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第九話 朝ご飯
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十四の歳で傭兵として働きに出るまでは、家の手伝いで食事の支度などは毎日していた。
しかし、あれから三年くらい台所に立っていない。
兵舎には専属のコックがいて、いつでも兵隊たちのぺこぺこのお腹を満足させてくれる。
食堂には温かい料理が用意されて、最初は夢かと思ったくらい美味しい食事だった。
カナアンの軍隊は、兵舎はあまり立派ではないが、食事はかなりよいのだ。
アルドヴィナ達は書く小隊ごとに交代で、食事の席に着けばよかった。
「まあ、何とかなるだろう」
またたねぎを微塵に切る、竜のベーコンは大きめに切っていためる。
ガムチャを四半分、賽の目に切る。ひたひたのスープで煮る。
いためた物を一緒にしてトマトマジュースを入れる。
塩とハーブで味付けしてスープの出来上がり。
ぼーぼー鳥の卵は半熟の目玉焼き、焦げないのが好みなので、少し水を入れ蓋をする。
大首トカゲのハムとじゃがらら芋のサラダを、洗ったレタスの上に乗せ卵といっしょに皿に盛る。
「ンパはここにありますよ、ウパパギジュースにしますか、それとも竜乳?」
「ジュース」
「あ、そうそう、今朝採れたてのもももの実がありましたっけ」
青年は結構まめに動いて、楽しそうに食卓を整える。
アルドヴィナがスープと卵の皿をテーブルに乗せると、もう銀色のナイフとフォークが行儀よく並んでいた。
「いただきまーす」
開け放った窓からは、海の風がそよそよと吹き込んで心地よい。
明るく晴れ渡った海の上を、始祖鳥の子供がカモモを追いかけて行く。
のどかな風景だ。
「おいしいですね、あなたがお料理が上手でうれしいです。
お昼にはきっと下の街のおばさんがイタやメラビーの新しいのを持って来てくれますよ。
丸焼きもいいけど、ムニエルにしたら美味しいですよ」
イタはアルドヴィナの故郷のあたりでは、海流の関係でめったに捕れない高価な魚。
メラビーは、兵舎でも時々出て来る、白身の魚だ。
アルドヴィナはこれのムニエルが大好きで、聞いただけでもうっとりしてしまう。
「にあああ」
昼までは絶対ここに居ようと決心する。
「番は、そうですね、始祖鳥肉のクリームシチューがいいかなあ。
あなた作れますか?
私はこのもももでたるとを作ろうと思っているんですよ」
にこにこしながら青年が話を続ける。
「料理は交代でしましょう。
でもお菓子だけは私に作らせてくださいね。生きがいなんです」
変な奴、と思ったが、昨晩のチーズ蒸しパンの味を思い出して、夜まではいてもいいかなと思ってしまう。
「あ、れ? 何だか話題がずれているような…」
何か忘れていたな…、と思って青年の顔を見ると、三つの目がにこにこ笑っている。
「あ! そうだ。私の目を返してくれ」
「だめです」
青年が笑ったまま、きっぱりした口調で言う。
「何故だ? お前に三つも目が必要なわけではないだろう、私は片目では生きて行く事ができないんだ」
苦い敗北の思い出がアルドヴィナの脳裏をかすめる。
「王国軍団の野外試合に出て、失態を演じてしまった。
片目では、剣の試合すら満足に行う事ができない」
国王陛下の前で…失態を……、アルドヴィナはその形のよい唇をかみしめて俯いた。
「そう、あなたは無茶苦茶です。
片目が見えないのに危険な試合に出るなんて……」
青年が少し怒ったような口調で言った。
「そうだな、あの時誰かが盾を投げてくれなかったら今頃私はここにもどこにもいなかっただろう。
