40 / 55
第二章 牡丹ろうどう編
七話 おまわりさん、こいつです
しおりを挟む
夏休みの中間日、学校へ一日だけ登校して状況を報告する登校日というのは
我が校にはある。
そこで、久しぶりに友達を顔を合わす。
「おい、まじかよ、漫画がタダで読み放題だってよ」
「金払うなんてばからしくなっちまうよな」
そんな事をコソコソ話し合ってる友達がいる。
「おい、ヤバイよ、そんなの個人情報抜き取られて脅されたりするよ! 」
武は友達に警告する。
「大丈夫だって。俺たち未成年だし、そんなサイト見てるって脅されたって、警察に捕まるわけざないし、
クレカだって持ってねえしさ、晒されたって別になんともねえよ」
「いや、危ないって!」
「大丈夫、大丈夫」
そうやって友達がヘラヘラしている中、教室の隅で一人ドヨーンとしている男の子が居た。
美術部の一郎だった。
一郎はフラフラと教室を出て行く。
「おい、あいつ何か危ないぞ」
卯月がいった。
「あとをつけてみよう」
武はそう言って卯月とともに一郎の後を追った。
一郎は体育館の裏側の木にロープをかけて首を吊ろうとする。
「わああああああーやめろー!」
武は慌ててそれを止めに入る。
「話してくれ! もう生きてたって何も面白いこともないんだ! 夢も希望もないんだ! 」
一郎は暴れる。
「そんなことないよ、いきていればかならず良いこともあるよ! 」
「そうだぞ、私のようなキレイな狐のお姉さんにも会えるぞ」
一郎は魚の死んだような目で卯月を見る。
「あ、ぼく、中古のビッチには興味ないんで」
「誰が中古のビッチじゃ、この腐れホウケイのチンカスがああああ~!」
激怒した卯月が両手で一郎の首を掴んでグイングイン振り回す。
「ぐがあああー、首が絞まる!苦しい! やべでええええ~!は~だ~し~で~!」
一郎が叫んで暴れる。
「うわー!卯月止めろおおおおおおお!」
武が必死に止める。
「はあはあはあ、死ぬかと思ったよ、怖かった」
一郎は首をさすった。
「いったい、何があったんだい」
「実はボク、子供の頃からコツコツと漫画書いててね。この前、小さな漫画雑誌の投稿漫画で
佳作をとったんだ」
「そりゃすごいじゃん!」
「でも、その漫画雑誌が売り上げ不振で廃刊になっちゃったんだ。
それで、ボクをアシスタントのアルバイトで夏休み雇うって言ってくれていたプロの作家さんも
仕事がなくなってボクは雇ってくれなくなったんだ」
「大丈夫だよ、また面白い漫画を描けばみんな買ってくれるから」
「買ってくれないよ!最近、漫画の海賊版が無料で見放題になって、
だれも漫画を買わなくなったんだ。漫画もライトノベルももうおしまいだよ!」
「ああ……そうか、そんあ事になっていたのか。なんとかならないかなあ卯月」
「そんなヤツは私がぶっ飛ばしてやる!ここに連れてこい!」
卯月は握り拳を見せる。
「そんなの、殴ったらこっちが警察に捕まっちゃうよ」
「じゃあ、どうすれあいいのじゃ! 」
「それが分からないから困ってるんだよ」
「う~む」
卯月は腕組みをしてしまった。
武はとりあえず家に帰った。
「あ~おかえり~」
武が帰ると家の庭先で豆狸でたき火をして、大きな鉄釜を上にのせてグツグツと
米を煮ている。
「何やってるんですか! 」
「酒を造るにきまってんだろ、豆狸の仕事は酒をつくることだぞ、灘の酒は日本一うまいぞ!
酒が出来たら近所にも配るって、さっき町内にビラまいといたから」
「だめですよ、日本じゃ免許がなきゃお酒は造っちゃダメなんですから」
「うるしぇー!妖怪に免許もへったくれもあるかー!」
そこに近所の人がおまわりさんを連れてやってくる。
「おまわりさん、こいつです」
ピーポーピーポー
豆狸はおまわりさんにつれていかれた。
この大事な時に!!!
