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冷たい廊下
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朝目が覚めた時だった。妙に廊下を歩く時にじめっと冷たく感じ気持ちが悪かった。少し眉間に皺を寄せながら御手洗へ向かう。
そして、それが終わり歯を磨きうがいをし今日の朝食は何を食べようなんて考えている時だった。
プルルル……
こんな朝早くに誰だと言わんばかりだった。何度か鳴る電話を近くで座り込み眺め5、6回眺めた時に
「はい」
なるべく不機嫌な気持ちを出さないように笑顔で対応した。
「ああ、遥」
「父さん」
「………」
「どうした?」
父がこんな早くに連絡してくるなんて珍しい。
「遥、単刀直入に言うな」
「何だよ、急に」
「お前が学生の頃に補助で担当していた安藤みみさんが亡くなった。御家族から先日連絡があってな」
「は?」
あの生意気娘が死んだ。
「事故の後遺症で目眩が残っていてな、それで転落死してしまったそうだ」
「そう…」
驚きを隠せなかった。あんなに経過良好で確か外傷も骨折だけだったはずだ。それなのに何故。初めて担当した患者だったからなのか、それとも…。
「ああ、私は今日お葬式に参列しようと思っている。お前はどうする。まあ、覚えてないかもしれないし、勉強もあるから無理にとは言わない」
「行くよ」
「分かった、朝食は向こうに着いてから取ろう。迎えに行くから支度をしといてくれ」
そう言われ、電話が切れた。
一体どうなってるんだ。そればかりだった。なんであいつが死んだんだ。よくある後遺症なのは、分かるがあいつでなくても良かっただろうなんて考えていた。
そして、それが終わり歯を磨きうがいをし今日の朝食は何を食べようなんて考えている時だった。
プルルル……
こんな朝早くに誰だと言わんばかりだった。何度か鳴る電話を近くで座り込み眺め5、6回眺めた時に
「はい」
なるべく不機嫌な気持ちを出さないように笑顔で対応した。
「ああ、遥」
「父さん」
「………」
「どうした?」
父がこんな早くに連絡してくるなんて珍しい。
「遥、単刀直入に言うな」
「何だよ、急に」
「お前が学生の頃に補助で担当していた安藤みみさんが亡くなった。御家族から先日連絡があってな」
「は?」
あの生意気娘が死んだ。
「事故の後遺症で目眩が残っていてな、それで転落死してしまったそうだ」
「そう…」
驚きを隠せなかった。あんなに経過良好で確か外傷も骨折だけだったはずだ。それなのに何故。初めて担当した患者だったからなのか、それとも…。
「ああ、私は今日お葬式に参列しようと思っている。お前はどうする。まあ、覚えてないかもしれないし、勉強もあるから無理にとは言わない」
「行くよ」
「分かった、朝食は向こうに着いてから取ろう。迎えに行くから支度をしといてくれ」
そう言われ、電話が切れた。
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