三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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魏編1 ソソさま伝説

曹操8  化物じみた鑑識眼

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曹公少時見喬玄,玄謂曰:「天下方亂,群雄虎爭,撥而理之,非君乎?然君實亂世之英雄,治世之姦賊。恨吾老矣,不見君富貴,當以子孫相累。」(識鑒1)


曹操そうそうは若い頃に、
人物鑑定で知られる喬玄きょうげんと出会っていた。

曹操を見るなり、喬玄が言った。

「誰も彼もが
 好き勝手に暴れようとしておるが、
 奴ばらをねじ伏するるは、
 およそ、君を措いてはおるまい。

 とはいえ君は乱世では英雄だが、
 平和な今には鼻つまみ者であろう。

 あぁ、既に年老いておるのが恨めしい。
 わしは、君が栄達するのを
 見届けられぬのだろう。

 どうかわしの子孫のこと、
 お頼み申し上げる」


 ○


喬玄
後漢で尚書令にまで上り詰めている。尚書令って、皇帝専属の秘書のリーダーみたいなもんだ。そう言う人が、まだ二十歳にもなってない曹操のことを見て慨嘆してる。ヤバい。それにしても、この下りに「この少年が、のちに魏武(魏高祖武帝、の略)となる」とかが乗ってこないのが世説新語の面白さであり、また面白がるためのハードルでもある。
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