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始まり
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「今日は何着ようかな、ふふ」
クローゼットを開けるとクリーニング済みのコートやスカート。そして、ズボン。
「何かダボダボしてるのって可愛いよな」
下から急にぶりっ子した声が聞こえるがその声は野太い。
「え?」
下をみると、小さなフグのキーホルダーが喋ってる。
「何や、変な顔して」
「え?」
「あんたや、あんたに言っとるや。そこの頭悪そうな嬢ちゃん」
「誰なの」
「全く最近の若いやつは、スマホやソシャゲ、二次元にアイドル。社会のことには興味なし」
「え、何。本当に」
「あんたもあれやろ。ギガ不足だとか何だとか騒いでスマホックビ。ストレートネック女やろ」
「ストレートネック女·····」
「わしか、わしはな。ふぐ太郎や。ここに来るようなってからほんに退屈やわ。はよ、外に出してや」
ぴょんぴょん飛び跳ねるふぐのキーホルダー。
「怖い、未だかつて無い恐ろしさ。ごから始まってりで終わるあの半端ない光沢と生命力の触覚を持ってるやつより怖い」
「何やと小娘。お前さんの方がよっぽど恐ろしいわ。こんなにプリティーで可愛らしいフグ太郎をほっとくなんて。なんて奴や」
「はるっ、はるっ·····!!」
一体全体、昨日から何が起こってるの。やっとこの状況に慣れてきて食事も喉を通るようになってきたと思った束の間この有様。
「あんた、なんて奴や。こちとら挨拶してやったのに自分は名乗りもしないで助けを求める。なんて最低な奴や。どうしてこんな小娘と遥は結婚したんや。嫌やわ、わし。別れさせたろか」
またもや飛び跳ねたかと思うと、フグ太郎は外に飛び出してきた。
「いやあーーー!?」
ぴょんぴょん跳ねて、外に出たキーホルダーに腰を抜かす。
「人間てのはなんでこんなにでかい図体して臆病なんやろうな?わしには分からんわ~」
とぴょんぴょん跳ねてベットの真ん中に着地する。
「いいか、嬢ちゃん。わしはな遥の親友や。で、あんたを何としてでも阻止したいんや」
「無理よ、素性も知らないフグのキーホルダーの言うことなんて聞けるはずない」
「消えてよ、怖い。何これ幻覚?」
私は思わず頭を抑え込む。幾らいつも妄想や楽しいことで頭がいっぱいな私にもこの状況は理解し難い。
「やめろや、ほんに消えかかったとしてもわいはあの有名な映画みたいに木の実を食べさせられへんで~」
「変な所で冗談言わないでよ」
「ありゃりゃ、困ったな~。で、本題に戻るぞわしは、だらだら話したくないんや」
そう言うと、ふぐ太郎は口から紙を吐き出し、
「口紅貸りんで~」
と言っていつの間にか口紅を持っており、それを唇のような所につける。
クローゼットを開けるとクリーニング済みのコートやスカート。そして、ズボン。
「何かダボダボしてるのって可愛いよな」
下から急にぶりっ子した声が聞こえるがその声は野太い。
「え?」
下をみると、小さなフグのキーホルダーが喋ってる。
「何や、変な顔して」
「え?」
「あんたや、あんたに言っとるや。そこの頭悪そうな嬢ちゃん」
「誰なの」
「全く最近の若いやつは、スマホやソシャゲ、二次元にアイドル。社会のことには興味なし」
「え、何。本当に」
「あんたもあれやろ。ギガ不足だとか何だとか騒いでスマホックビ。ストレートネック女やろ」
「ストレートネック女·····」
「わしか、わしはな。ふぐ太郎や。ここに来るようなってからほんに退屈やわ。はよ、外に出してや」
ぴょんぴょん飛び跳ねるふぐのキーホルダー。
「怖い、未だかつて無い恐ろしさ。ごから始まってりで終わるあの半端ない光沢と生命力の触覚を持ってるやつより怖い」
「何やと小娘。お前さんの方がよっぽど恐ろしいわ。こんなにプリティーで可愛らしいフグ太郎をほっとくなんて。なんて奴や」
「はるっ、はるっ·····!!」
一体全体、昨日から何が起こってるの。やっとこの状況に慣れてきて食事も喉を通るようになってきたと思った束の間この有様。
「あんた、なんて奴や。こちとら挨拶してやったのに自分は名乗りもしないで助けを求める。なんて最低な奴や。どうしてこんな小娘と遥は結婚したんや。嫌やわ、わし。別れさせたろか」
またもや飛び跳ねたかと思うと、フグ太郎は外に飛び出してきた。
「いやあーーー!?」
ぴょんぴょん跳ねて、外に出たキーホルダーに腰を抜かす。
「人間てのはなんでこんなにでかい図体して臆病なんやろうな?わしには分からんわ~」
とぴょんぴょん跳ねてベットの真ん中に着地する。
「いいか、嬢ちゃん。わしはな遥の親友や。で、あんたを何としてでも阻止したいんや」
「無理よ、素性も知らないフグのキーホルダーの言うことなんて聞けるはずない」
「消えてよ、怖い。何これ幻覚?」
私は思わず頭を抑え込む。幾らいつも妄想や楽しいことで頭がいっぱいな私にもこの状況は理解し難い。
「やめろや、ほんに消えかかったとしてもわいはあの有名な映画みたいに木の実を食べさせられへんで~」
「変な所で冗談言わないでよ」
「ありゃりゃ、困ったな~。で、本題に戻るぞわしは、だらだら話したくないんや」
そう言うと、ふぐ太郎は口から紙を吐き出し、
「口紅貸りんで~」
と言っていつの間にか口紅を持っており、それを唇のような所につける。
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