東京ケモミミ学園

楠乃小玉

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第二章 牡丹ろうどう編

十七話 連鎖反応

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 次の日、色々神経を使って疲れたので、前の日にコンビニで買っていたチョコスナックを食べようと
 武は台所を探した。

 どこにもない。

 まあいいや、冷蔵庫にゼリーが入っていた。

 冷蔵庫をあける。

 ない。

 ゴミ箱にガラが捨ててある。


 美紀ちゃんと弥生さんが食べたのかな、いや卯月かな。

 「おーい、美紀ちゃ~んここにあったお菓子たべた~?」

 返事がない。

 武は美紀の部屋の前に行く。

 「美紀ちゃんいる?入っていい?」

 「いいよ」

 「入るね……あ」

 美紀と弥生が目の前にお菓子を積み上げてボリボリ食べあさっている。

 「何やってんの」

 「あ~イライラする、ネットで知らないヤツに無茶苦茶ディスられたんだよ~美紀良い子なのに~」

 「ひどいです、美紀ちゃんすごく良い子で人気者なのに、嫌がらせしてくるヤツがいるのです、
 私も一緒にイライラして食べまくっているのです」

 「あ~なんか食べ過ぎで気分が悪くなってきた」
 
 美紀はフラフラと立ち上がり、おトイレに行く

 「おえーっ!」

 美紀が嘔吐した。

 「おいおい、大丈夫かよ」

 武は慌ててトイレに駆け込み、美紀の背中をさすった。


 これはどう考えてもおかしい。

 SNS上で美紀に嫌がらせしているヤツの記録を徹底的に洗い出す。

 色々調べていると、ネットで漫画をアップしていることが分かる。
 けっこうウマイ四コマ漫画。

 でも、感想欄でボロクソに貶している人がいる。

 その人を徹底的に調べてみる。

 その人はネットの小説サイトで小説を書いているけど、
 読者欄でボロクソに叩かれている。

 
 その人を叩いている人を徹底的に調べる。

 いくら就職先を探しても、全部落とされた、不安だと
 ブログに不安と絶望と怒りを大量に書き込んでいた。

 誰かを叩いている人、罵倒している人、

 それを調べていると、まったく叩いている人は
 叩かれている人の事を見ていなかった。
 
 内容を見ないで叩いていた。

 ただ、叩かれていた人がイライラして別の人を叩いている例もあった。

 これは、どんどん火だねが大きくなって、グルグルまわっている。

 これは、どこかで遮断しないと。


 ある、自作の音楽を作っている女の子のNSNを武は見つけた。

 その子はオタクが嫌いで、オタクの描いた漫画やイラストをものすごく
 貶していた。

 その子の作った歌や歌ってみたを武はちゃんと聞いて、
 いい所を熱心に褒めた。

 しばらく褒め続けるうちに、女の子は武に心を開き、
 色々話しかけるようになってきた。

 そこで武はその女の子に自分の好きなミュージシャンのyoutubeの
 生配信を教えた。

 すると、女の子は熱心にその生配信を見るようになり、
 素敵な男性ミュージシャンを褒めるコメントを書き続けた。

 そして、オタク叩きをやめてしまった。

 叩かれなくなったオタクの子はイライラが収まったのか人を叩かなくなった。

 そうやって連鎖反応が起こって美紀もネットで叩かれなくなった。

 「ほっ、やれやれ」

 武は胸をなでおろした。

 何やら家の外で焦げ臭い匂いがする。

 なんか口から火を吐き出した妖怪が武の家に火炎を吹きかけている。

 「おい!」

 「我は車巡り成り、よくも我が野望の邪魔をしたな!炎上は正義! 炎上は快楽! 」

 何かさけんでいる。

 武は慌てて家の外に飛び出した。

 「土衰ドスイ! 」

 武がさけぶと土の中から手が出てきて車巡りを握り、土の中に引きずり込む。

 「ぎゃーっ!」

 車巡りは土の中に消えていった。

 美紀と弥生が家の外に騒ぎを聞きつけて走り出してくる。

 「うわーすごーい!お兄ちゃん正義の味方なんだー!」

 「さすが私のご主人様! ご主人様最高ですね! 」

 弥生が武に抱きついてくる。

 「お兄ちゃんは美紀のお兄ちゃんなんだから! 」
 
 美紀と弥生は武の腕をひっぱりっこする。

 「あはは、痛い、痛い」

 武は困り顔をした。
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