三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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魏編4 後半世代編

曹髦   高貴郷公暗殺事件

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高貴鄉公薨,內外諠譁。司馬文王問侍中陳泰曰:「何以靜之?」泰云:「唯殺賈充,以謝天下。」文王曰:「可復下此不?」對曰:「但見其上,未見其下。」(方正8)


魏帝、曹髦そうぼうが殺害された!

驚天動地のニュースを、
誰もが大いに騒ぎ立てる。

首謀者の司馬昭しばしょう、アワアワする。
侍中の陳泰ちんたいにすがる。

「おおおおおおい、こ、っこれ、
 どうすりゃ静まるんだよ」

陳泰が言う。

「はぁ。実行犯の賈充かじゅう処刑して、
 スケープゴートにするしか
 ないんじゃないっすかね」

「!?
 ばばばばばばか、そんなの無理だろ!
 あいつ殺したらそれこそ
 諸々立ち行かねーわ!
 もうちょい穏便な奴ないのか!」

「(は? こいつ死ねばいいのに)
 なら、もっとエグい提案しましょうか?
 正直、これが一番穏便ですよ」


 ○


曹髦
魏の四代目皇帝。三代目の曹芳が皇帝の資格なしと廃された後に据えられたが、この頃の実権は既に完全に司馬氏に移っていた。そこで逆襲を試みるのだが、失敗。殺された。

陳泰
 魏の名臣、陳羣の息子。本人もまた名臣。ついでに言えば名将としてカウントされることも多い。このエピソードは典拠によって内容がいろいろ変わってくるけど、新語の陳泰が一番えぐくて好き。

賈充
 実際に曹髦を殺した人。この人の存在感はなかなかに素晴らしい。何せ娘が賈南風かなんぶうである。ドロッドロの宮廷謀略もんの主人公張れますよこの人。
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