騎士としては不名誉な事だが、命を救われた。
私は王の命令で、なくした目を探しに旅に出たのだ」
アルドヴィナは騎士の名誉などにはそれほどこだわる気はなかった。
名誉を重んじて殺されるよりは、生き延びて年金をもらって、のんびり暮らしたい。
第一、殺されたらもう国王陛下のおそばにいる事ができない。
国王陛下は時々気まぐれな事をなさるけれど、決してけちではない。
少し性格におかしな所もあるが、それも惚れた欲目で見れば愛嬌である。
それに、アルドヴィナが狩りで陛下を庇って大けがした時には、大層心配してくれたし。
「あの盾は、私が投げたのです。
まさかあなたが、あんな無茶をするとは思わなかったのでね。
気づいていたら、腕ずくでも試合に出るのを止めましたよ」
「私はあと二か月のうちに目を取り戻して帰らなければ、隊長の地位を失うのだ。
お前は私の目を何に使うつもりだ?」
アルドヴィナは残った片方の目だけで、青年をまっすぐに見つめた。
「あなたがずっとここで暮らすと約束するまで、これは返してあげません」
青年が自分の額の真ん中を指して言う。
「私は城に戻って、国王陛下をお守りしなければならない。それが私の仕事だ」
アルドヴィナはンパのお替りにターバを塗りながら言った。
国王の警護は大変な仕事だ、命の危険もある。
実際アルドヴィナは、二度ほど大けがをしたことがある。
一回は狩りの最中魔物に襲われた国王を庇った時。
もう一度は、刺客に襲われた時だ。
「隊長になる人はいくらでもいます。でも、あなたの代わりはいないのですよ。
死んでしまったらあなたは居なくなってしまうじゃないですか。
死なないまでも戦争に行って怪我をしたり病気になったり、ろくな事はありませんよ」
青年が起こったような口調で言った。
そういえば、声までなんとなく似ているような…。
不思議な気がしてアルドヴィナは目を上げる。
不機嫌そうな青年の顔があった。
「だが、それは私の仕事だからな……」
アルドヴィナが面食らって答える。
何故この男は自分が怪我をしたり、死にそうになったりする事に腹を立てるのか?
自分が危険な仕事をすると、何かこの青年の不利益になるのだろうか?????
「でも、あなたはあまり軍人なんかに向いていませんよ。
第一楽しくないでしょう、あなたはそれほど王族敬語の仕事が好きじゃないでしょう?」
この青年は何故そんな事を知っているのだろう?
そんな事は今まで、一度だって口にしたことはなかった。
確かに、国王陛下の笑顔がなければ、大層辛いに違いないが。
しかし、自分の心の中で密かに思っていただけの事なのに…。
それは自分の運命だと思っていたから、逃げ出そうと思った事はないのだが????
アルドヴィナは不審に思った。
「ああ、そうか、お前は魔術師なのだったな。
だが、それがお前と何の関係があるのだ?
私には他にできる仕事などないのだ」
「だから、ここでずっと……、いや、いいです…」
青年は急に黙りこくって、席を立って台所を出て行ってしまった。
「何だろう、おかしな奴だな。私は何か怒らせるような事を言っただろうか??」
考えながら食事の後片付けをした。
何だか自分が彼を傷つけたような感じがして、釈然としない。
「片目を摂られたのは私のほうだぞ、何故怒るのだ?」
青年があまりに悲しそうで気落ちした様子なので気になったが、追って行って訳を問いただすのも躊躇われる。
それに、どうもよくわからない事がある。
アルドヴィナにしてみれば、昨夜初めて会ったばかりの人なのだ。
しかし、むこうはそうは思っていないようだったではないか?
