110 / 142
晋編2 竹林七賢
山濤5 武を収め文を修む
しおりを挟む
晉武帝講武於宣武場、帝欲偃武修文、親自臨幸、悉召群臣。山公謂不宜爾、因與諸尚書言孫、吳用兵本意。遂究論、舉坐無不咨嗟。皆曰:「山少傅乃天下名言。」後諸王驕汰、輕遘禍難、於是寇盜處處蟻合、郡國多以無備、不能制服、遂漸熾盛、皆如公言。時人以謂山濤不學孫、吳、而闇與之理會。王夷甫亦嘆云:「公闇與道合。」(識鑒4)
呉を倒し、遂に天下が収まった!
そこで武帝さま、訓練場に
文武百官を集める。
そして彼らに向け、おん自ら宣言された。
「天下は収まった! ここからは、
武を収め、文に修心すべきである」
それを聞いた山濤、
いやそれまずくね? って思った。
なので他の文官たちと、
孫子呉氏の兵法について語り合った。
山濤自身は兵法にそれほど詳しくない。
しかし彼らと議論を重ねるうちに、
その主張は精緻を極めるようになった。
「すげえな、山濤」
みんながそう感心する。
さて、そこから時が下れば、
八王の乱は起こるわ、永嘉の乱は起こるわ。
武帝さまのあの宣言のせいで、
諸侯の防備はお粗末なものだった。
なので、あっという間に
匈奴漢に飲み込まれた。
あぁ、
山濤の危惧したとおりになってしまった。
人々は後悔したが、既に遅い。
山濤は、孫呉の兵法を読むまでもなく、
国防の極意について直感していたのだ。
永嘉の乱のさなか、王衍も詠嘆する。
「山濤様は、闇夜の中にあっても
道を踏み外されることはなかったのだな」
呉を倒し、遂に天下が収まった!
そこで武帝さま、訓練場に
文武百官を集める。
そして彼らに向け、おん自ら宣言された。
「天下は収まった! ここからは、
武を収め、文に修心すべきである」
それを聞いた山濤、
いやそれまずくね? って思った。
なので他の文官たちと、
孫子呉氏の兵法について語り合った。
山濤自身は兵法にそれほど詳しくない。
しかし彼らと議論を重ねるうちに、
その主張は精緻を極めるようになった。
「すげえな、山濤」
みんながそう感心する。
さて、そこから時が下れば、
八王の乱は起こるわ、永嘉の乱は起こるわ。
武帝さまのあの宣言のせいで、
諸侯の防備はお粗末なものだった。
なので、あっという間に
匈奴漢に飲み込まれた。
あぁ、
山濤の危惧したとおりになってしまった。
人々は後悔したが、既に遅い。
山濤は、孫呉の兵法を読むまでもなく、
国防の極意について直感していたのだ。
永嘉の乱のさなか、王衍も詠嘆する。
「山濤様は、闇夜の中にあっても
道を踏み外されることはなかったのだな」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説


西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
三国志 群像譚 ~瞳の奥の天地~ 家族愛の三国志大河
墨笑
歴史・時代
『家族愛と人の心』『個性と社会性』をテーマにした三国志の大河小説です。
三国志を知らない方も楽しんでいただけるよう意識して書きました。
全体の文量はかなり多いのですが、半分以上は様々な人物を中心にした短編・中編の集まりです。
本編がちょっと長いので、お試しで読まれる方は後ろの方の短編・中編から読んでいただいても良いと思います。
おすすめは『小覇王の暗殺者(ep.216)』『呂布の娘の嫁入り噺(ep.239)』『段煨(ep.285)』あたりです。
本編では蜀において諸葛亮孔明に次ぐ官職を務めた許靖という人物を取り上げています。
戦乱に翻弄され、中国各地を放浪する波乱万丈の人生を送りました。
歴史ものとはいえ軽めに書いていますので、歴史が苦手、三国志を知らないという方でもぜひお気軽にお読みください。
※人名が分かりづらくなるのを避けるため、アザナは一切使わないことにしました。ご了承ください。
※切りのいい時には完結設定になっていますが、三国志小説の執筆は私のライフワークです。生きている限り話を追加し続けていくつもりですので、ブックマークしておいていただけると幸いです。
鉄と草の血脈――天神編
藍染 迅
歴史・時代
日本史上最大の怨霊と恐れられた菅原道真。
何故それほどに恐れられ、天神として祀られたのか?
その活躍の陰には、「鉄と草」をアイデンティティとする一族の暗躍があった。
二人の酔っぱらいが安酒を呷りながら、歴史と伝説に隠された謎に迫る。
吞むほどに謎は深まる——。


女の首を所望いたす
陸 理明
歴史・時代
織田信長亡きあと、天下を狙う秀吉と家康の激突がついに始まろうとしていた。
その先兵となった鬼武蔵こと森長可は三河への中入りを目論み、大軍を率いて丹羽家の居城である岩崎城の傍を通り抜けようとしていた。
「敵の軍を素通りさせて武士といえるのか!」
若き城代・丹羽氏重は死を覚悟する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる