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研究室
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「フグ太郎?」
電話越しに聞こえてきたのは、先程家で話していたふぐのキーホルダーから聞こえてきた張本人の声だった。
「そうやで」
如何にもという感じで堂々と答える彼ははるくんの親友と言うだけあって堂々としていた。
「貴方、死んだんじゃ。全く動かないからてっきり」
でも、目の前にあるキーホルダーはピクリとも動かず先程のように声も聞こえない。その為に今何が起こってるのか少しばかり混乱した状況下にあるのは否めなかった。
「冗談はよせ、俺はな死にはせんのや。と言うのは嘘や。てか、今電話してんのは未来からやないで」
きちんと理解するようになのか、はっきり断言する彼。
「えっ·····?」
まさかとは思ったものの、驚きを隠せない。
「過去からや」
「この世界では、遥だけが未来の住人や言うたやろ。すなわちや、俺は過去に飛ばされとるわけや。せやけん、ここに電話するんわ過去からしか無理やったんや」
「なるほど、でもどうやって?」
「そんなことは、どうでもええ。お前どうする気なんや」
「研究室に行ってちょうど貴方のことを探ろうとしていた所よ」
「あほかいな、何の為にお前今未来に飛んでる思とるねん」
はあーとむしゃくしゃしたような声が電話越しから聞こえる。その声はとても焦っており、今朝話した時のフグ太郎とは少し様子が違った。
「何でってそれは分からない。それが分からないから唯一無の鍵でありそうな貴方に対して少し研究しようかという方向に事が定まったの」
「なるほどな、分かった。ほんなら、今すぐ家に帰れ」
私の事を窘めるようにそう言う。
「何で?私楓先輩待たせてるの」
もう車に乗ってるであろう楓先輩を置いて勝手に帰る訳には行かない。スマホという連絡手段があるものの、楓先輩の連絡先は知らない。その為、今一人で帰るとなると勝手に約束を取り付けた上に破って帰ってしまう自己中な人になってしまうのは言わずもがなである。
「言うたやろ、3回以上触れたらあかんと。何で遥は許したんや」
「それは私が無理を言って頼んだからで」
「そうやろうな、小娘のことになるとほんまに遥は甘くなるな。困ったやつや」
「ねえ、何か知ってるの?それなら教えて」
「ほんなら、今すぐ家に帰れ」
「それは」
「会うまでは遥は許したやろうが、ほかのところに行くと言うんは許してないはずや」
「そんなこと一言もはるくんは言わなかった」
「そうやろうな、あんたの事をを思って言わんかったんや」
分かれと言わんばかりそう言ってくるものの、帰れと言われる状況が理解出来ない。
電話越しに聞こえてきたのは、先程家で話していたふぐのキーホルダーから聞こえてきた張本人の声だった。
「そうやで」
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でも、目の前にあるキーホルダーはピクリとも動かず先程のように声も聞こえない。その為に今何が起こってるのか少しばかり混乱した状況下にあるのは否めなかった。
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きちんと理解するようになのか、はっきり断言する彼。
「えっ·····?」
まさかとは思ったものの、驚きを隠せない。
「過去からや」
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私の事を窘めるようにそう言う。
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「それは」
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「そんなこと一言もはるくんは言わなかった」
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分かれと言わんばかりそう言ってくるものの、帰れと言われる状況が理解出来ない。
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