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第二章 牡丹ろうどう編
第一話 牡丹ろうどう
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「うわああああああああー!」
武の部屋で巨乳でケモミミの巫女様、卯月が大声を上げて騒いでいる。
「どうしたの!? 」
武が慌てて部屋に入る。
すると卯月が武のパソコンを勝手に開いてその前でアタフタしている。
パソコンの画面には大量のウインドウが開いていて、卯月はそれを
必死で閉じようとしているが、カチカチ閉じていっても次から次への勝手に開いてとまらない。
「あーやっちゃたね。どいてごらん」
「うん」
卯月は涙目で素直にどく。
武はバックアップファイルをダウンロードして再インストールする。
するとパソコンは普通に起動するようになった。
「うおっ!すごいぞ武!お前カッコイイぞ!」
卯月は無邪気にピョンピョン跳ねてよろこんだ。
「えー別にたいしたことないよ」
武は照れた。
それ以来卯月は武を羨望のまなざしで見るようになった。
それからしばらくして。
「お助けください、武様!」
見知らぬ男子生徒が武にしがみついてきた。
「な、なんですか!」
「妖怪退治のプロフェッショナルだって卯月さんに聞いてきたんです。
もう貴方しかたよれないんですよおおおおー!」
「ええええええー!」
武は困惑した。
卯月は武がパソコンに憑依した妖怪を退治したと勘違いしているようだ。
でもまあ、この人の妖怪退治ってのもパソコンの中の事かもしれないし。
武は、一応、聞いてみた。
「もしかして、それはパソコンの中の事ですか?」
「はい」
武はホッと胸をなでおろした。
「分かりましたよ、行きましょう」
その子の家に行ってパソコンを立ち上げる。
「このオンラインゲームなんですけど」
「おい!」
武は思わず突っ込みを入れた。
「この牡丹灯籠の妖怪がどうして攻略できないんですけど」
武の額から脂汗が出る。
「イヤ、レベル最高まで上げればいいんじゃないですか」
「レベル最高にあげてもクリアできないんですよ!どうしたらいいんですか!」
武は知っていた、このイベントは特別イベントでクリアしなくてもゲームは
先に進めるけど、これをクリアするためには少額だが課金が必要だった。
額は少なくても、最初に少しだけ課金させて課金クセをつけさせる
戦略というのは無料オンラインゲームにありがちなことだ。
「課金になるけどいい?」
「いいです!何でもいいので牡丹ちゃんのレジェンドレアカードがほしいです!」
「わかりました」
じつは、このゲーム、武もヤリ込んでおり、解決方法は分かっているのだ。
「あのね、まず、資材をつぎ込んでアクセサリーを開発してください。虹色の金床を使って
資材が半分ですむ高級炉を課金で買ってください。このイベント最上位は挑戦しないでも
イベントクリアできますけど、ここをクリアしようと思ったら課金は必要ですから。
それで、大量にアクセサリーを作って、効果+3でボーナス戦闘力100以上を
メンバー分作ってください。それを装備して、このパワーゼリーを課金で買って、
ごめんね、課金ばっかりで、それでそれを使ってイベントやってください」
その子は、その装備でイベントに挑んだ。
「うお!今までと全然ちがう!」
一回目のチャレンジはギリギリで失敗したが、二回、三回目でイベントクリアできた。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
男の子は武に土下座した。
「まあまあ、そんな大げさな」
それからしばらくして、俺は何故か学校中にオンラインゲームマスターであるという噂が広まり、
オタクたちが羨望のまなざしで見るようになり、興味ない子からはクスクスと笑われたりした。
そして、そのゲームに行き詰まった子たちから度々相談を受けることとなった。
そんなある日、
武がネットでオンラインゲームのレベル上げをしていると、外から下駄の音が聞こえる。
カラン、コロン、カラン、コロン
「あれ?」
武は不審に思ったがオンラインゲームに熱中していることもあって、
気にしなかった。
だが、おかしい。
下駄の音が中に浮いている感じがする。
カラン、コロン
あれ?おかしい。
そして、その下駄の音は家の二階にある武の部屋の窓の外まで近づいてきた。
「これはおかしい!」
武はそう思って窓のほうを見た。
すると、窓の外に目を見張った着物姿の女性が立っていてニンマリと笑った。
顔はすごくキレイで肌は透き通るようにキレイだったが、そんなところでニンマリと笑われると
さすがに怖い。
その女性は手に牡丹の灯籠を持っていて、それが薄明るく光っている。
ぬーっと壁を抜けてその女性は武の部屋に入ってくる。
「おめでとうございます。貴方が今回のイベントで私を一番多く倒しました」
「は?」
「色々な人に私の倒し方を教えたでしょ?それが全部、あなたのポイントとして
加算されたんですよ。うふふ、よほど私の事がスキなのね」
「何言ってんのお前」
「照れなくていいのよ、さあ、めしあがれ」
そう言って女の人は着物を脱いだ。女の人の裸体があらわになる。
「おーい、武~ゲームしようぜ~……あ!」
そこに卯月が入ってくる。
「いやん」
女の人が胸を隠す。
「武のエッチ! スケッチ! ワンタッチーッ!」
