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お邪魔虫
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「安藤さん、先程から煩いです。一体何を騒いでるんですか」
後ろを見ると楓先輩とはまた違ったタイプのクリーム色の髪と端正な顔。しかし、その顔はとても不機嫌そうだ。そう、いつも私に勉強を教えてくれる川神さんが立っていた。白衣を着て左胸のポケットには、ボールペンと検温機が引っ掛けてある。右手にはバインダーと挟んである紙。いつもの検温の結果を書く時間なのだろう。
「げっ…こんな時にっ」
「安藤ちゃん、どなた?」
楓先輩は、私に相手に失礼がないように聞いてくれる。
「私の食事や勉強を面倒見てくれてる人です」
「そうです。川神と言います。初めまして。僕が彼女の炊事や諸々面倒を見てます」
楓先輩に優しく微笑む川神さん。いつもの私に向けてくる作り笑いでは無く、普通の笑顔だ。
「そうだったんですね、ありがとうございます」
「いえ、仕事ですから。ですが何故、君が?」
「安藤さんは、頑張り屋だけど空回りがちだから誰か面倒見てくれる人が必要だと思って」
「…よくご存知なんですね」
「いえ、特に」
「楓先輩そこは知ってるって言ってもいいじゃないですかっ!」
「安藤ちゃん、煩い。黙ってて」
「酷いっ」
「兎に角騒ぐのは辞めて下さい。俺が怒られるんで 」
「すみません」
楓先輩も一緒に謝る。
「あと、そこのイケメン君。ナイフ危ないから気をつけて」
楓先輩が持っていたカットナイフを指さしてそう言う。
「はあ…」
そう言うとそそくさと出ていった川神さん。
「安藤ちゃん、面白い人が担当なんだね。注意してくれたあの人が俺たちより一番声大きかったよ」
楓先輩はあははと楽しそうに笑う。
「何処がですか」
後ろを見ると楓先輩とはまた違ったタイプのクリーム色の髪と端正な顔。しかし、その顔はとても不機嫌そうだ。そう、いつも私に勉強を教えてくれる川神さんが立っていた。白衣を着て左胸のポケットには、ボールペンと検温機が引っ掛けてある。右手にはバインダーと挟んである紙。いつもの検温の結果を書く時間なのだろう。
「げっ…こんな時にっ」
「安藤ちゃん、どなた?」
楓先輩は、私に相手に失礼がないように聞いてくれる。
「私の食事や勉強を面倒見てくれてる人です」
「そうです。川神と言います。初めまして。僕が彼女の炊事や諸々面倒を見てます」
楓先輩に優しく微笑む川神さん。いつもの私に向けてくる作り笑いでは無く、普通の笑顔だ。
「そうだったんですね、ありがとうございます」
「いえ、仕事ですから。ですが何故、君が?」
「安藤さんは、頑張り屋だけど空回りがちだから誰か面倒見てくれる人が必要だと思って」
「…よくご存知なんですね」
「いえ、特に」
「楓先輩そこは知ってるって言ってもいいじゃないですかっ!」
「安藤ちゃん、煩い。黙ってて」
「酷いっ」
「兎に角騒ぐのは辞めて下さい。俺が怒られるんで 」
「すみません」
楓先輩も一緒に謝る。
「あと、そこのイケメン君。ナイフ危ないから気をつけて」
楓先輩が持っていたカットナイフを指さしてそう言う。
「はあ…」
そう言うとそそくさと出ていった川神さん。
「安藤ちゃん、面白い人が担当なんだね。注意してくれたあの人が俺たちより一番声大きかったよ」
楓先輩はあははと楽しそうに笑う。
「何処がですか」
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