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9話 踊るタヌキに食べる猫
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「よ!」
オレが朝起きると布団の上に女神の水雲デルタ様がいた。
「何やってんですか」
「実は相談があってな」
「なんですか、信仰をめぐって神々も戦争をはじめたとか?」
「いや、信仰で神が戦争とかしないよ。あれは人間が利権のためにやってるだけで」
「ぶっちゃけますね。じゃあ何ですか」
「イチゴ」
「は?」
「このまえ某桜井におわす古株の神様にな、沢山そうめんもらったお礼にイチゴ持っていったんだわ
玄関口で奥様の箸姫様が受け取ったんだけどよ、微妙にうれしそうじゃないんだわ」
「なんていわれたんですか」
「ありがとう、だけどよ、なんかテンション下げ下げでさ」
「どんな品種なんです」
「あまおう」
「あー」
「あーってなんだよ、よくねえのかよ、あまおうってくらいだから甘いって思うじゃん」
「そういう事じゃなくて北九州のブランドでしょ。桜井の辺りって飛鳥ルビーの生産地じゃないですか、
それって、神社を崇敬してる氏子にケンカ売ってるって事になるでしょ」
「なるでしょって、イチゴの産地なんてしらねーよこっちはよお、豊受の大神じゃねえんだからよお」
「はあ」
「はあじゃねえよ、はあじゃ、どうすんだよ」
「飛鳥ルビーもってきゃいいんじゃないですか?」
「しゃあねえなあ、じゃあ、今度日光にお土産もっていくのと一緒にアメゾンで注文しとっか」
「日光は飛鳥ルビーはやめといたほうがいいですよ」
「なんでだよ」
「日光はとちおとめがあるじゃないですか」
「そうかよ、じゃあ久能山にもとちおとめ持っていくかな」
「久能山は紅ほっぺか章姫」
「なんでだー、同じ神様なんだから同じでいいっぺよ、ごじゃぺ言ってんじゃねえど」
「女神様、方言がでてますよ、方言が」
「あ」
水雲様は慌てて口をふさいだ。
「ぶっちゃけさ、食べて美味しいのはどれよ、お勧めとかあんの?」
「お好みもありますし、人それぞれなんですけど、オレの好みでよければ」
「いいよ、言ってみな」
「イチゴ本来の酸味と甘みを味わいたいなら紅ほっぺ、さちのか、とよのか。
酸味が苦手で甘いのが食べたい、さっぱり食べたいなら章姫がいいです。
あと、お料理でケーキの上に乗せるなら、あえて、酸味が強い女峰がおすすめです。
ケーキのパティシエはケーキの中に入れるイチゴに女峰、上にのせて直接食べるイチゴに
紅ほっぺを使っている場合が多いですね。この頃は新しい品種も出てますから、
積極的に新しい品種を試してみるのもいいんじゃないですか」
「そうなんだな。じゃあ、今度スーパーで苺買うときは紅ほっぺかとよのかか、さちのかか、
章姫さがすわ」
「はい」
「ありがとな」
「神様、一つ聞いていいですか」
「なんだ」
「人間が無謀な戦争とか始めた場合、神は人に天罰とか下さないんですか?
世の中にはあまりにも不条理な事が多すぎる。なんで神様は全知全能なら
そんな不条理を放置しているんですか」
「メテオクライシス」
「は?」
「お前、メテオクライシス持ってるけど、使えるか?」
「あ、その事ですよ、酷いじゃないですか、あんなもん使えないですよ」
「だろ、神様も同じなんだよ」
「意味がわかりません」
「神が本気で怒ったらな、大津波とか大地震とか無茶苦茶になるんだ。だけどな、
ほんの数人の狂った為政者を罰するために莫大な罪もない人たちが死ぬ。
しかも、為政者は安全な場所になるので生き残っっちゃったりする。
神だって力の微調整なんてできないんだよ」
「神ってそういうもんですか」
「神もまた宇宙の法則の一つにすぎぬ。それにな、罰とは反対に加護を与えても、
与えられたものは、それを自分の実力と勘違いし、イキリ倒し、結局は破滅していく。
そういう奴を何人も見てきた」
「じゃあ、どうしてオレに最強の能力を与えたんですか」
「一縷の望みじゃ、先の戦いでの、お前がメテオクライシスを使ったら、我はお前を
灰にしようと決めていた。本来は、ポイントイッパイイッパイまで使ったら、あの
最上位魔法は使えぬ。あれは、我が力の一部をそなたに委譲したのだ。そなたが、
良識を持って行動するかどうかの試金石として」
「もし、オレがあそこでその能力を使っていたらどうするんですか」
「その時は、また初めから作りなおすさ。かつて、ソドムとゴモラという都市で
神から能力を与えたられた者が奢って最上位魔法を使ったことがある」
「そいつはどうなったんですか」
「塩の柱になったさ」
「肝に銘じます」
「うむ、息災での」
女神さまはそう言うと、ドロンと煙となって消えた。
メアリーはナニワで起こっている不都合はすべて、隣国アワーが仕掛けたものだと主張した。
アワーはナニワの破滅を狙っており、大量破壊兵器を製造しているとも主張した。
アワーはナニワほどの大国ではない。
経済力が小さく、ウワサでは戦士のリアリティも最上位でもURしかも数人、師団長クラスでも
SSRが大多数。連隊長クラスでSR,主戦力はRという有様だ。
それに加えてこちらにはオレとオソロシアと黒足猫というLRがいる。
ピエールはUR、メアリーもURの力を持っていると聞く。
主戦力に多数のSSRがいる。
戦えばナニワの圧勝なのは間違いなかった。
しかし、いままでは戦う理由がなかった。
メアリーは自分たちは被害者だと主張した。
ナンバの劇場をテロによって放火され、破壊された。
クニツ教会放火事件もアワーの仕業だと主張した。
国民世論は燃え上がり、正義のためにアワーに攻め込むべきだという世論が主流となった。
誰も逆らえない。
オレは、こんな戦争おかしいと思ったが、それを言ったところで、オレが周囲から
バッシングされるだけで、なにも状況は変えられないとおもった。
国民世論が盛り上がると、王も民衆の声が無視できなくなった。
これ以上、戦争を押しとどめると、暴動が起きかねない。
それでも国王は国民の前に立ち、戦争を自重するよう訴えた。
戦争によって多くの国民の血が流れる。
戦争には負けるリスクもあることを国民に言い聞かせた。
そんな時である。
アワーの内部でも時代遅れの狸崇拝をやめようという運動が起こった。
ナニワの最高学府で学んだエリートたちの一人がコマツアイランドの出身で、
コマツアイランドにある金超大明神の神殿を壊して公園を作るべきだと主張したのだ。
無価値な神殿を壊して、市民の娯楽とアメニティーのための施設を作ることが
発展した民主主義の考え方だと訴えたのだ。
村の故老や低学歴労働者たちは反発したが、
そのエリートは、そういう考え方こそが、アワーの発展を阻害しているのだと
厳しく低所得者層を非難した。
これに激怒した肉体労働者たちが、暴動を起こし、コマツアイランド当局の警官隊が鎮圧に
向かったが、かえって民衆の怒りに火をそそぎ、警官隊を撃退してコマツアイランドの市政局を
選挙してしまったのだ。
命の危険を感じたエリートは船でナニワに逃亡し、そのまま亡命した。
そのエリートは、メアリーに保護され、民衆の前で
コマツアイランドの民衆がナニワ侵略をもくろんでいる。
暴徒は病院に乱入し、子供をベットの下にたたきつけて殺していると発表した。
この声明にナニワ民衆は激怒。
国王もこれ以上、戦争を抑えられなくなった。
ナニワは、このエリートの証言を根拠としてアワーに宣戦布告を行った。
アワーは何の事かわからないようで、非常に動揺しており、
必死に無実を訴えたが、宣戦布告してしまった後ではどうしようもなかった。
いずれにしても圧倒的軍事力を保有するナニワがアワーに勝利することは
明らかだった。
ナニワは総力戦宣言を行い、オレにもオソロシアにも黒足猫にも学徒動員命令がくだった。
我々は友好国であるキシュー国の領土であるチノーアイランド、フレンドアイランドの上陸し、
そこからもう一つの友好国ヒョウゴー領であるオノコロロアイランドに上陸、
兵力を整え、強襲上陸艇に乗り込み、ナルトー海峡に進んだ。
海上に出たところで異変が起こった。
急に海の中に渦巻きが発生したのだ。
「トラップだー!デバフをかけろー!」
兵士たちが叫んだ。
魔導士たちが必死で海の中に発生した大渦巻に魔法を打ち込むしかし、まったく効果はない。
「だめだー!魔法が効かない!」
渦にとらわれ、一か所でグルグル回る強襲上陸艇にアワーの長距離魔法弾が直撃、
次々と上陸艇が沈んでいく。
「やばい!やばい!やばい!引き返せー!」
相手の魔法弾はそんなに強力なものではなかったが、渦巻で動きが停止しているところを狙われては
ひとたまりもない。
同盟国、キシュー、ヒョウゴーの手を借りれば、簡単に上陸できると思ったが甘かった。
我々先発隊が撤退してくると、
この作戦の総指揮官であるメアリーの激しい罵声が待っていた。
「あなたたちは何て腰抜けなの?そのLRの称号は飾り?何のために今まで
無駄メシを食べてきたのかしら。今から戦士をやめて便所掃除でもすれば?」
ああ、なんかサラリーマン時代を思い出した。
戦って負けて無力感を味わうなら納得もできる。
しかし、今回の戦いは戦わせてもらえない。
「上陸して実戦になれば必ず勝てます!」
オレはそう言ったが、メアリーは侮蔑の表情でオレを見下した。
「ふん、それは実際に勝ってから言ってほしいものね」
返す言葉がなかった。
結局、今回は我々先遣上陸隊を使うのではなく、
総力戦でいきなりコマツアイランドに上陸する決定をメアリーが下した。
「待ってください!先の作戦でも私たち先遣隊が先に行動したので、敵の罠に気づけて
被害も最小限度にで済みました。また敵が何か罠をしかけていたら、
被害は私たち先遣隊だけでは済みません。私たちは全滅してもかまいませんから、
まず、私たち先遣隊を先に派遣してください」
おれはそう叫んだがメアリーはオレを嘲笑して無視した。
話も聞いてもらえない。
結局、ナニワ軍は全力で小松島に上陸作戦を決行することになった。
戦艦でコマツアイランドの近くまで接近し、
魔導士が魔弾を徹底的にコマツアイランドに打ち込む。
「暗黒の炎に包まれ消し飛べ!ブラックフレイム!」
船上から暗黒騎士オルフェンが真っ黒な剣を掲げて叫ぶと赤黒い光の弾が
地上の方に飛んでいくのが見えた。
コマツアイランドの市街地が真っ赤に燃え上がっている。
こいつだけは敵に回したくないなと思った。
「いくぞ!」
オレたちは強襲上陸艇に乗り込み、コマツアイランドの砂浜に降り立った。
辺り一面に狸の獣人の黒焦げの死体が大量にころがっている。
砂浜はほぼ壊滅状態だった。
「待て待て!うかつに先に進むなこのウスノロども!先駆けはこのウイドーがうけたまわる!」
白銀のウイドーと異名を取る騎士がオレたちを制止した。
ウイドーは砂浜を走りながら地面を刺していく。
「ぎゃー!」
ウイドーが突き刺すと砂浜から悲鳴が聞こえ、血しぶきが飛び散る。
「コソコソと隠れていないで出てこい、このケダモノども!」
ウイドーが叫ぶ。
「調子にのるなよ!」
一瞬にして砂浜の砂が鎧を着たタヌキの戦士たちになり5人ほどが一斉にウイドーに切りかかる。
ブウン!
ウイドーが剣を一振りすると、タヌキの戦士たちは鉄の鎧ごと真っ二つになった。
「よし、行っていいぞ、腰抜けども」
俺たちの方を向いて、ウイドーは吐き捨てるように言った。
「てめえ、口の利き方に気をつけろよ」
オソロシアがウイドーに詰め寄ろうとする。
「フッ」
ウイドーが鼻で笑った。
「てめえ!やんのか?」
「まあまあ、やめろって!」
オレは必死にオソロシアをなだめた。
そのまま市街地に進む。
「すすめー!腰抜けどうもに遅れをとるなー!」
大声でオレの隣をすり抜けていく者があった。
メアリー直属隊の隊長、カイトだった。
その時である。
チャンカチャンカ、チャンカチャンカ、ちゃんか、ちゃんか、チャンカチャンカ。
何か軽快な音楽が聞こえてくる。
何か日本の着物を来たタヌキの女の獣人たちが笑顔で踊りながらこっちに行進してくる。
「女でもかまうなー!皆殺しにしろー!」
叫びながらカイトが突進する。
その時である。
「う、うっ、うわああああああー!」
カイトが叫びながら周囲の味方に魔法弾を乱射しはじめた。
「何しやがる!」
オレはカイトに走り寄って殴り倒した。
カイトは勢いよく地面にバウンドしてそのまま気絶した。
「おい、カイトを後方に運べ」
メアリー直属隊にオレは叫んだ。
直属隊の者たちが慌てて気絶したカイトを後方に運ぶ。
「う~」
「う~」
周囲からうめき声が聞こえる。
「ダイジョブか!」
オレが声がする方向を見ると、そこではカイトの攻撃で頭が半分吹っ飛んだ兵士たちが
呻きながらたちあがっていた。
「やばい、アンデットだ、逃げるぞ!」
オレはオソロシアに向きなおった。
「チャンカチャンカ、チャンカチャンカ、ちゃんか、ちゃんか、チャンカチャンカ」
オソロシアが踊っている。
「おいいいいいいいいいー!」
オソロシアは憑依されているのだ。
やばい。
「おい、黒足猫、オレはオソロシアを担いで撤退する。お前も逃げろ」
「ちゅ~る、ちゅ~る令ちゅ~る~」
黒足猫は猫用オヤツをたべている。
「食ってんじゃねええええええー!」
「は?今オヤツタイムだし」
「逃げながらくえー!」
「は~い」
俺たちの部隊は真っ先に撤退した。
「逃げるなー!敵はたかがSRだぞー!」
白銀のウイドーが叫びながら突進していく。
ナニワ軍の部隊長たちがそれに続く。
「だめだ!逃げろ、あれは別物だ!こっちが対応できないデバフだ、皆殺しにされるぞ!にげろー!」
「チャンカチャンカ、チャンカチャンカ、ちゃんか、ちゃんか、チャンカチャンカ」
踊りだすウイドー
「手間とらせんじゃねー!」
オレは怒鳴った。
ウイドーはクソ重い鎧を着ているので、まず、それを脱がせる。
ポトリと財布が落ちた。
それを黒足猫が拾う
「あ、財布拾った~。拾ってあげたから1割貰うのは権利だよね~」
黒足猫はお金を抜き取ろうとする。
「やめろよ、おい!」
ウイドーとウイドーの鎧は部下の兵士に運ばせて撤退させた。
「撤退だ!撤退しろ!」
オレは会う部隊長全員に声をかけながら逃げた。
だが多くの部隊長が俺たちを小ばかにして前に進んだ。
そして、メスタヌキ軍団に殺されてしまった。
LRのオソロシアが憑依されるくらいだからそれ以下のレアリティは全部やられる。
アワーの魔導士は憑依術を使った。
いくらこちらが強力でも、いや、強力だからこそ、憑依術は絶大な効果を発揮した。
ナニワ軍は壊滅的打撃を受けてキシューに撤退した。
戦いのあと、オソロシアがシュンとして耳を垂れていた。
オレと目を合わそうとしない。
「どうしたんだい」
オレはオソロシアに近寄ってたずねた。
オソロシアはオレに背を向ける。
「オレって役立たずだよな、せっかくの初戦なのに活躍できなかった。
タケシに恥をかかせた」
オレはオソロシアの隣に行って肩をよせた。
「いや、今回の戦いは、オレが事前によくしらべず、憑依対策をしていなかったことが
誤りだった。こんな情けない指揮官だが、よければ今後もオレを支えてほしい。
本当に申し訳ない」
オレはオソロシアに向きなおって頭をさげた。
「そそそ、そんな、オレが悪いのに、そんな謝られたら」
「カイト戦でもオソロシアが時間停止対策をしてくれなかったら、オレは死んでいたかもしれない
オソロシアを本当に頼りにしているんだ。そして心から感謝している」
そう言うとオソロシアの目からジンワリ涙が流れてきた。
オソロシアは涙を隠すようにオレに抱き着いてきた。
オレの服の袖にじんわりとオソロシアの涙がしみ込んでくる感覚が伝わってきた。
オソロシアを愛おしいと思った。
それまで、近隣最強と言われたナニワ軍がアワーのような小国に大敗したことで、
近隣諸国はナニワに対して冷淡になってきた。
かつて長年の同盟国だったドスエはナニワとの同盟関係延長を留保した。
この戦いを指揮したメアリーはしばらく自分の屋敷に引きこもり、外には出てこなかった。
オレが朝起きると布団の上に女神の水雲デルタ様がいた。
「何やってんですか」
「実は相談があってな」
「なんですか、信仰をめぐって神々も戦争をはじめたとか?」
「いや、信仰で神が戦争とかしないよ。あれは人間が利権のためにやってるだけで」
「ぶっちゃけますね。じゃあ何ですか」
「イチゴ」
「は?」
「このまえ某桜井におわす古株の神様にな、沢山そうめんもらったお礼にイチゴ持っていったんだわ
玄関口で奥様の箸姫様が受け取ったんだけどよ、微妙にうれしそうじゃないんだわ」
「なんていわれたんですか」
「ありがとう、だけどよ、なんかテンション下げ下げでさ」
「どんな品種なんです」
「あまおう」
「あー」
「あーってなんだよ、よくねえのかよ、あまおうってくらいだから甘いって思うじゃん」
「そういう事じゃなくて北九州のブランドでしょ。桜井の辺りって飛鳥ルビーの生産地じゃないですか、
それって、神社を崇敬してる氏子にケンカ売ってるって事になるでしょ」
「なるでしょって、イチゴの産地なんてしらねーよこっちはよお、豊受の大神じゃねえんだからよお」
「はあ」
「はあじゃねえよ、はあじゃ、どうすんだよ」
「飛鳥ルビーもってきゃいいんじゃないですか?」
「しゃあねえなあ、じゃあ、今度日光にお土産もっていくのと一緒にアメゾンで注文しとっか」
「日光は飛鳥ルビーはやめといたほうがいいですよ」
「なんでだよ」
「日光はとちおとめがあるじゃないですか」
「そうかよ、じゃあ久能山にもとちおとめ持っていくかな」
「久能山は紅ほっぺか章姫」
「なんでだー、同じ神様なんだから同じでいいっぺよ、ごじゃぺ言ってんじゃねえど」
「女神様、方言がでてますよ、方言が」
「あ」
水雲様は慌てて口をふさいだ。
「ぶっちゃけさ、食べて美味しいのはどれよ、お勧めとかあんの?」
「お好みもありますし、人それぞれなんですけど、オレの好みでよければ」
「いいよ、言ってみな」
「イチゴ本来の酸味と甘みを味わいたいなら紅ほっぺ、さちのか、とよのか。
酸味が苦手で甘いのが食べたい、さっぱり食べたいなら章姫がいいです。
あと、お料理でケーキの上に乗せるなら、あえて、酸味が強い女峰がおすすめです。
ケーキのパティシエはケーキの中に入れるイチゴに女峰、上にのせて直接食べるイチゴに
紅ほっぺを使っている場合が多いですね。この頃は新しい品種も出てますから、
積極的に新しい品種を試してみるのもいいんじゃないですか」
「そうなんだな。じゃあ、今度スーパーで苺買うときは紅ほっぺかとよのかか、さちのかか、
章姫さがすわ」
「はい」
「ありがとな」
「神様、一つ聞いていいですか」
「なんだ」
「人間が無謀な戦争とか始めた場合、神は人に天罰とか下さないんですか?
