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「これは預かっとくから安心して、混乱させてごめん」
神妙な面持ちでそう言う彼に私は違和感を感じた。
「何で謝るの?」
何故か気付くとその言葉が口から出ていた。まるで別人格の自分が居るのでは無いかと言わんばかりの気迫だった。思わず口を抑える。
「え、ああ」
驚いた表情を隠せない彼は私の中にある何かを見つけたと言わんばかりに期待の眼差しで見据えてくる。
「みみ……?」
何処か確かめるようにぽそりと聞こえたその声に
「そんなに見ないで」
この状況にむず痒くなり逃げようとソファへ座る。
少しその場に立ち尽くすも、冷静さを取り戻したように少し離れた椅子に座る。
「どこまで覚えてる?」
その言葉に食いつくように
「え、そんな楓先輩といた時に邪魔してきたことだけどっ」
 間髪入れずに答える。
その言葉を聞くとどこか納得したように同時に優しく微笑む。
「ありがとう」
ぽつりと呟いたその言葉は何故か心地よく胸に響いた。何でだろう、そう思わずには居られなかった。
「少し話さないといけないことがあるんだ、信じられないかもしれないけど聞いて欲しい」
その内容は自分の妄想なのではと思うほど作られていた。私自身は今現在結婚していてその相手が彼だたいうこと。そして1週間を彼以外の誰とも接触せず乗り切らないといけないということだった。近くにあった花瓶の花から雫が落ちる。そこから波紋が広がったように水の音が聞こえてるような他の雫のように葉っぱの上にはいられない置いていかれた気持ちになった。




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