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決意
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「楓」
先輩と言おうとして言葉を飲み込む。まるで、食べ物が喉につっかえた時のように。昔からの癖というのはどうも取れないらしい。それに気付いたのか、楓先輩もクスッと笑う。黒くて大きな瞳が微笑みによって閉じられる。
「どうした」
半ば面白そうに楽しんでる楓先輩。今度こそ言わなくちゃ。
「私ここで、降りて帰ります」
「そっか、分かった。気を付けて帰れよ」
楓先輩は、優しく諭すようにそう言った。まるで自分自身にも言ってるみたいだった。
「はい、ありがとうございます」
半ば拍子抜けしたような気持ちになりつつも、楓先輩に感謝して外に出ようとした。
「待って」
振り返ると楓先輩にバックを掴まれてた。
「どうしたんですか」
「これ、置いてって」
とんとんと楓先輩が指さした。それは今朝はるくんに付けてもらった髪飾りだった。
「分かりました、それあげますね」
楓先輩からは、好きなんて一言も聞いてない。それだけれども、さっきとは全然違う空気が漂ってる。今まで中々懐かない猫をあの手この手で、追っかけてきたけれども何だか懐かれると言うのはこうゆうことなのかと少し嬉しくなった。でも何故か複雑だった。好きなはずなのに実際会ってとても嬉しかったのに。何故か魚の骨が喉に刺さった時のように違和感が取れなかった。
先輩と言おうとして言葉を飲み込む。まるで、食べ物が喉につっかえた時のように。昔からの癖というのはどうも取れないらしい。それに気付いたのか、楓先輩もクスッと笑う。黒くて大きな瞳が微笑みによって閉じられる。
「どうした」
半ば面白そうに楽しんでる楓先輩。今度こそ言わなくちゃ。
「私ここで、降りて帰ります」
「そっか、分かった。気を付けて帰れよ」
楓先輩は、優しく諭すようにそう言った。まるで自分自身にも言ってるみたいだった。
「はい、ありがとうございます」
半ば拍子抜けしたような気持ちになりつつも、楓先輩に感謝して外に出ようとした。
「待って」
振り返ると楓先輩にバックを掴まれてた。
「どうしたんですか」
「これ、置いてって」
とんとんと楓先輩が指さした。それは今朝はるくんに付けてもらった髪飾りだった。
「分かりました、それあげますね」
楓先輩からは、好きなんて一言も聞いてない。それだけれども、さっきとは全然違う空気が漂ってる。今まで中々懐かない猫をあの手この手で、追っかけてきたけれども何だか懐かれると言うのはこうゆうことなのかと少し嬉しくなった。でも何故か複雑だった。好きなはずなのに実際会ってとても嬉しかったのに。何故か魚の骨が喉に刺さった時のように違和感が取れなかった。
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