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あなたの香り 3柊side
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今日は蓮都と一日仕事なしで一緒にいられる日だというのに、仁がどうしても今日来てもらわなくてはならない仕事だという。最初は間髪入れずに断った、、が
「あら、、いいのかしら~?あの時の貸し、無かったとは言わせないわよ?」
心底楽しいといった様子でけらけらと無邪気に笑う様子が電話越しからも感じ取れる。
半ば脅しだ。だが確かにまだ貸しを返せてなかったんだ。深くため息をつきしぶしぶ了承したのだった。
蓮都を一人きりで家に留守番をさせるのは心配しかない。ふと目を離したらどこかに行ってしまいそうで不安でならない。行く前に出かけるときは連絡するんだよとよく言い聞かせ、名残惜しい気持ちで家を出た。
―――――――
僕が帰ってくると、蓮都は駆け足でやってきて、勢いよく僕に抱き着いてきた。そのままふわりと蓮都のフェロモンのにおいがふわりと香る。蓮都のフェロモンの香りは甘くてとてもいい匂いだ。例えるならば、蜂蜜入りのミルクだろう。とことん甘くて、そのサラサラの髪を撫でると匂いが少しだけ濃くなる。
一日ほど家を空けるのは久しぶりで普段ならゆっくり帰ってくるのだが、家に待つ最愛のパートナーのことを考え速足で帰ってきた。しばらく抱き着いていても離れない様子を見ると、ずいぶん寂しがらせてしまったのだと少し反省すると同時に、愛おしさがこみ上げてくる。
しばらくそうして抱き着かれながら頭を撫でていると、蓮都が何かに気づいたような仕草で僕の体からぱっと手を放す。
(、、、?)
「蓮都?」
不思議に思い、うつむいたままの蓮都の顔を覗く。すると蓮都は一瞬だけ寂しそう、それでいて拗ねたようなな顔をし、すぐに元に戻って心配そうに僕の目を見つめた。
「ごめんね、もっと早く帰ってくるつもりだったんだけど。、、何かあった?」
もしかして誰かが来たのか、、?そう思い玄関やその周りを見渡してみるも特に形跡はない。
「いえ、、なんでもないです。」
そう言い残して、たたた、、とすぐに自室に戻っていってしまった。
いったい何だったのか、、、、。蓮都が僕を拒むなど今までほとんど無かったはずだ。とりあえず、リビングのソファに座り思い当たる人物に電話を掛けた。
プルルル、、プルルル、、、
想像通り、サンコールもしない内にそいつは電話を取った。
「ひどいわよ柊ちゃん!!!せっかく癒しのカフェタイムだったのに!」
「仁、帰ってきてから蓮都の様子がおかしいんだ。お前何か蓮都に吹き込んだか?」
「ちょ、、あんた声怖いわ!!やめて頂戴!そもそも蓮都ちゃんの連絡先すら知らないのよ!?」
そう言われてみればそうだった。それにしても高い声が耳にキンキンと響く。
「じゃあ何が原因なんだ。」
「そうねぇ、、蓮都ちゃんはどんな様子だったの?」
「帰ってきてから抱き着いてきてくれたんだが、その時に様子が変になったんだ。」
「あ~、、、、。なるほどねぇ、、。わかったわ。なんで蓮都ちゃんが変になったのか。」
「なんだ。」
「とりあえず、お風呂に入ってから蓮都ちゃんのお部屋に尋ねたらどうかしら?」
「、、、あぁ。」
聞いても答えを教えてくれなさそうな仁との電話を切り、さっさと風呂に向かった。
「あら、、いいのかしら~?あの時の貸し、無かったとは言わせないわよ?」
心底楽しいといった様子でけらけらと無邪気に笑う様子が電話越しからも感じ取れる。
半ば脅しだ。だが確かにまだ貸しを返せてなかったんだ。深くため息をつきしぶしぶ了承したのだった。
蓮都を一人きりで家に留守番をさせるのは心配しかない。ふと目を離したらどこかに行ってしまいそうで不安でならない。行く前に出かけるときは連絡するんだよとよく言い聞かせ、名残惜しい気持ちで家を出た。
―――――――
僕が帰ってくると、蓮都は駆け足でやってきて、勢いよく僕に抱き着いてきた。そのままふわりと蓮都のフェロモンのにおいがふわりと香る。蓮都のフェロモンの香りは甘くてとてもいい匂いだ。例えるならば、蜂蜜入りのミルクだろう。とことん甘くて、そのサラサラの髪を撫でると匂いが少しだけ濃くなる。
一日ほど家を空けるのは久しぶりで普段ならゆっくり帰ってくるのだが、家に待つ最愛のパートナーのことを考え速足で帰ってきた。しばらく抱き着いていても離れない様子を見ると、ずいぶん寂しがらせてしまったのだと少し反省すると同時に、愛おしさがこみ上げてくる。
しばらくそうして抱き着かれながら頭を撫でていると、蓮都が何かに気づいたような仕草で僕の体からぱっと手を放す。
(、、、?)
「蓮都?」
不思議に思い、うつむいたままの蓮都の顔を覗く。すると蓮都は一瞬だけ寂しそう、それでいて拗ねたようなな顔をし、すぐに元に戻って心配そうに僕の目を見つめた。
「ごめんね、もっと早く帰ってくるつもりだったんだけど。、、何かあった?」
もしかして誰かが来たのか、、?そう思い玄関やその周りを見渡してみるも特に形跡はない。
「いえ、、なんでもないです。」
そう言い残して、たたた、、とすぐに自室に戻っていってしまった。
いったい何だったのか、、、、。蓮都が僕を拒むなど今までほとんど無かったはずだ。とりあえず、リビングのソファに座り思い当たる人物に電話を掛けた。
プルルル、、プルルル、、、
想像通り、サンコールもしない内にそいつは電話を取った。
「ひどいわよ柊ちゃん!!!せっかく癒しのカフェタイムだったのに!」
「仁、帰ってきてから蓮都の様子がおかしいんだ。お前何か蓮都に吹き込んだか?」
「ちょ、、あんた声怖いわ!!やめて頂戴!そもそも蓮都ちゃんの連絡先すら知らないのよ!?」
そう言われてみればそうだった。それにしても高い声が耳にキンキンと響く。
「じゃあ何が原因なんだ。」
「そうねぇ、、蓮都ちゃんはどんな様子だったの?」
「帰ってきてから抱き着いてきてくれたんだが、その時に様子が変になったんだ。」
「あ~、、、、。なるほどねぇ、、。わかったわ。なんで蓮都ちゃんが変になったのか。」
「なんだ。」
「とりあえず、お風呂に入ってから蓮都ちゃんのお部屋に尋ねたらどうかしら?」
「、、、あぁ。」
聞いても答えを教えてくれなさそうな仁との電話を切り、さっさと風呂に向かった。
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