美男美女があふれるヨーロッパの街へ行ってきた。

3 ―１ ヨーロッパ全体について

ステンドグラスの本気を見た～ヨーロッパ～

「ステンドグラスは大聖堂の中で見るものだ」
ということをはじめて知った。

ベルギーとケルンで大聖堂を訪ねた。

石造りの建物は、音も光も遮断する。
切り取られたような空間に光がやわらかく降りている。
人工的な光に慣れた目には少し薄暗い。
光を辿って顔を上げるとそこにはステンドグラスがある。
その大きさに圧倒され、その輝きにひれ伏しそうになる。

ステンドグラスは光を通してみるものだ、とはじめて知った。

日本で見るとき、建物の中と外で光量に差がなかった。
近くで見ることもできたし、技術の美しさを感じることができる展示方法であることが多かった。

けれど、本場は違う。

神様を感じられるように、後光が自分に届くように、そんな願いで作られたステンドグラスはとても美しかった。
ガラスを透した色は、溶け合って光となって周囲を照らす。

高い天井が声を響かせ、打ち消し合って、人の声はせせらぎとなり静寂を保つ。
透き通った光と音に囲まれ、荘厳な装飾の中に神様を感じられるとても神秘的な場所だった。