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違和感

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「母から聞きました、妹のサポートをしてくれていたとのことで」

吹き抜けの廊下でどことなくガラス越しに映る空を見ていた。

振り返るとにこりと絵に描いたように笑う女性向けがいた。
生意気娘と違い線が細く虚ろで儚げな様子。

しかし、何故か感じる違和感。
その瞳の奥の真意は何なんだと考えてしまった。まだ会って1分も経っていないのにもう関わりたくないと思わせるどこか気持ち悪いそれがあった。

「どうかされましたか」

違和感に気付いたのか、焦った様子を見せる彼女。

「ああ、いえ。妹さんと似ていらっしゃるなと」

その瞬間ぴくりと眉を動かし、笑顔のままではあるものの怪訝そうな空気が漂った。


「あの子とは…あの子とは私は似ても似つかないんですよね」

そう言うと、踵を返し

「今日は早めに帰られるんですか」


と行動とは裏腹な言葉に驚く。

「そのつもりです」

少なくともこんな態度の女と一緒に居たいと思うほど、まぞでは無いし何しろ気持ちが悪い。


「少しお話しませんか、妹のことです」

そう言うと、胸ポケットから白い紙を取り出し連絡先です。と一言言うと渡された。


「妹さんのこととのことですが」
「ええ」

「紗月」


遠くからそう呼ぶ声。

「少し待ってください」
「では、後ほど…」


断る暇もなく、去っていった姉と名乗る女性と連絡先を交互に見たあと、胸がつかえたような気持ちになった。

昔あいつが退院した時に撮った写真と、彼女から借りていた弁当箱が入った鞄を姉にも見せようかと全く考えなかったのは明確だった。


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