三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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晋編2 竹林七賢

嵇康8  ある楽理の死

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嵇中散臨刑東市、神氣不變。索琴彈之、奏廣陵散。曲終、曰:「袁孝尼嘗請學此散、吾靳固不與、廣陵散於今絕矣!」太學生三千人上書、請以為師、不許。文王亦尋悔焉。(雅量2)


嵇康けいこうが処刑されるときのこと。
刑場に臨む嵇康のもとに、
兄貴が琴を持ってきてくれた。

琴を受け取ると嵇康、
広陵散こうりょうさん」という曲を弾く。

そして嵇康、これ見よがしにつぶやく。

「そう言えばこの曲、
 袁淮えんわいが教えてくれって言ってきたよな。
 勿体ないから教えなかったけど。
 あぁ、広陵散も、ここで失われるのか」

(チラッチラッ)

広陵散、すっげえいい曲だったみたいだ。
太学生三千人が司馬昭しばしょうに訴え、
嵇康を講師に迎えたいって請願してきた。
勿論そんなことが許されるはずもない。
却下され、嵇康は処刑された。

そう、広陵散一曲だけの話ではない。
嵇康は多くの音楽理論を修めていた。
そして今、嵇康と共に滅んだ。
この事を司馬昭、甚だ悔いたとか。
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