激怒した卯月が武を殴り倒した。
「ぎゃーっ!」
武の部屋で巨乳でケモミミの巫女様、卯月が大声を上げて騒いでいる。
「どうしたの!? 」
武が慌てて部屋に入る。
すると卯月が武のパソコンを勝手に開いてその前でアタフタしている。
パソコンの画面には大量のウインドウが開いていて、卯月はそれを
必死で閉じようとしているが、カチカチ閉じていっても次から次への勝手に開いてとまらない。
「あーやっちゃたね。どいてごらん」
「うん」
卯月は涙目で素直にどく。
武はバックアップファイルをダウンロードして再インストールする。
するとパソコンは普通に起動するようになった。
「うおっ!すごいぞ武!お前カッコイイぞ!」
卯月は無邪気にピョンピョン跳ねてよろこんだ。
「えー別にたいしたことないよ」
武は照れた。
それ以来卯月は武を羨望のまなざしで見るようになった。
それからしばらくして。
「お助けください、武様!」
見知らぬ男子生徒が武にしがみついてきた。
「な、なんですか!」
「妖怪退治のプロフェッショナルだって卯月さんに聞いてきたんです。
もう貴方しかたよれないんですよおおおおー!」
「ええええええー!」
武は困惑した。
卯月は武がパソコンに憑依した妖怪を退治したと勘違いしているようだ。
でもまあ、この人の妖怪退治ってのもパソコンの中の事かもしれないし。
武は、一応、聞いてみた。
「もしかして、それはパソコンの中の事ですか?」
「はい」
武はホッと胸をなでおろした。
「分かりましたよ、行きましょう」
その子の家に行ってパソコンを立ち上げる。
「このオンラインゲームなんですけど」
「おい!」
武は思わず突っ込みを入れた。
「この牡丹灯籠の妖怪がどうして攻略できないんですけど」
武の額から脂汗が出る。
「イヤ、レベル最高まで上げればいいんじゃないですか」
「レベル最高にあげてもクリアできないんですよ!どうしたらいいんですか!」
武は知っていた、このイベントは特別イベントでクリアしなくてもゲームは
先に進めるけど、これをクリアするためには少額だが課金が必要だった。
額は少なくても、最初に少しだけ課金させて課金クセをつけさせる
戦略というのは無料オンラインゲームにありがちなことだ。
「課金になるけどいい?」
「いいです!何でもいいので牡丹ちゃんのレジェンドレアカードがほしいです!」
「わかりました」
じつは、このゲーム、武もヤリ込んでおり、解決方法は分かっているのだ。
「あのね、まず、資材をつぎ込んでアクセサリーを開発してください。虹色の金床を使って
資材が半分ですむ高級炉を課金で買ってください。このイベント最上位は挑戦しないでも
イベントクリアできますけど、ここをクリアしようと思ったら課金は必要ですから。
それで、大量にアクセサリーを作って、効果+3でボーナス戦闘力100以上を
メンバー分作ってください。それを装備して、このパワーゼリーを課金で買って、
ごめんね、課金ばっかりで、それでそれを使ってイベントやってください」
その子は、その装備でイベントに挑んだ。
「うお!今までと全然ちがう!」
一回目のチャレンジはギリギリで失敗したが、二回、三回目でイベントクリアできた。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
男の子は武に土下座した。
「まあまあ、そんな大げさな」
それからしばらくして、俺は何故か学校中にオンラインゲームマスターであるという噂が広まり、
オタクたちが羨望のまなざしで見るようになり、興味ない子からはクスクスと笑われたりした。
そして、そのゲームに行き詰まった子たちから度々相談を受けることとなった。
そんなある日、
武がネットでオンラインゲームのレベル上げをしていると、外から下駄の音が聞こえる。
カラン、コロン、カラン、コロン
「あれ?」
武は不審に思ったがオンラインゲームに熱中していることもあって、
気にしなかった。
だが、おかしい。
下駄の音が中に浮いている感じがする。
カラン、コロン
あれ?おかしい。
そして、その下駄の音は家の二階にある武の部屋の窓の外まで近づいてきた。
「これはおかしい!」
武はそう思って窓のほうを見た。
すると、窓の外に目を見張った着物姿の女性が立っていてニンマリと笑った。
顔はすごくキレイで肌は透き通るようにキレイだったが、そんなところでニンマリと笑われると
さすがに怖い。
その女性は手に牡丹の灯籠を持っていて、それが薄明るく光っている。
ぬーっと壁を抜けてその女性は武の部屋に入ってくる。
「おめでとうございます。貴方が今回のイベントで私を一番多く倒しました」
「は?」
「色々な人に私の倒し方を教えたでしょ?それが全部、あなたのポイントとして
加算されたんですよ。うふふ、よほど私の事がスキなのね」
「何言ってんのお前」
「照れなくていいのよ、さあ、めしあがれ」
そう言って女の人は着物を脱いだ。女の人の裸体があらわになる。
「おーい、武~ゲームしようぜ~……あ!」
そこに卯月が入ってくる。
「いやん」
女の人が胸を隠す。
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激怒した卯月が武を殴り倒した。
「ぎゃーっ!」
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