トリップ先の私は既に他の人と結婚していた件

アールグレイ

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お別れ

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「そんなに言うなら、みみの大好きな楓先輩の前で俺にキスして」
はるくんの冷たい表情と同様出た言葉は明らかに私を試すものだった。
「早く」
出来ないだろうと言わんばかりに冷たい表情で私の事を軽蔑したような眼差して見てくるはるくん。
「やめろ、何がしたい。意識が高校生に戻ってると分かっていてそんな事を要求するのか」
「そうだよ、俺は良い奴じゃないんだ。好きになったら、全部欲しい」
「下らないな」
「あんたもな。さ、早く。出来ないなら、戻って」
私にとっては優しく完璧なはるくんをこんなに怒らせてしまった。
「分かった」
そう言い、意を決してはるくんの顔を優しく掴み、軽く頬にキスする。
「・・・・・・」
何これと言わんばかりに不服そうな顔をするはるくん。
「あーもー、何しとんねん」
その時だった。電話でしか聞いた事が無い声が私の背後から聞こえた。
「遥と楓くんやったけ、ここは一旦引いてもろうてもええか?」
首に手を当てて、痛たと言いながら出てきた彼。間違えない、フグ太郎だ。どんなチャラ男なんだろうと思っていたけれど、髪はベリーショートでサッパリしており会社終わりなのか、スーツで来ていた。
「剛、止めるな」
フグ太郎の名前は、ごうと言うらしい。いかにも強そうな名前。
「フグ太…」

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