ様よりお借りしています
孤狼のSubは王に愛され跪く
ゆなな
BL
旧題:あなたのものにはなりたくない
Dom/Subユニバース設定のお話です。
氷の美貌を持つ暗殺者であり情報屋でもあるシンだが実は他人に支配されることに悦びを覚える性を持つSubであった。その性衝動を抑えるために特殊な強い抑制剤を服用していたため周囲にはSubであるということをうまく隠せていたが、地下組織『アビス』のボス、レオンはDomの中でもとびきり強い力を持つ男であったためシンはSubであることがばれないよう特に慎重に行動していた。自分を拾い、育ててくれた如月の病気の治療のため金が必要なシンは、いつも高額の仕事を依頼してくるレオンとは縁を切れずにいた。ある日任務に手こずり抑制剤の効き目が切れた状態でレオンに会わなくてはならなくなったシン。以前から美しく気高いシンを狙っていたレオンにSubであるということがバレてしまった。レオンがそれを見逃す筈はなく、シンはベッドに引きずり込まれ圧倒的に支配されながら抱かれる快楽を教え込まれてしまう───
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる