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八話 サルの軍団
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公民館に行くと、壁にペンキで大量の落書きがしてある。
「ネコが来たぞ!」「ネズミの聖なるクソ!」「ネコ最高!」など。
消しても消しても書かれるので、今では放置しているらしい。
次に公衆便所。
ドアがぶち破られている。
ワイルドキャットのレッドネックたちがブチ壊すらしい。
何を目的として壊すのは理由がわからない。
公衆トイレを出ると、レッドネックたちがこちらを見てヒソヒソ話している。
シアンちゃんがピクンと耳をうごかした。
「あら、そっちの黄色い帽子かぶってる子、サルなのね。あそこのレッドネックが知り合いみたいよ」
そう言ってシアンちゃんがコソコソ話しているワイルドキャットたちをにらむと、
そいつらはコソコソと逃げていった。
しばらく歩いていると、けたたましいウマのヒズメの音が聞こえる。
「へい!イエローモンキー!」
ハスキーな女の怒鳴り声が聞こえたかと思うと、木のカップに入ったビールがバッシャーッ!と
ドカンちゃんの顔に投げつけられた。
「ドカンちゃん大丈夫!?」
「大丈夫です、慣れてますから。こういう事があるから、ボクは自然と自分の体をコーティングする
防御魔法を身につけているんです。おかげで、遠方に魔法を飛ばすことは出来なくなってしまいましたけどね」
「無事でよかったよ」
ドカンちゃんは体を魔法でコーティングしていたので、体がビールで濡れることもなかった。
「ねえサバンちゃん、相手の顔見た?」
「見たよー、テキサコから移民で来たクーガーだよー」
飄々とした表情でサバンちゃんが言った。
「チッ、本当にレッドネックは野蛮ね」
サバンちゃんは不快そうに言った。
「さて、次は何処に行くのかしら」
「それじゃあ、農産物の生産拠点であるイエロースプリングスを案内してもらえるかな」
「いいわよ、でもちょっと遠いからカヌーを用意してもらえないかしら」
「カヌー?」
「そうよ」
俺は町の人にお金を渡し、カヌーを手に入れた。
俺とドカンちゃんチカンちゃん、シアンちゃんサバンちゃんが大型のカヌーに乗ると、
サバンちゃんが両手を天にかざした。
すると、近所の小川の水がズルズルズルっとカヌーの下に潜り込んだ。
「じゃあ、みんなでカヌーをこぐわよ」
「あ、はい」
俺もドカンちゃんもみんなでカヌーをこぐと、小川の水も次々と前に移動してゆき、
スイスイと前にすすんでいって、すぐにイエロースプリングスに付いた。
そこで、俺は驚愕の事実を知ることになった。
そこで、ぼろ布をまとって農作業をさせられているのは全部人間だった。
「なんだよこれ!」
「何だよじゃないわよ、奴隷に決まってるじゃない」
「なんでヒトが奴隷にされてるの」
「ヒト?ヒトじゃないわサルよ。しかも敵軍の捕虜を奴隷にしてるんだから、
何か問題でもあるの?」
「え?そうなの?」
「あなた、歴史を全然勉強してないのね。私たちはサルの軍団と戦っているのよ」
「知らなかった。人間はここでは敵国なんだ。だからみんな、ドカンちゃんを嫌ってたんだ。
自分の家族を殺された人間と同じ種族だと思ったら、そりゃ敵視するのも無理もない」
「まあ、あんまり捕虜奴隷については気にしないことね。私達だってサルに捕まったら
あいつらの奴隷になるかもしれないんだから」
「そうなんだね」
今の自分には何もできない。でも、いつかは、この問題も解決しなければならにと俺は思った。
「ネコが来たぞ!」「ネズミの聖なるクソ!」「ネコ最高!」など。
消しても消しても書かれるので、今では放置しているらしい。
次に公衆便所。
ドアがぶち破られている。
ワイルドキャットのレッドネックたちがブチ壊すらしい。
何を目的として壊すのは理由がわからない。
公衆トイレを出ると、レッドネックたちがこちらを見てヒソヒソ話している。
シアンちゃんがピクンと耳をうごかした。
「あら、そっちの黄色い帽子かぶってる子、サルなのね。あそこのレッドネックが知り合いみたいよ」
そう言ってシアンちゃんがコソコソ話しているワイルドキャットたちをにらむと、
そいつらはコソコソと逃げていった。
しばらく歩いていると、けたたましいウマのヒズメの音が聞こえる。
「へい!イエローモンキー!」
ハスキーな女の怒鳴り声が聞こえたかと思うと、木のカップに入ったビールがバッシャーッ!と
ドカンちゃんの顔に投げつけられた。
「ドカンちゃん大丈夫!?」
「大丈夫です、慣れてますから。こういう事があるから、ボクは自然と自分の体をコーティングする
防御魔法を身につけているんです。おかげで、遠方に魔法を飛ばすことは出来なくなってしまいましたけどね」
「無事でよかったよ」
ドカンちゃんは体を魔法でコーティングしていたので、体がビールで濡れることもなかった。
「ねえサバンちゃん、相手の顔見た?」
「見たよー、テキサコから移民で来たクーガーだよー」
飄々とした表情でサバンちゃんが言った。
「チッ、本当にレッドネックは野蛮ね」
サバンちゃんは不快そうに言った。
「さて、次は何処に行くのかしら」
「それじゃあ、農産物の生産拠点であるイエロースプリングスを案内してもらえるかな」
「いいわよ、でもちょっと遠いからカヌーを用意してもらえないかしら」
「カヌー?」
「そうよ」
俺は町の人にお金を渡し、カヌーを手に入れた。
俺とドカンちゃんチカンちゃん、シアンちゃんサバンちゃんが大型のカヌーに乗ると、
サバンちゃんが両手を天にかざした。
すると、近所の小川の水がズルズルズルっとカヌーの下に潜り込んだ。
「じゃあ、みんなでカヌーをこぐわよ」
「あ、はい」
俺もドカンちゃんもみんなでカヌーをこぐと、小川の水も次々と前に移動してゆき、
スイスイと前にすすんでいって、すぐにイエロースプリングスに付いた。
そこで、俺は驚愕の事実を知ることになった。
そこで、ぼろ布をまとって農作業をさせられているのは全部人間だった。
「なんだよこれ!」
「何だよじゃないわよ、奴隷に決まってるじゃない」
「なんでヒトが奴隷にされてるの」
「ヒト?ヒトじゃないわサルよ。しかも敵軍の捕虜を奴隷にしてるんだから、
何か問題でもあるの?」
「え?そうなの?」
「あなた、歴史を全然勉強してないのね。私たちはサルの軍団と戦っているのよ」
「知らなかった。人間はここでは敵国なんだ。だからみんな、ドカンちゃんを嫌ってたんだ。
自分の家族を殺された人間と同じ種族だと思ったら、そりゃ敵視するのも無理もない」
「まあ、あんまり捕虜奴隷については気にしないことね。私達だってサルに捕まったら
あいつらの奴隷になるかもしれないんだから」
「そうなんだね」
今の自分には何もできない。でも、いつかは、この問題も解決しなければならにと俺は思った。
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