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確信

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「みみ?」
川神さんがドアに寄りかかり、こちらに向かって話しかけてきた時には時すでに遅しでベッドやベッド周りが散乱していた。何かあったのか異変にすぐ気付くと、こちらに駆け寄り様子を伺う。
「ど、どうしたんですか」
「来て」
そう言われるがまま別室に案内された。灯りをつけると本や漫画が陳列されていた。そこには私がよく読んでいた漫画もあり思わず手を伸ばす。
「これって…」
私がよく読んでいた漫画だ。川神さんも持っていたのだろうか。いや、女性向けだしそんなことは無いかと。そして、そこには大々的に有名な作品からマイナーなものまで陳列されていた。
「読みたい?」
「はい…」
久しぶりに。と言おうとしていた自分に驚きが隠せなかった。どうゆうことなのだ。久しぶりになんて。いや、そんなことはあるはずは無かった。少なくとも毎日ではないが、私は愛読していたはず。
絶句している私を見て彼は何かを察したように、部屋から出ていく。この主人公みたいに頑張ろうって思ってたな。少し古くなった漫画を見て時が経ったのを妙にリアルに感じた。当時の増刊号で貰ったマグネット式の栞があってそれを取りまじまじと見つめる。
そんなことをしているとまた扉が開く。
「これ、ここに置いておくね」
そう言うとオレンジジュースとお菓子を置いて、出ていった。
氷の音が鳴る。チョコレート菓子とグミ。そして、ポテトチップス。
こんなに良いのだろうか、しかも全部私が好きなやつ。何故か涙が出た。本当に私は未来に来てしまったのかもしれない。馬鹿げてるかもしれないけど、そう確信した。
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