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陥る

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恥ずかしいのと同時に彼の胸の中で癒されてる自分に気付いてしまい、とても不思議な感覚に陥った。
 思わずパジャマを少しだけ握り返してしまった。
「みみ」
   ぎゅっと抱きしめてくれるその腕はとても暖かく包んでくれてるようだった。けれど、私はこの人が好きな私では無いんだ。
「あのっ、これはっ」
「離れないでって言ったからでしょ?」
  私の意思で抱きついたの事に気付いてるはずなのに私のことを考えているのが伝わってくる。
「もう少しこのままで居たいけど、お腹減ってきたから先にリビングでご飯を作るね。何が食べたいかな」
  体を離して柔らかく微笑む。私が少しでも安心するように気を遣ってくれている。
「お、お味噌汁が食べたいです。ワカメ沢山とお豆腐が入ってるのが好きです」
   うんうんと頷く。
「揚げとえのきは入れる?」
「入れてください」
「あと…」
「うん、何が良いかな?鮭とか納豆もあるよ」
「鮭好きです、納豆も」
「お名前は…?」
   おかずの事にばかり意識が行っていたけれど、肝心のこの人の名前が分からない。
「川神遥」
「分かりました」
   かわかみはるかさん。女の人でも居そうなお名前だな。
「うん、なら取り敢えずみみは僕が先に終わらせるからその次に顔洗ってソファで待機で良い?」
「分かりました」
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