我が校にはある。
そこで、久しぶりに友達を顔を合わす。
「おい、まじかよ、漫画がタダで読み放題だってよ」
「金払うなんてばからしくなっちまうよな」
そんな事をコソコソ話し合ってる友達がいる。
「おい、ヤバイよ、そんなの個人情報抜き取られて脅されたりするよ! 」
武は友達に警告する。
「大丈夫だって。俺たち未成年だし、そんなサイト見てるって脅されたって、警察に捕まるわけざないし、
クレカだって持ってねえしさ、晒されたって別になんともねえよ」
「いや、危ないって!」
「大丈夫、大丈夫」
そうやって友達がヘラヘラしている中、教室の隅で一人ドヨーンとしている男の子が居た。
美術部の一郎だった。
一郎はフラフラと教室を出て行く。
「おい、あいつ何か危ないぞ」
卯月がいった。
「あとをつけてみよう」
武はそう言って卯月とともに一郎の後を追った。
一郎は体育館の裏側の木にロープをかけて首を吊ろうとする。
「わああああああーやめろー!」
武は慌ててそれを止めに入る。
「話してくれ! もう生きてたって何も面白いこともないんだ! 夢も希望もないんだ! 」
一郎は暴れる。
「そんなことないよ、いきていればかならず良いこともあるよ! 」
「そうだぞ、私のようなキレイな狐のお姉さんにも会えるぞ」
一郎は魚の死んだような目で卯月を見る。
「あ、ぼく、中古のビッチには興味ないんで」
「誰が中古のビッチじゃ、この腐れホウケイのチンカスがああああ~!」
激怒した卯月が両手で一郎の首を掴んでグイングイン振り回す。
「ぐがあああー、首が絞まる!苦しい! やべでええええ~!は~だ~し~で~!」
一郎が叫んで暴れる。
「うわー!卯月止めろおおおおおおお!」
武が必死に止める。
「はあはあはあ、死ぬかと思ったよ、怖かった」
一郎は首をさすった。
「いったい、何があったんだい」
「実はボク、子供の頃からコツコツと漫画書いててね。この前、小さな漫画雑誌の投稿漫画で
佳作をとったんだ」
「そりゃすごいじゃん!」
「でも、その漫画雑誌が売り上げ不振で廃刊になっちゃったんだ。
それで、ボクをアシスタントのアルバイトで夏休み雇うって言ってくれていたプロの作家さんも
仕事がなくなってボクは雇ってくれなくなったんだ」
「大丈夫だよ、また面白い漫画を描けばみんな買ってくれるから」
「買ってくれないよ!最近、漫画の海賊版が無料で見放題になって、
だれも漫画を買わなくなったんだ。漫画もライトノベルももうおしまいだよ!」
「ああ……そうか、そんあ事になっていたのか。なんとかならないかなあ卯月」
「そんなヤツは私がぶっ飛ばしてやる!ここに連れてこい!」
卯月は握り拳を見せる。
「そんなの、殴ったらこっちが警察に捕まっちゃうよ」
「じゃあ、どうすれあいいのじゃ! 」
「それが分からないから困ってるんだよ」
「う~む」
卯月は腕組みをしてしまった。
武はとりあえず家に帰った。
「あ~おかえり~」
武が帰ると家の庭先で豆狸でたき火をして、大きな鉄釜を上にのせてグツグツと
米を煮ている。
「何やってるんですか! 」
「酒を造るにきまってんだろ、豆狸の仕事は酒をつくることだぞ、灘の酒は日本一うまいぞ!
酒が出来たら近所にも配るって、さっき町内にビラまいといたから」
「だめですよ、日本じゃ免許がなきゃお酒は造っちゃダメなんですから」
「うるしぇー!妖怪に免許もへったくれもあるかー!」
そこに近所の人がおまわりさんを連れてやってくる。
「おまわりさん、こいつです」
ピーポーピーポー
豆狸はおまわりさんにつれていかれた。
この大事な時に!!!
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる