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変化

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友達は元気だろうか。旅行好きですこしふくよかな親友は犬が嫌いと言っていた。それなのに高校に入ると同時に犬を飼い旅行中も愛犬のことを心配してやまなくなった。そんな風に人は時と共にとても変わる。変化を望まないとそれだけで置いていかれるのだ。
静かな車内でそんなことを考えることになるとは思いもしなかった。
「何か音楽とか聴く?」
遥さんは静かに口を開く。
「ありがとうございます。大丈夫です。この景色が私には目新しくて外を見るのが楽しいです」
 「あっ、そうだったね」
思い出したように納得する。外見は何も変わっていないのだからそう思って当たり前だ。もし私が逆の立場だったとしたらこんなに落ち着いていられるだろうか。いや無理だ。逆に私の方がてんぱってしまうだろう。
ふと足を見ると、すっかり治っていて本当に良かったと感じる。一度骨折をすると癖になりやすいとか音がなったりとかするのを聞いたことがある。未だに私の父は学生時代の骨折の時の縫い後が残っていてあんな風にはならなくて良かったと思った。女の人は男の人より怪我や骨折病気は世間体的にも目が気になることが多い。
「ここもここも治ってる」
そう言えば彼は医学の道を進んでいたのではないだろうか。少し気になり、横目で見る。

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