三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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魏編3 前半世代編

司馬懿2 諸葛亮北伐

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諸葛亮之次渭濱,關中震動。魏明帝深懼晉宣王戰,乃遣辛毗為軍司馬。宣王既與亮對渭而陳,亮設誘譎萬方。宣王果大忿,將欲應之以重兵。亮遣間諜覘之;還曰:「有一老夫,毅然仗黃鉞,當軍門立,軍不得出。」亮曰:「此必辛佐治也。」(方正5)


蜀の諸葛亮しょかつりょうが北伐、長安に肉薄!
そりゃもうみんなビビる。
迎撃に向かうは、我らが司馬懿《しばい》。

この時魏の明帝にはある心配があった。
「司馬懿、間違って諸葛亮に
 突っ込んでったりしねえよな……?」
なので辛毗しんぴを副官につけた。

さて長安そばを流れる川、渭水。
その両岸に魏軍と蜀軍が対陣する。

諸葛亮、全力で司馬懿をアオる。
「おらー腰抜けー、百八十度ー」
これには司馬懿さんもガンギレである。
でも魏軍は動かない。

疑問に思った諸葛亮、
スパイを魏軍陣中に忍び込ませた。
スパイが報告する。

「変なジジイが黃鉞持って
 陣の入り口塞いでます」

黃鉞とは、軍の全権委任状。
これを持っている人は
皇帝の代理だから、
軍を動かすことが許される。

つまりこのジジイ、
司馬懿から軍権奪って
通せんぼしてるわけだ。

諸葛亮は言った。

「あぁくそ、
 多分そのジジイ辛毗だわ」


 ○


諸葛亮
ご存知蜀の大宰相。北伐、つまり遠征してきた蜀軍は持久戦にさえ持ち込ませてしまえば食糧不足で撤退せざるを得ない。だから曹叡は、迂闊に司馬懿に戦端を開かせないように釘を刺したんですね。

曹叡
曹丕死後に即位した、魏の二代目皇帝。この方もなかなか面白い皇帝様らしい。世説新語にも載ってるので、そこにはどんなエピソードがありますことやら。楽しみなような、恐ろしいような。

辛毗
曹操の時代から仕えている硬骨漢。つっても文官だけど。どんなキャラかって言うとこんなキャラです。
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