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驚きの真実
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「それ、俺が預かっても良いかな。なにか細工や遠隔操作で話してると思うんだ。安藤ちゃんはあまりそういうのに詳しくないだろう。早く戻らないとこの世界は均衡が崩れると思うんだ」
「今こうして話している間にも目に見えないところで変わってるんだ。生態系と同じように必ずどこかしらで歪みが起こる。もう元の俺達では居られなくなるんだ」
確かにそうだ、この世界に意識だけが来ているとしても本来のこの世界の私達の意識はどこに行っているのだろう。過去世からの記憶は衰退していないが、未来の私たちの意識が何処にあるのかと考えると自分の浅はかな考えに頭から火が出そうになる。
「フグ太郎は、ここの世界での私の旦那さんの親友て言ってました」
「彼とその親友が連携してるってこと?」
「分かりません、そのようには一言も話してませんでした」
「なるほど」
「もし、彼にも秘密で私にだけ連絡を取ろうとしているなら先輩には渡せません。それは、私の私情ではなくこの世界のものだからです」
「じゃあ、どうしたらいい?君から無理やり奪い取るなんて真似はしたくない。けど、状況が状況だ」
「一緒に行きます」
「·····え?」
「一緒にその研究所に行きます。それなら、良いですよ。だけど、今日帰るまでの時間までです」
「まさか安藤ちゃんがそう言うとは。頑なに渡してくれなさそうだったから最終的にはそうしようかなとは思ってたよ」
楓先輩は、そういった後に優しく微笑み口にケーキを運ぶ。
ほっとして私も一緒に口にケーキを運ぶ。さっきとは違い生クリームの味ときちんと生地の美味しい味がした。
「その話に乗るよ、じゃあ次は俺が知ってることを話してもいい?」
楓先輩はフォークを皿の端に添えて、場を整え直す。
「はい、お願いします」
私は聞き役になった途端に、先程よりもケーキを口に運ぶ。そして、苦いカプチーノも一緒に口に流し込む。
「俺が知ってることはただ一つ、君の旦那さんだけがこの未来の住人という事だ。要するに、過去の精神記憶が皆に反映されてる。そして、考えられるのはその旦那さんが何かを隠しているということだ」
楓先輩は、私と目が合うと少し気まずそうに視線をずらした。
「それで、どうなるんですか。はるだけここの世界の住人て一体」
「俺が考えるに何らかの理由で彼自身がパラレルワールドのようにこの世界を作り、操作しているのではないのかと考えた。しかも、君絡みに違いないと踏んでいる」
「何でそう思うんですか」
「それを君に探って欲しいと思ってる、あくまで推測だが君のあの時の事故に関連していると思っている」
「今こうして話している間にも目に見えないところで変わってるんだ。生態系と同じように必ずどこかしらで歪みが起こる。もう元の俺達では居られなくなるんだ」
確かにそうだ、この世界に意識だけが来ているとしても本来のこの世界の私達の意識はどこに行っているのだろう。過去世からの記憶は衰退していないが、未来の私たちの意識が何処にあるのかと考えると自分の浅はかな考えに頭から火が出そうになる。
「フグ太郎は、ここの世界での私の旦那さんの親友て言ってました」
「彼とその親友が連携してるってこと?」
「分かりません、そのようには一言も話してませんでした」
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「それで、どうなるんですか。はるだけここの世界の住人て一体」
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