三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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晋編3 天下統一、そして

羊祜6  その死を悼むには

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王子敬語王孝伯曰:「羊叔子自復佳耳,然亦何與人事?故不如銅雀臺上妓。」(言語86)


書聖王羲之おうぎしの息子、王献之おうけんし
同僚の王恭《おうきょう》に向け、言う。

羊祜ようこの死後、
 多くの人が嘆いたって言うじゃん。
 まぁ、それはそれとして
 すごいと思うけどさ。

 けど、自分には関係のない話かな。

 個人的には、やっぱり曹操そうそう
 自分の死後、定期的に
 妾と妓女を銅雀台で舞わせた、
 ってエピソードの方がすごいと思うな」


 ○


王献之
 王羲之の七男、王羲之とともにこの時代の書家としてはトップ。にしてもこれ、南朝貴族の放埓さのイメージの転嫁、と見るべきかな。政治手腕的にリスペクトされるより、どれだけ女の人にモテたかの方が重要、みたいな。だとしたら、とても生臭くて良い。が、なんとなくもうちょい掘れそうな気もするんだよなー。

王恭
 同じ苗字だが王献之とは系統が違う。劉裕りゅうゆうの上司である劉牢之りゅうろうしの元上司。ただし理想主義的なところがあって、その辺りが思いっきり劉牢之とバッティング。最終的には裏切られ、殺されている。つーかこのひと、世説新語にエピソード沢山あるんだよなー。その辺さらった後になら、もう少しこのエピソードに織り込まれているレイヤー構造にも気付けそうだが。
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