トリップ先の私は既に他の人と結婚していた件

アールグレイ

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豊かな自然と罪悪感

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その後は海の幸をふんだんに使った食事を終え、一休みしお互いお風呂を済ませてもう寝るだけになった。
「安藤ちゃん来て」
楓先輩が布団を叩く。
「はい」
ベッドに座り様子を伺う。外に映る海を見たあとに私を見据えたその瞳は熱を持っておりとても綺麗だった。黒髪の柔らかい前髪から覗くその瞳は私を放さなかった。
「俺とこれから一緒に寝てくれる?」
先輩の手が私の手を伝う。
「怖いっ」
本当は頷くつもりだった。すぐにでも。けれどやはり怖いのだ。何故なら目の前にいる先輩は先輩であって私の全く知りもしない先輩なのだ。
「うん、そうだよね」
そう言うと無意識に震えていた私の身体を優しく撫でてくれる。
「無理しなくていいよ」
おいでといい先に横になる先輩。
「何もしないから」
そう言うと枕にうつ伏せになりふかふかだと呑気な声を出す。
先輩から漂ったシャンプーの匂いに一気に鼓動が早くなる。さっきのことなんて無かったようにそっぽを向いて既に寝ようとしている。
「ちゃんと最後までして…」
気が付けばそんなことを言っていた。驚いた様子でこっちを振り向いた先輩に軽くキスをする。
怖かった、けどここで先輩と何も無く終わる方がもっと怖かった。バスローブの前を解き、先輩の手を取り胸へと当てる。
「良いの?」
先輩は片方の手で自分の顔を隠し、最後の理性を保とうとしてくれている。
「はい、触ってください」
それと同時に組み敷かれ勢い良くキスをされる。舌との舌が絡み合い激しく呼吸が乱れる。
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