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日常に潜んだ落とし穴

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「野菜たっぷりにちょっとベーコンが入ってる春雨スープが飲みたい。私も一緒に作るよ」
「良いね、ありがとう」
そう言いつつ、動かないはるくん。
「はるどうしてあっちに行かないの?」
「みみと二人がいいから」
頑なにこの場所にいようとするのには、なにか理由さえ感じた。はるくんは、そう言いつつも時計を見て何かを確認している。また、タイムセールなのだろうか。何か違う気がする。少し切迫している感じがした。
私の手を握り直し、優しく微笑むはるくん。
「隣のコーナーは?」
「行きたいの?良いよ」
何故だろう、さっきこちらに戻ってきてからというものの様子が本当に可笑しい。それまでは、車から降りると機嫌が良くなっていたというのもあり尚のこと気になった。
「ありがとう」
はるくんに悟られないように、私もスマホを左手で軽くフリックして時間を確認する。15時にタイムセールだった為、私が剛さんと一緒に回っていた時間も含め30分以上は掛かっているはず。そう思いタップすると、16時になる2分前だった。
はるくんは、何も言わずに隣のコーナーに私を連れていこうとしている。何かあるはずと思い浮かんだのは誰かのシフトの時間の始まりか終わりなのではということだけだった。恐らく後者だろうと悟るものの、合っているかどうかは待つしかない。

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