世の中にはあまりにも不条理な事が多すぎる。なんで神様は全知全能なら
そんな不条理を放置しているんですか」
「メテオクライシス」
「は?」
「お前、メテオクライシス持ってるけど、使えるか?」
「あ、その事ですよ、酷いじゃないですか、あんなもん使えないですよ」
「だろ、神様も同じなんだよ」
「意味がわかりません」
「神が本気で怒ったらな、大津波とか大地震とか無茶苦茶になるんだ。だけどな、
ほんの数人の狂った為政者を罰するために莫大な罪もない人たちが死ぬ。
しかも、為政者は安全な場所になるので生き残っっちゃったりする。
神だって力の微調整なんてできないんだよ」
「神ってそういうもんですか」
「神もまた宇宙の法則の一つにすぎぬ。それにな、罰とは反対に加護を与えても、
与えられたものは、それを自分の実力と勘違いし、イキリ倒し、結局は破滅していく。
そういう奴を何人も見てきた」
「じゃあ、どうしてオレに最強の能力を与えたんですか」
「一縷の望みじゃ、先の戦いでの、お前がメテオクライシスを使ったら、我はお前を
灰にしようと決めていた。本来は、ポイントイッパイイッパイまで使ったら、あの
最上位魔法は使えぬ。あれは、我が力の一部をそなたに委譲したのだ。そなたが、
良識を持って行動するかどうかの試金石として」
「もし、オレがあそこでその能力を使っていたらどうするんですか」
「その時は、また初めから作りなおすさ。かつて、ソドムとゴモラという都市で
神から能力を与えたられた者が奢って最上位魔法を使ったことがある」
「そいつはどうなったんですか」
「塩の柱になったさ」
「肝に銘じます」
「うむ、息災での」
女神さまはそう言うと、ドロンと煙となって消えた。
メアリーはナニワで起こっている不都合はすべて、隣国アワーが仕掛けたものだと主張した。
アワーはナニワの破滅を狙っており、大量破壊兵器を製造しているとも主張した。
アワーはナニワほどの大国ではない。
経済力が小さく、ウワサでは戦士のリアリティも最上位でもURしかも数人、師団長クラスでも
SSRが大多数。連隊長クラスでSR,主戦力はRという有様だ。
それに加えてこちらにはオレとオソロシアと黒足猫というLRがいる。
ピエールはUR、メアリーもURの力を持っていると聞く。
主戦力に多数のSSRがいる。
戦えばナニワの圧勝なのは間違いなかった。
しかし、いままでは戦う理由がなかった。
メアリーは自分たちは被害者だと主張した。
ナンバの劇場をテロによって放火され、破壊された。
クニツ教会放火事件もアワーの仕業だと主張した。
国民世論は燃え上がり、正義のためにアワーに攻め込むべきだという世論が主流となった。
誰も逆らえない。
オレは、こんな戦争おかしいと思ったが、それを言ったところで、オレが周囲から
バッシングされるだけで、なにも状況は変えられないとおもった。
国民世論が盛り上がると、王も民衆の声が無視できなくなった。
これ以上、戦争を押しとどめると、暴動が起きかねない。
それでも国王は国民の前に立ち、戦争を自重するよう訴えた。
戦争によって多くの国民の血が流れる。
戦争には負けるリスクもあることを国民に言い聞かせた。
そんな時である。
アワーの内部でも時代遅れの狸崇拝をやめようという運動が起こった。
ナニワの最高学府で学んだエリートたちの一人がコマツアイランドの出身で、
コマツアイランドにある金超大明神の神殿を壊して公園を作るべきだと主張したのだ。
無価値な神殿を壊して、市民の娯楽とアメニティーのための施設を作ることが
発展した民主主義の考え方だと訴えたのだ。
村の故老や低学歴労働者たちは反発したが、
そのエリートは、そういう考え方こそが、アワーの発展を阻害しているのだと
厳しく低所得者層を非難した。
これに激怒した肉体労働者たちが、暴動を起こし、コマツアイランド当局の警官隊が鎮圧に
向かったが、かえって民衆の怒りに火をそそぎ、警官隊を撃退してコマツアイランドの市政局を
選挙してしまったのだ。
命の危険を感じたエリートは船でナニワに逃亡し、そのまま亡命した。
そのエリートは、メアリーに保護され、民衆の前で
コマツアイランドの民衆がナニワ侵略をもくろんでいる。
暴徒は病院に乱入し、子供をベットの下にたたきつけて殺していると発表した。
この声明にナニワ民衆は激怒。
国王もこれ以上、戦争を抑えられなくなった。
ナニワは、このエリートの証言を根拠としてアワーに宣戦布告を行った。
アワーは何の事かわからないようで、非常に動揺しており、
必死に無実を訴えたが、宣戦布告してしまった後ではどうしようもなかった。
いずれにしても圧倒的軍事力を保有するナニワがアワーに勝利することは
明らかだった。
ナニワは総力戦宣言を行い、オレにもオソロシアにも黒足猫にも学徒動員命令がくだった。
我々は友好国であるキシュー国の領土であるチノーアイランド、フレンドアイランドの上陸し、
そこからもう一つの友好国ヒョウゴー領であるオノコロロアイランドに上陸、
兵力を整え、強襲上陸艇に乗り込み、ナルトー海峡に進んだ。
海上に出たところで異変が起こった。
急に海の中に渦巻きが発生したのだ。
「トラップだー!デバフをかけろー!」
兵士たちが叫んだ。
魔導士たちが必死で海の中に発生した大渦巻に魔法を打ち込むしかし、まったく効果はない。
「だめだー!魔法が効かない!」
渦にとらわれ、一か所でグルグル回る強襲上陸艇にアワーの長距離魔法弾が直撃、
次々と上陸艇が沈んでいく。
「やばい!やばい!やばい!引き返せー!」
相手の魔法弾はそんなに強力なものではなかったが、渦巻で動きが停止しているところを狙われては
ひとたまりもない。
同盟国、キシュー、ヒョウゴーの手を借りれば、簡単に上陸できると思ったが甘かった。
我々先発隊が撤退してくると、
この作戦の総指揮官であるメアリーの激しい罵声が待っていた。
「あなたたちは何て腰抜けなの?そのLRの称号は飾り?何のために今まで
無駄メシを食べてきたのかしら。今から戦士をやめて便所掃除でもすれば?」
ああ、なんかサラリーマン時代を思い出した。
戦って負けて無力感を味わうなら納得もできる。
しかし、今回の戦いは戦わせてもらえない。
「上陸して実戦になれば必ず勝てます!」
オレはそう言ったが、メアリーは侮蔑の表情でオレを見下した。
「ふん、それは実際に勝ってから言ってほしいものね」
返す言葉がなかった。
結局、今回は我々先遣上陸隊を使うのではなく、
総力戦でいきなりコマツアイランドに上陸する決定をメアリーが下した。
「待ってください!先の作戦でも私たち先遣隊が先に行動したので、敵の罠に気づけて
被害も最小限度にで済みました。また敵が何か罠をしかけていたら、
被害は私たち先遣隊だけでは済みません。私たちは全滅してもかまいませんから、
まず、私たち先遣隊を先に派遣してください」
おれはそう叫んだがメアリーはオレを嘲笑して無視した。
話も聞いてもらえない。
結局、ナニワ軍は全力で小松島に上陸作戦を決行することになった。
戦艦でコマツアイランドの近くまで接近し、
魔導士が魔弾を徹底的にコマツアイランドに打ち込む。
「暗黒の炎に包まれ消し飛べ!ブラックフレイム!」
船上から暗黒騎士オルフェンが真っ黒な剣を掲げて叫ぶと赤黒い光の弾が
地上の方に飛んでいくのが見えた。
コマツアイランドの市街地が真っ赤に燃え上がっている。
こいつだけは敵に回したくないなと思った。
「いくぞ!」
オレたちは強襲上陸艇に乗り込み、コマツアイランドの砂浜に降り立った。
辺り一面に狸の獣人の黒焦げの死体が大量にころがっている。
砂浜はほぼ壊滅状態だった。
「待て待て!うかつに先に進むなこのウスノロども!先駆けはこのウイドーがうけたまわる!」
白銀のウイドーと異名を取る騎士がオレたちを制止した。
ウイドーは砂浜を走りながら地面を刺していく。
「ぎゃー!」
ウイドーが突き刺すと砂浜から悲鳴が聞こえ、血しぶきが飛び散る。
「コソコソと隠れていないで出てこい、このケダモノども!」
ウイドーが叫ぶ。
「調子にのるなよ!」
一瞬にして砂浜の砂が鎧を着たタヌキの戦士たちになり5人ほどが一斉にウイドーに切りかかる。
ブウン!
ウイドーが剣を一振りすると、タヌキの戦士たちは鉄の鎧ごと真っ二つになった。
「よし、行っていいぞ、腰抜けども」
俺たちの方を向いて、ウイドーは吐き捨てるように言った。
「てめえ、口の利き方に気をつけろよ」
オソロシアがウイドーに詰め寄ろうとする。
「フッ」
ウイドーが鼻で笑った。
「てめえ!やんのか?」
「まあまあ、やめろって!」
オレは必死にオソロシアをなだめた。
そのまま市街地に進む。
「すすめー!腰抜けどうもに遅れをとるなー!」
大声でオレの隣をすり抜けていく者があった。
メアリー直属隊の隊長、カイトだった。
その時である。
チャンカチャンカ、チャンカチャンカ、ちゃんか、ちゃんか、チャンカチャンカ。
何か軽快な音楽が聞こえてくる。
何か日本の着物を来たタヌキの女の獣人たちが笑顔で踊りながらこっちに行進してくる。
「女でもかまうなー!皆殺しにしろー!」
叫びながらカイトが突進する。
その時である。
「う、うっ、うわああああああー!」
カイトが叫びながら周囲の味方に魔法弾を乱射しはじめた。
「何しやがる!」
オレはカイトに走り寄って殴り倒した。
カイトは勢いよく地面にバウンドしてそのまま気絶した。
「おい、カイトを後方に運べ」
メアリー直属隊にオレは叫んだ。
直属隊の者たちが慌てて気絶したカイトを後方に運ぶ。
「う~」
「う~」
周囲からうめき声が聞こえる。
「ダイジョブか!」
オレが声がする方向を見ると、そこではカイトの攻撃で頭が半分吹っ飛んだ兵士たちが
呻きながらたちあがっていた。
「やばい、アンデットだ、逃げるぞ!」
オレはオソロシアに向きなおった。
「チャンカチャンカ、チャンカチャンカ、ちゃんか、ちゃんか、チャンカチャンカ」
オソロシアが踊っている。
「おいいいいいいいいいー!」
オソロシアは憑依されているのだ。
やばい。
「おい、黒足猫、オレはオソロシアを担いで撤退する。お前も逃げろ」
「ちゅ~る、ちゅ~る令ちゅ~る~」
黒足猫は猫用オヤツをたべている。
「食ってんじゃねええええええー!」
「は?今オヤツタイムだし」
「逃げながらくえー!」
「は~い」
俺たちの部隊は真っ先に撤退した。
「逃げるなー!敵はたかがSRだぞー!」
白銀のウイドーが叫びながら突進していく。
ナニワ軍の部隊長たちがそれに続く。
「だめだ!逃げろ、あれは別物だ!こっちが対応できないデバフだ、皆殺しにされるぞ!にげろー!」
「チャンカチャンカ、チャンカチャンカ、ちゃんか、ちゃんか、チャンカチャンカ」
踊りだすウイドー
「手間とらせんじゃねー!」
オレは怒鳴った。
ウイドーはクソ重い鎧を着ているので、まず、それを脱がせる。
ポトリと財布が落ちた。
それを黒足猫が拾う
「あ、財布拾った~。拾ってあげたから1割貰うのは権利だよね~」
黒足猫はお金を抜き取ろうとする。
「やめろよ、おい!」
ウイドーとウイドーの鎧は部下の兵士に運ばせて撤退させた。
「撤退だ!撤退しろ!」
オレは会う部隊長全員に声をかけながら逃げた。
だが多くの部隊長が俺たちを小ばかにして前に進んだ。
そして、メスタヌキ軍団に殺されてしまった。
LRのオソロシアが憑依されるくらいだからそれ以下のレアリティは全部やられる。
アワーの魔導士は憑依術を使った。
いくらこちらが強力でも、いや、強力だからこそ、憑依術は絶大な効果を発揮した。
ナニワ軍は壊滅的打撃を受けてキシューに撤退した。
戦いのあと、オソロシアがシュンとして耳を垂れていた。
オレと目を合わそうとしない。
「どうしたんだい」
オレはオソロシアに近寄ってたずねた。
オソロシアはオレに背を向ける。
「オレって役立たずだよな、せっかくの初戦なのに活躍できなかった。
タケシに恥をかかせた」
オレはオソロシアの隣に行って肩をよせた。
「いや、今回の戦いは、オレが事前によくしらべず、憑依対策をしていなかったことが
誤りだった。こんな情けない指揮官だが、よければ今後もオレを支えてほしい。
本当に申し訳ない」
オレはオソロシアに向きなおって頭をさげた。
「そそそ、そんな、オレが悪いのに、そんな謝られたら」
「カイト戦でもオソロシアが時間停止対策をしてくれなかったら、オレは死んでいたかもしれない
オソロシアを本当に頼りにしているんだ。そして心から感謝している」
そう言うとオソロシアの目からジンワリ涙が流れてきた。
オソロシアは涙を隠すようにオレに抱き着いてきた。
オレの服の袖にじんわりとオソロシアの涙がしみ込んでくる感覚が伝わってきた。
オソロシアを愛おしいと思った。
それまで、近隣最強と言われたナニワ軍がアワーのような小国に大敗したことで、
近隣諸国はナニワに対して冷淡になってきた。
かつて長年の同盟国だったドスエはナニワとの同盟関係延長を留保した。
この戦いを指揮したメアリーはしばらく自分の屋敷に引きこもり、外には出てこなかった。
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