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夜空と輝く絵本

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「はるは、死んでるの?」
「さっきニュースでやってたやろ。未来の意識で殺された場合その意識と過去にどう影響するかは分かってないと」
 剛さんは、直接言わないものの頑なに寝室に行かせまいと扉の前にたっているように見える。
「そんな…」
   そんなの。事件の一貫として大変だな早くどうにかなるといいな位には思っていたけれどまさかこんなことになるなんて。
「ただ言えることがあるんや」
「何ですか?」
「今回戻ったら、同じように遥以外のやつと触れたらもう遥はこの歳になったら未来に閉じ込められる。即ちや、永遠に歳を取らないということになるんや」
「そんなっ…そんなことっ…」
どうしたらいいか分からず、流動的に涙が溢れる。悲しいのだろうか。それとも、怖いのだろうか。
 ただ、起きたらここに居て楓先輩に会って少し触れただけでこんなことになるなんて。確かにヒントのようなものが沢山鏤められていた。葉書といい、フグ太郎のことも剛さんもこんなに救おうとしてくれてたのに。
「泣かんでや、でも今回の涙は一番分かって泣いてくれとるな」
「え?」
「前まではどうしてこんなことに巻き込まれて責任を負うようなことをしないといけないのかて、泣いてたんや。その当時は怖かったんやろうな」
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