「うーん、あんなに親し気な口をきく間柄になって、顔を覚えていないなんて事はありえないよなあ」
そう呟きながら階下に降りて見た。
塔の出口の前で、アルドヴィナの乗用獣が、干し草の上に丸くなって眠っていた。
風を避けるために中に居れた乗用獣に誰かが餌をやって、繋いでおいてくれたらしい。
昨夜アルドヴィナはすっかり忘れていたのだ。
いままで犯した事のない失態だった。
大切な旅の仲間を忘れるなんて…。
えさをやってくれた誰か、とはやはりあの青年なのだろう。
「すまなかったな……」
アルドヴィナは誰にともなく、そう小さな声で呟いた。
十四の歳で傭兵として働きに出るまでは、家の手伝いで食事の支度などは毎日していた。
しかし、あれから三年くらい台所に立っていない。
兵舎には専属のコックがいて、いつでも兵隊たちのぺこぺこのお腹を満足させてくれる。
食堂には温かい料理が用意されて、最初は夢かと思ったくらい美味しい食事だった。
カナアンの軍隊は、兵舎はあまり立派ではないが、食事はかなりよいのだ。
アルドヴィナ達は書く小隊ごとに交代で、食事の席に着けばよかった。
「まあ、何とかなるだろう」
またたねぎを微塵に切る、竜のベーコンは大きめに切っていためる。
ガムチャを四半分、賽の目に切る。ひたひたのスープで煮る。
いためた物を一緒にしてトマトマジュースを入れる。
塩とハーブで味付けしてスープの出来上がり。
ぼーぼー鳥の卵は半熟の目玉焼き、焦げないのが好みなので、少し水を入れ蓋をする。
大首トカゲのハムとじゃがらら芋のサラダを、洗ったレタスの上に乗せ卵といっしょに皿に盛る。
「ンパはここにありますよ、ウパパギジュースにしますか、それとも竜乳?」
「ジュース」
「あ、そうそう、今朝採れたてのもももの実がありましたっけ」
青年は結構まめに動いて、楽しそうに食卓を整える。
アルドヴィナがスープと卵の皿をテーブルに乗せると、もう銀色のナイフとフォークが行儀よく並んでいた。
「いただきまーす」
開け放った窓からは、海の風がそよそよと吹き込んで心地よい。
明るく晴れ渡った海の上を、始祖鳥の子供がカモモを追いかけて行く。
のどかな風景だ。
「おいしいですね、あなたがお料理が上手でうれしいです。
お昼にはきっと下の街のおばさんがイタやメラビーの新しいのを持って来てくれますよ。
丸焼きもいいけど、ムニエルにしたら美味しいですよ」
イタはアルドヴィナの故郷のあたりでは、海流の関係でめったに捕れない高価な魚。
メラビーは、兵舎でも時々出て来る、白身の魚だ。
アルドヴィナはこれのムニエルが大好きで、聞いただけでもうっとりしてしまう。
「にあああ」
昼までは絶対ここに居ようと決心する。
「番は、そうですね、始祖鳥肉のクリームシチューがいいかなあ。
あなた作れますか?
私はこのもももでたるとを作ろうと思っているんですよ」
にこにこしながら青年が話を続ける。
「料理は交代でしましょう。
でもお菓子だけは私に作らせてくださいね。生きがいなんです」
変な奴、と思ったが、昨晩のチーズ蒸しパンの味を思い出して、夜まではいてもいいかなと思ってしまう。
「あ、れ? 何だか話題がずれているような…」
何か忘れていたな…、と思って青年の顔を見ると、三つの目がにこにこ笑っている。
「あ! そうだ。私の目を返してくれ」
「だめです」
青年が笑ったまま、きっぱりした口調で言う。
「何故だ? お前に三つも目が必要なわけではないだろう、私は片目では生きて行く事ができないんだ」
苦い敗北の思い出がアルドヴィナの脳裏をかすめる。
「王国軍団の野外試合に出て、失態を演じてしまった。
片目では、剣の試合すら満足に行う事ができない」
国王陛下の前で…失態を……、アルドヴィナはその形のよい唇をかみしめて俯いた。
「そう、あなたは無茶苦茶です。
片目が見えないのに危険な試合に出るなんて……」
青年が少し怒ったような口調で言った。
「そうだな、あの時誰かが盾を投げてくれなかったら今頃私はここにもどこにもいなかっただろう。
騎士としては不名誉な事だが、命を救われた。
私は王の命令で、なくした目を探しに旅に出たのだ」
