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17章 少しの変化
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いきなり部屋に入ってきた息子たち――特に、こちらから呼び出していないのに現れた守護者に、ローク王は驚き、更にティーナの体を彩る模様を見て、息を飲んだ。
「確かに、これは神鳥のしるしだ」
普段から落ちついた調子を崩さないディオネスも、見てわかるほどに驚愕していた。
「魂の欠片がどのようなものか、ずっと謎でしたが……まさか人の形とは」
「ああ。わたしも予想していなかった。これは大きな一歩だ。あとは、神鳥を目覚めさせる方法を突き止めなければ」
王の声から、興奮が伝わって来る。気の遠くなるほど続いてきた、不完全なかたちの島がようやくあるべき姿に戻ろうとしている。
しかし、ティーナにはまだ一つ、不安の種があった。
「あの……わたしはこれからどうなるのですか?」
自分が神鳥の魂の欠片だということもついさっき知ったばかりで、何をすればいいかなど分かるはずもない。ティーナの立場は、どのように変わってしまうのだろうか。
「色々と調べなければならないこともある。必要な時に呼ぶことになるだろう。もちろん、お前に負担はかけないよ」
ローク王は優しく言った。
「セシェルのお世話はもうさせて頂けないのでしょうか……?」
仕事にもやっと慣れてきたころだ。すべて今まで通りにいかないのは分かっているが、できれば辞めたくなかった。模様のせいで怪物扱いされるのはもちろん辛いが、特別扱いをされても居心地が悪い。
ローク王はしばらく考えた後、頷いた。
「まだ続けたいと思うのなら、是非とも頼みたい。こちらの呼び出しを優先してもらうことになるから、忙しくなるが……」
「はい、大丈夫です。どうか続けさせてください」
ティーナは王の目を見据え、はっきりと言った。
***
体の模様を隠さなくてよくなったことで、ティーナの気持ちは今までよりもっと軽くなった。
ティーナが神鳥の魂の欠片だという話は、そう長くないうちに島中に広まった。しかし、周りの人々は変わらず親切で、「無理はしないように」、「手伝えることがあれば何でも言ってほしい」といった言葉をかけてくれた。
ティーナは時おり、エレアスやローク王、その他の有識者と集まって、体の模様を調べたり、残された文献を色々と探したりしたが、実際に神鳥を目覚めさせるために有力な情報はなかなか見つからなかった。
セシェルもピュリーも、ティーナが仕事を時々抜けても嫌な顔はまったくしなかった。しかしアルテナは、普段から表情をほとんど変えず無駄口もまったく叩かないため、どう思っているのか分からないままだった。真面目な彼女のことだ。ティーナがセシェルの世話係としての役目をどうしても今までと同じように果たせなくなったことを怒っていても不思議ではない。
その日は、ティーナの立場が変わって初めての、アルテナと二人で仕事をする日だった。
ピュリーがいないと、本当に静かだ。アルテナとの会話は必要最低限のみ。雑談などもってのほかだった。いつもそんな具合なため、ティーナは彼女について、まだほとんど何も知らなかった。
ティーナは朝から淡々と仕事をこなし、台所で、夕食のスープを火にかけてひと段落したところで、掃除を終えたアルテナが戻ってきた。
アルテナはスープの鍋を一瞥しただけで何も言わず、台所の整理に取り掛かり始めた。
意を決して、ティーナは彼女に呼び掛けた。
「あの、アルテナさん」
アルテナが手を止め、ティーナの方を振り返った。
「……わたし、迷惑をかけてしまっていますか?」
「何が?」
相変わらず、その表情から感情は読み取れない。
「わたし、これからもお仕事を続けたいって思ったんです。でも、抜けることも多くなってしまったから、もしかしたらアルテナさん、迷惑に感じているんじゃないかって……」
アルテナはすぐに返事をするでもなく、かといって仕事に戻る訳でもなく、しばらくしてやっと口を開いた。
「別に。迷惑ではないけれど。でも、続ける必要があるのかとは思うわ」
「え……?」
「あなたは今、この島で一番大切にされる人でしょう。わざわざ仕事なんてしなくても生活はできるのに、続けたいって思ったのが不思議」
アルテナの言葉に棘はなく、責められているようには感じなかった。
確かに彼女の言う通り、ティーナは島の民にとって、決して失ってはいけない存在になった。何もしなくても、衣食住はすべて保障されるだろう。
「それは、その通りだと思います。でもわたしは、このお仕事が楽しいんです。セシェルも、ピュリーも、アルテナさんだってとても親切にしてくれますし、だからわたしもできるだけ役に立ちたいです」
この島に来る前のティーナにとっては、毎日が、働くことが苦痛だった。感謝されることがなく、きつい言葉を浴びせられるばかりで、自分が何のために生きているのか分からず、何もできないのだと思わされていた。
