三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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魏編3 前半世代編

楊脩4  装備を忖度す

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魏武征袁本初,治裝餘有數十斛竹片,咸長數寸,眾並謂不堪用,正令燒除。太祖甚惜,思所以用之。謂可為竹椑楯,而未顯其言。馳使問主簿楊德祖。應聲答之,與帝正同。眾伏其辯悟。(捷悟4)


曹操そうそう袁紹えんしょうを倒そうとしていた時のこと。
様々な装備を整えていったところ、
10センチにも満たないような竹片が、
ゴロゴロと残った。

「邪魔だなこれ、焼こうぜ」

人々がそう言っている中、
曹操にもったいないおばけが宿る。

「集めて盾にできんじゃんコレ」

とは思ったが、敢えて黙っていた。

で、
ふと楊脩ようしゅうならどう答えるだろうと思い、
曹操は使者を遣わせ、楊脩に答えさせた。

以下略。


 ○


捷悟は全部で七編あるんですが、そのうち四つが楊脩とか、ほぼこの章はこの忖度モンスターのためにあるようなもんです。つーか楊脩、捷悟編以外出て来ないしね! どんだけだよ。

なお楊脩についての最大のオチは、三国志演義に結びつけると最高にロック。何せ「忖度し過ぎたから殺された」んです。鶏肋見てぼーっとしてる曹操の様子見て勝手に撤退準備開始。で激怒した曹操に殺されました。ただその後、漢中からの撤退を決めた時「あそこで楊脩の動きに乗ってりゃ、あんな被害も出なかったよな……」と曹操さまは後悔するのでした。ちゃんちゃん♪

まぁ正史にも「曹操さま取扱説明書」を曹植そうしょく(曹操の息子で皇太子候補、後継者争いに敗北した)に渡したって話があるからなかなかアレ。
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