アルドヴィナは騎士の名誉などにはそれほどこだわる気はなかった。
名誉を重んじて殺されるよりは、生き延びて年金をもらって、のんびり暮らしたい。
第一、殺されたらもう国王陛下のおそばにいる事ができない。
国王陛下は時々気まぐれな事をなさるけれど、決してけちではない。
少し性格におかしな所もあるが、それも惚れた欲目で見れば愛嬌である。
それに、アルドヴィナが狩りで陛下を庇って大けがした時には、大層心配してくれたし。
「あの盾は、私が投げたのです。
まさかあなたが、あんな無茶をするとは思わなかったのでね。
気づいていたら、腕ずくでも試合に出るのを止めましたよ」
「私はあと二か月のうちに目を取り戻して帰らなければ、隊長の地位を失うのだ。
お前は私の目を何に使うつもりだ?」
アルドヴィナは残った片方の目だけで、青年をまっすぐに見つめた。
「あなたがずっとここで暮らすと約束するまで、これは返してあげません」
青年が自分の額の真ん中を指して言う。
「私は城に戻って、国王陛下をお守りしなければならない。それが私の仕事だ」
アルドヴィナはンパのお替りにターバを塗りながら言った。
国王の警護は大変な仕事だ、命の危険もある。
実際アルドヴィナは、二度ほど大けがをしたことがある。
一回は狩りの最中魔物に襲われた国王を庇った時。
もう一度は、刺客に襲われた時だ。
「隊長になる人はいくらでもいます。でも、あなたの代わりはいないのですよ。
死んでしまったらあなたは居なくなってしまうじゃないですか。
死なないまでも戦争に行って怪我をしたり病気になったり、ろくな事はありませんよ」
青年が起こったような口調で言った。
そういえば、声までなんとなく似ているような…。
不思議な気がしてアルドヴィナは目を上げる。
不機嫌そうな青年の顔があった。
「だが、それは私の仕事だからな……」
アルドヴィナが面食らって答える。
何故この男は自分が怪我をしたり、死にそうになったりする事に腹を立てるのか?
自分が危険な仕事をすると、何かこの青年の不利益になるのだろうか?????
「でも、あなたはあまり軍人なんかに向いていませんよ。
第一楽しくないでしょう、あなたはそれほど王族敬語の仕事が好きじゃないでしょう?」
この青年は何故そんな事を知っているのだろう?
そんな事は今まで、一度だって口にしたことはなかった。
確かに、国王陛下の笑顔がなければ、大層辛いに違いないが。
しかし、自分の心の中で密かに思っていただけの事なのに…。
それは自分の運命だと思っていたから、逃げ出そうと思った事はないのだが????
アルドヴィナは不審に思った。
「ああ、そうか、お前は魔術師なのだったな。
だが、それがお前と何の関係があるのだ?
私には他にできる仕事などないのだ」
「だから、ここでずっと……、いや、いいです…」
青年は急に黙りこくって、席を立って台所を出て行ってしまった。
「何だろう、おかしな奴だな。私は何か怒らせるような事を言っただろうか??」
考えながら食事の後片付けをした。
何だか自分が彼を傷つけたような感じがして、釈然としない。
「片目を摂られたのは私のほうだぞ、何故怒るのだ?」
青年があまりに悲しそうで気落ちした様子なので気になったが、追って行って訳を問いただすのも躊躇われる。
それに、どうもよくわからない事がある。
アルドヴィナにしてみれば、昨夜初めて会ったばかりの人なのだ。
しかし、むこうはそうは思っていないようだったではないか?
「うーん、あんなに親し気な口をきく間柄になって、顔を覚えていないなんて事はありえないよなあ」
そう呟きながら階下に降りて見た。
塔の出口の前で、アルドヴィナの乗用獣が、干し草の上に丸くなって眠っていた。
風を避けるために中に居れた乗用獣に誰かが餌をやって、繋いでおいてくれたらしい。
昨夜アルドヴィナはすっかり忘れていたのだ。
いままで犯した事のない失態だった。
大切な旅の仲間を忘れるなんて…。
えさをやってくれた誰か、とはやはりあの青年なのだろう。
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