この島に来て、新たな仕事を始めてから、それは違うのだと考えを改めた。自分にもできることがある。感謝されるとやる気が湧いてくる。仕事の合間の息抜きも楽しい。
「わたし、決して親切ではないと思うけれど」
「そんなことありません。アルテナさんの教え方はすごく丁寧で、駄目な時はどこか駄目なのか、ちゃんと教えてくれますから」
確かにアルテナは友好的とは言い難いが、ティーナに対して真剣に向き合ってくれている。彼女の言葉や行動から、それを感じ取ることができる。
「ピュリーも言ってました。アルテナさん、何があっても絶対に人のことを見捨てたりしない、だからピュリーも今まで頑張ってこれたんだって。セシェルも、アルテナさんが作ってくれるごはんは、美味しくて元気が出るそうです」
どうしても食が細いセシェルのため、アルテナは少しでも多く栄養がとれるように、材料や味に気を遣っている。仕事に手厳しいのは、それだけ一生懸命で、自分の役目に誇りをもっているからだ。
「……あなた、ここに来る前は一体どんな生活をしていたわけ? それに、余計な話はしなくていいわ」
ふい、とアルテナが顔を背けた。
「そうですよね……。すみません」
「別に謝らなくてもいいけど。あと、わたしはただ単に放っておけないだけだから。セシェルもピュリーも、あなたのことも。親切だとか丁寧だとか、そんなつもりは一切ないから」
つらつらとアルテナは話し続ける。彼女がここまで長く言葉を発するのはかなり珍しい。
「あの、わたし、これからもここにいていいですか?」
アルテナが、もう一度ティーナの方を見た。
「……好きにすればいいわ。今までどおりにやってくれるならわたしは何でもいいから」
「ありがとうございます! わたし、これからも頑張ります」
ふわり、と香草の匂いがあたりに漂った。
「あ、そろそろいい感じかな」
ティーナは白い湯気を放つ鍋に駆け寄り、ぐるりと中をかき混ぜた。野菜と魚を煮込んだスープは、アルテナに教わった味付けだ。今日は、最初から最後までティーナが一人で作った。
ティーナは木の匙でスープをすくって口に運んだ。味は濃くもなく薄くもなく、納得できる出来上がりだ。
「アルテナさん、味見して頂いてもいいですか?」
ティーナが別の匙を差し出すと、アルテナはそれを受け取りスープを一口飲んだ。
「どうですか?」
「……そうね。よくできてるわ」
「本当ですか? 良かった!」
アルテナが直接的な言葉で褒めてくれたのは初めてだ。
言葉にも表情にもなかなか表さないが、確かに認められている。そのことがティーナには嬉しかった。
「確かに、これは神鳥のしるしだ」
普段から落ちついた調子を崩さないディオネスも、見てわかるほどに驚愕していた。
「魂の欠片がどのようなものか、ずっと謎でしたが……まさか人の形とは」
「ああ。わたしも予想していなかった。これは大きな一歩だ。あとは、神鳥を目覚めさせる方法を突き止めなければ」
王の声から、興奮が伝わって来る。気の遠くなるほど続いてきた、不完全なかたちの島がようやくあるべき姿に戻ろうとしている。
しかし、ティーナにはまだ一つ、不安の種があった。
「あの……わたしはこれからどうなるのですか?」
自分が神鳥の魂の欠片だということもついさっき知ったばかりで、何をすればいいかなど分かるはずもない。ティーナの立場は、どのように変わってしまうのだろうか。
「色々と調べなければならないこともある。必要な時に呼ぶことになるだろう。もちろん、お前に負担はかけないよ」
ローク王は優しく言った。
「セシェルのお世話はもうさせて頂けないのでしょうか……?」
仕事にもやっと慣れてきたころだ。すべて今まで通りにいかないのは分かっているが、できれば辞めたくなかった。模様のせいで怪物扱いされるのはもちろん辛いが、特別扱いをされても居心地が悪い。
ローク王はしばらく考えた後、頷いた。
「まだ続けたいと思うのなら、是非とも頼みたい。こちらの呼び出しを優先してもらうことになるから、忙しくなるが……」
「はい、大丈夫です。どうか続けさせてください」
ティーナは王の目を見据え、はっきりと言った。
***
体の模様を隠さなくてよくなったことで、ティーナの気持ちは今までよりもっと軽くなった。
ティーナが神鳥の魂の欠片だという話は、そう長くないうちに島中に広まった。しかし、周りの人々は変わらず親切で、「無理はしないように」、「手伝えることがあれば何でも言ってほしい」といった言葉をかけてくれた。
ティーナは時おり、エレアスやローク王、その他の有識者と集まって、体の模様を調べたり、残された文献を色々と探したりしたが、実際に神鳥を目覚めさせるために有力な情報はなかなか見つからなかった。
セシェルもピュリーも、ティーナが仕事を時々抜けても嫌な顔はまったくしなかった。しかしアルテナは、普段から表情をほとんど変えず無駄口もまったく叩かないため、どう思っているのか分からないままだった。真面目な彼女のことだ。ティーナがセシェルの世話係としての役目をどうしても今までと同じように果たせなくなったことを怒っていても不思議ではない。
その日は、ティーナの立場が変わって初めての、アルテナと二人で仕事をする日だった。
ピュリーがいないと、本当に静かだ。アルテナとの会話は必要最低限のみ。雑談などもってのほかだった。いつもそんな具合なため、ティーナは彼女について、まだほとんど何も知らなかった。
ティーナは朝から淡々と仕事をこなし、台所で、夕食のスープを火にかけてひと段落したところで、掃除を終えたアルテナが戻ってきた。
アルテナはスープの鍋を一瞥しただけで何も言わず、台所の整理に取り掛かり始めた。
意を決して、ティーナは彼女に呼び掛けた。
「あの、アルテナさん」
アルテナが手を止め、ティーナの方を振り返った。
「……わたし、迷惑をかけてしまっていますか?」
「何が?」
相変わらず、その表情から感情は読み取れない。
「わたし、これからもお仕事を続けたいって思ったんです。でも、抜けることも多くなってしまったから、もしかしたらアルテナさん、迷惑に感じているんじゃないかって……」
アルテナはすぐに返事をするでもなく、かといって仕事に戻る訳でもなく、しばらくしてやっと口を開いた。
「別に。迷惑ではないけれど。でも、続ける必要があるのかとは思うわ」
「え……?」
「あなたは今、この島で一番大切にされる人でしょう。わざわざ仕事なんてしなくても生活はできるのに、続けたいって思ったのが不思議」
アルテナの言葉に棘はなく、責められているようには感じなかった。
確かに彼女の言う通り、ティーナは島の民にとって、決して失ってはいけない存在になった。何もしなくても、衣食住はすべて保障されるだろう。
「それは、その通りだと思います。でもわたしは、このお仕事が楽しいんです。セシェルも、ピュリーも、アルテナさんだってとても親切にしてくれますし、だからわたしもできるだけ役に立ちたいです」
この島に来る前のティーナにとっては、毎日が、働くことが苦痛だった。感謝されることがなく、きつい言葉を浴びせられるばかりで、自分が何のために生きているのか分からず、何もできないのだと思わされていた。
この島に来て、新たな仕事を始めてから、それは違うのだと考えを改めた。自分にもできることがある。感謝されるとやる気が湧いてくる。仕事の合間の息抜きも楽しい。
「わたし、決して親切ではないと思うけれど」
「そんなことありません。アルテナさんの教え方はすごく丁寧で、駄目な時はどこか駄目なのか、ちゃんと教えてくれますから」
確かにアルテナは友好的とは言い難いが、ティーナに対して真剣に向き合ってくれている。彼女の言葉や行動から、それを感じ取ることができる。
「ピュリーも言ってました。アルテナさん、何があっても絶対に人のことを見捨てたりしない、だからピュリーも今まで頑張ってこれたんだって。セシェルも、アルテナさんが作ってくれるごはんは、美味しくて元気が出るそうです」
どうしても食が細いセシェルのため、アルテナは少しでも多く栄養がとれるように、材料や味に気を遣っている。仕事に手厳しいのは、それだけ一生懸命で、自分の役目に誇りをもっているからだ。
「……あなた、ここに来る前は一体どんな生活をしていたわけ? それに、余計な話はしなくていいわ」
ふい、とアルテナが顔を背けた。
「そうですよね……。すみません」
「別に謝らなくてもいいけど。あと、わたしはただ単に放っておけないだけだから。セシェルもピュリーも、あなたのことも。親切だとか丁寧だとか、そんなつもりは一切ないから」
つらつらとアルテナは話し続ける。彼女がここまで長く言葉を発するのはかなり珍しい。
「あの、わたし、これからもここにいていいですか?」
アルテナが、もう一度ティーナの方を見た。
「……好きにすればいいわ。今までどおりにやってくれるならわたしは何でもいいから」
「ありがとうございます! わたし、これからも頑張ります」
ふわり、と香草の匂いがあたりに漂った。
「あ、そろそろいい感じかな」
ティーナは白い湯気を放つ鍋に駆け寄り、ぐるりと中をかき混ぜた。野菜と魚を煮込んだスープは、アルテナに教わった味付けだ。今日は、最初から最後までティーナが一人で作った。
ティーナは木の匙でスープをすくって口に運んだ。味は濃くもなく薄くもなく、納得できる出来上がりだ。
「アルテナさん、味見して頂いてもいいですか?」
ティーナが別の匙を差し出すと、アルテナはそれを受け取りスープを一口飲んだ。
「どうですか?」
「……そうね。よくできてるわ」
「本当ですか? 良かった!」
アルテナが直接的な言葉で褒めてくれたのは初めてだ。
言葉にも表情にもなかなか表さないが、確かに認められている。そのことがティーナには嬉しかった。
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