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無知

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「そっか…嬉しい」
そう言うと遥さんは照れながら柔らかく微笑む。
「えっ、あの…?」
どうしてここで喜ぶんだろう。私は褒めたけど全く褒めてないのに。
「みみと最近寝れてなくて」
「え、ベッド一つしかなかったですよ」
   一体全体どうゆうことなのだろうか。何故ベッドしかも今朝も一緒に寝ていたのに。
「魅力が無いのかなって、もっと求めて欲しいって思ってたんだ」
「もっと高いベッドを?」
どうしてそんなことを言うのだろう。そんなに良質な睡眠が取りたいというのだろうか。仕事が余程ナーバスだったり、ケアが必要な職業だったりして。
「寂しかった、みみ。もっと求めて欲しい。いつも求めるのは俺からだから」
「そんなに遥さんに貢がせてたんですか。ごめんなさい。けどもっと求めてなんてそんなのたまには私も払いますよ」
いくら夫婦とはいえ、どちらか一方に金銭面を負担させるのは駄目なのではないのだろうか。
「あははっ」
遥さんはとうとう吹き出し、食器をリビングに持っていくと大爆笑した。
「あのっ、洗いますよ」
「良いよ、ソファとかでくつろいでて」
「分かりました」
「みみ、こんな感じだったんだ」
    
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