三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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魏編4 後半世代編

何晏3  強敵(とも)

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何平叔注老子,始成,詣王輔嗣。見王注精奇,迺神伏曰:「若斯人,可與論天人之際矣!」因以所注為道德二論。(文學7)


何晏かあんが老子に注を付けて、
完成したものを持って王弼おうひつを訪れた。

王弼、その注の精妙さを見て、
たちまち感服し、言った。

「このような人であって、
 初めて天と人とのありようを
 語ることができるのだ!」

王弼は王弼で
老子に注を付けていたのだが、
それは破棄して
道と徳とを語る論と言う事にした。


何晏注老子未畢,見王弼自說注老子旨。何意多所短,不復得作聲,但應諾諾。遂不復注,因作道德論。(文學10)

ただ、これの異論が
合わせて載っている。

何晏が老子注を
まだ書き上げていなかった時に、
王弼のもとに訪問したことがあった。

そこで王弼の老子注について聞き、
自説では、王弼説に及ばないところが
多かったと悟ったが、
それらを上手く言葉には表せず、
ただ聞きながら頷くのみであった。

こうして何晏、老子注の作成をやめ、
道徳論として方向を切り替えた。


 ○


どっちが正しいのかわからないけど、お互いに相手に敵わないと思ってしまっているとか、それなんておいしいライバル関係なんですの……ここにきて王弼さんの株が爆上がりである。影薄いけど。
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