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雲と空
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「んー、なら負けてもうたから。行ってええで」
「良いんですか」
「別れの挨拶してき、遥をこっちに呼んだる」
「ありがとうございます」
「ええで、気が変わらんうちにな」
全く手のかかるやつらやとかなんとか言いながら、はるくんに電話する剛さん。その隙にはるくんから見えないように外に出る。
裏庭から回って楓先輩のところに行こうと思い、屈みながら移動する。そんな時だった。
「痛っ」
ジャリにつまづいて転んでしまった。
思いっきりすごい音がしてしまい、周りにバレない方がおかしかった。車の中であちゃーと言う顔をしている剛さんと目が合う。幸い屈んで歩いていた為、怪我はなかったものの膝に砂利がめり込んで痛かった。
「みみ、何してるの」
そこにはスマホを持ったはるくんが居た。心配と少し疑問を持ったような態度で接してくる。そりゃそうだ、欺こうとした本人がもう目の前に居るのだから。
「楓先輩にお別れを言おうと思って」
「そうなの、でも楓先輩あっちだよ。みみ、方向音痴?」
「・・・・・・」
「・・分かった、剛のこの電話ってそうゆうこと?」
「・・・・・・」
「みみ、言わずもがな肯定しちゃってるよ」
はあと溜息をつき、私の手を引き立たせると、行っておいでとはるくんも言ってくれた。
「良いんですか」
「別れの挨拶してき、遥をこっちに呼んだる」
「ありがとうございます」
「ええで、気が変わらんうちにな」
全く手のかかるやつらやとかなんとか言いながら、はるくんに電話する剛さん。その隙にはるくんから見えないように外に出る。
裏庭から回って楓先輩のところに行こうと思い、屈みながら移動する。そんな時だった。
「痛っ」
ジャリにつまづいて転んでしまった。
思いっきりすごい音がしてしまい、周りにバレない方がおかしかった。車の中であちゃーと言う顔をしている剛さんと目が合う。幸い屈んで歩いていた為、怪我はなかったものの膝に砂利がめり込んで痛かった。
「みみ、何してるの」
そこにはスマホを持ったはるくんが居た。心配と少し疑問を持ったような態度で接してくる。そりゃそうだ、欺こうとした本人がもう目の前に居るのだから。
「楓先輩にお別れを言おうと思って」
「そうなの、でも楓先輩あっちだよ。みみ、方向音痴?」
「・・・・・・」
「・・分かった、剛のこの電話ってそうゆうこと?」
「・・・・・・」
「みみ、言わずもがな肯定しちゃってるよ」
はあと溜息をつき、私の手を引き立たせると、行っておいでとはるくんも言ってくれた。
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