トリップ先の私は既に他の人と結婚していた件

アールグレイ

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「もしこれが本当のお話だとするなら、高校生の私はどうなってるんですか?はるは知ってますよね、流石に結婚してるんだから」
言葉に出せてるのが不思議だった。頭は真っ白なはずなのに次から次へと口から言葉が溢れ出す。心の中は物凄く流れの強い川に勢いのまま流され石にぶつかり至る所に傷を作りながらも止められないような気分だ。
「みみは、車に轢かれて病院に入院することになる。主な原因は全身打撲と右手右足の骨折」
左側でぶつかったから右に全ての衝撃がいったってことなのかな。
「な、骨折って…今まで骨だけは上丈夫なのが自慢だったのに!じゃなくて、その後はどうなったんですか」
「簡潔に言うと、僕の親が働いてる病院で手伝わせてもらってて、当時の君の面倒を見ることになったんだ。で、その後色々あって結婚したんだよ」
「その後色々が1番気になってるのだけれど…」
「知りたい? 」
と、耳打ちしてくるはるくん。
「はい、知りたいです」
「みみがね、俺を病院で襲ったの。びっくりした?けど、純潔を奪われたんだからそれ相応の償いは必要だよね?」
はるくんを襲う。まさか、私は勢い余ってハルくんを松葉杖とかでメッタ刺しに?早くここから出して楓先輩に会わせろーとか言ってそう。
「その節は覚えてないですが、ごめんなさい」
「もしかしてみみは初めてじゃないの?」
「初めてじゃないです」
そう、以前楓先輩と楓先輩を好きな女の先輩モブ子。モブ美?もはや名前を忘れたからどうでもいいが。髪の毛の掴み合いになって大喧嘩したことがある。主な議論内容は楓先輩のどこが1番素敵な場所かという今考えるととてもおかしな事をしていたと思う。そんなことがあったから、きっとはるくんを襲ってても何も言えない。
「·····やだな」
はるくんは急に私を今までにない程強い力で抱き締めてきた。
「え、ちょっ」
「敬語なのも嫌だし、他の男の名前を呼ぶのも嫌だ」
腰に手を回されて肩に頭を寄りかかられる。
「はるっ·····」
急に目の前に男の人が現れたような感覚に陥って、恥ずかしくなる。夢だからと兄のように夫というこの人を慕ってた。
「君の意識は高校生なんだろうけど、少しこれは辛いな。··········なんてね」
すっと体を離して、どれがいいとジュースを置く彼。                                                                   「ごめんなさい、いや、ごめんね。豆乳のやつが飲みたい」
「うん、分かった。良いよ」
気にしないでとやわらかく微笑みコップにジュースを注ぐ。横顔も勿論整っててこの人本当に人間なのってくらい美形なのになんで私はこうも平然と居られたんだろう。急に恥ずかしくなって楓先輩に申し訳なくなった。
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