三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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呉編

諸葛靚1 アンチ司馬氏

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諸葛靚在吳,於朝堂大會。孫皓問:「卿字仲思,為何所思?」對曰:「在家思孝,事君思忠,朋友思信,如斯而已。」(言語21)


諸葛靚しょかつせんは魏の名士、諸葛誕しょかつたんの末子。
諸葛誕が司馬師《しばし》に反旗を翻そうとした際、
呉に協力を要請するための使者として
派遣されていた。

呉の朝廷で、多くの者たちが居並ぶ中
諸葛靚は呉帝孫皓に謁見する。

孫皓そんこうが聞く。

「君の字は、仲思ちゅうしだな。
 これは何を期しての字なのだ?」

「家にあっては親に孝行することを。
 君主には忠心を持って仕えることを。
 朋友に対しては信義を貫くことを。
 これらを、思う、の一文字に
 集約しております」


 ○


孫皓
呉のラストエンペラー。孫権そんけんが晩年の耄碌で呉を傾け、最終的にこの人が止めを刺した、というのが三国志のラストエピソード。まぁ勝者側からの見解ですしその辺は、どのようにでも。五胡十六国に慣れると、この人が天寿を全うしてんのってずいぶん平和だよなーと思わないでもない。

諸葛靚
ここで盛大に徳者として扱われてるのにはそれなりの理由がある。何せこの任務を負って呉に到着した頃、諸葛誕は敗亡。一族皆殺しとなっている。なのでそのまま呉に仕え、重鎮にまで上り詰めた。やがて晋が魏を乗っ取り、更には呉も滅ぼした後、司馬炎しばえんはこの人を大司馬として招聘した。が、親も母国も滅ぼした国に忠誠など誓える筈がない。結局出仕せずじまいだった。
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