東京ケモミミ学園

楠乃小玉

文字の大きさ
上 下
42 / 55
第二章 牡丹ろうどう編

九話 ネカマ案件

しおりを挟む
  狐の伏見が思考を巡らして考察するのに対して、狸の金長はひたすらネットで情報収集に
 専念していた


 「わかったぞ」
 
 金長がいった。

 「なにが? 」
 
 「無数にある海賊版漫画無料サイトの中で今一番勢いがあって、
 勢力を伸ばしているのが鬼畜村っていうんだが、そこの宣伝工作員が
 ネットゲームの美人キャラクターになって人気を集め、
 そこで海賊版の紹介をしている」
 
 「ああ、知ってます、ボクもやってるゲームだ」

 「そのキャラクター名は#南_ミナミ__#ちゃん」

 「げ!なんか悪い予感がする」

 「知り合いに似た名前の奴がいるのか?」

 「ええ水無月南って子が」

 「偶然の一致かもしれないがね」

 「そうですね、で、どうするんですか? その工作員」

 「このゲームはゲーム内で殺しても復活するタイプだから
 それは無駄だ。じゃあどうするか。こっちも女の子キャラクターを作って
 人気を集め、鬼畜村の悪口を言いふらす」

 「え、じゃあ、女の子の協力者をさがさないとダメですね」

 「しかたないなあ、私が協力してやらんでもないぞ」

 卯月がずいっと前に出る。

 「お前は粗暴だからだめ」

 金長が即却下。

 「ブチのめすぞ、このクソ狸が!」

 卯月が激怒する。

 「まあまあ」

 武が必死でなだめる

 「じゃあ、誰に頼むんですか? 」
 
 「俺」

 狸は自分を指さした。
 
 肥っていて金玉がでかいメガネをかけた狸。それが金長。

 「無理! 無理! 無理!」

  武は即座に否定する。

 「ゲーム上では可愛いロリキャラを作るから大丈夫だよ」

 「えーでも肥った狸のオッサンが中身だと知ったらみんながっかりしますよ」

 「あら、何言ってんの、私は美人の女子高生よ」

 金長が女子高生口調になる。


 「ちょっと気持ち悪いからやめてください」

 「あっそ、やめてほしいの、じゃあやめた。君一人で鬼畜村と戦ってね」

 「ごめんなさいやってください。それでもチャットで相手が顔写真求めてきたらどうするんですか?」

 「それは、中国の安い著作権フリーフォト買ってきたから大丈夫」

 「大丈夫かなあ」

  金長はオンラインゲームで可愛いロリッ娘のキャラクターを制作するとともに、

 自分は美男子のメガネ男子に化けて、新作アニメを紹介するイケメンユーチューバーになり
 動画を配信した。

 そこで、違法海賊版漫画サイトを見てはいけないと訴えた。
 

 これはかなり効果があったようだ。



 
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

無敵のイエスマン

春海
青春
主人公の赤崎智也は、イエスマンを貫いて人間関係を完璧に築き上げ、他生徒の誰からも敵視されることなく高校生活を送っていた。敵がいない、敵無し、つまり無敵のイエスマンだ。赤崎は小学生の頃に、いじめられていた初恋の女の子をかばったことで、代わりに自分がいじめられ、二度とあんな目に遭いたくないと思い、無敵のイエスマンという人格を作り上げた。しかし、赤崎は自分がかばった女の子と再会し、彼女は赤崎の人格を変えようとする。そして、赤崎と彼女の勝負が始まる。赤崎が無敵のイエスマンを続けられるか、彼女が無敵のイエスマンである赤崎を変えられるか。これは、無敵のイエスマンの悲哀と恋と救いの物語。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

忘れられない約束

雪苺
青春
ねぇ、あなたは覚えていますか? あの日交わした約束を・・・。 表紙イラストはミカスケ様 http://misoko.net/ 小説家になろう、エブリスタ、カクヨムにも掲載しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...