トリップ先の私は既に他の人と結婚していた件

アールグレイ

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焦燥

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「母に頼んで塾の講師を頼もうと思います」
「知っていますか、安藤さん塾の講師にもレベルがあるということを」
「知ってます、けれど川神さんにも負担になると思います。ですから、もう構わないでください」
下を向きながらそう言う。
「この位で負担になったりすると思われるのは心外です」
私の話に耳すら傾けようとしない川神さん。
「この位でって、貴方。大学の授業やテストそしてここのお手伝いと言うだけでも大変なはずです。それなのにどうして私に時間を割こうとしてくれるのか分かりません」
「ったくいちいち煩いな、子供のくせに頼れる時に年上を頼れよ。それか、お前の好きな受験生の先輩の足を引っ張りたいのか」
「そんなことしませんっ、足を引っ張りたくないに決まってます」
「ならちゃんとしろ、この時間が無駄だからさっさと勉強始めるぞ」
  結局言いくるめられてしまい、その場では回避することが出来なかった。どうにか嫌われないといけない。
「分かりました、なら一つだけお願いがあります」
「断ります」
「何でですか」
「これ以上面倒なことは自分でしてください」
「ただ、もう楓先輩の話をしないで下さいと頼みたかったんです」
「そうですか、物理的なものじゃないんですね」
    
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