美男美女があふれるヨーロッパの街へ行ってきた。

５−３ 凱旋門

螺旋階段地獄～凱旋門～

「まいすけ、覚悟しておいてね」
とサトちゃんが脅してきます。

凱旋門にはエレベーターがありません。
50メートル分、マンションの１５～２０階相当を階段で上がらなければなりません。
しかも、普通の階段ではないのです。
なんと螺旋階段です。

二人の子供たちはどんどん上がっていきますが、大人はそうはいきません。
大人一人ぐらいの幅しかない階段をえっちらおっちら歩いていきます。
後ろの人に追い越して欲しいときは、途中にあるポケットに入らないといけません。
変わらない景色に終わりが見えないことに疲れながら、なんとか辿りつくことができました。

「こんなもんだっけ？」
とサトちゃんは首をかしげていました。
以前来たときは子供達を追っかけることに必死で余計に疲れたのでしょう。
ゆっくり動く私といっしょに上がったことで、疲れが軽減されたみたいです。

登りは覚悟していましたが、意外と下りが大変でした。
下るだけなら楽だと思って甘く見てました。
カルちゃんが螺旋階段を使って写真を撮っていたので、どんなアングルで撮影しているのか気軽に確認したら酔ったんです。
螺旋階段で、上見たりした見たりするもんじゃないですね。
異次元空間に放り出されたような気持ち悪さに襲われてしまいました。