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序
0魔.黒き者④
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黒いモンスターと目が合った。
黒いモンスターは一瞬驚いたような素振りを見せた。
しばらく見つめ合ったのちに、黒いモンスターが口を開いた。
「お前、魔力濃度が濃いな。名はなんと言う?」
モンスターには様々な種類がいるが、人語を話せるモンスターは数が限られている。
しかも、こいつはただのモンスターにしては、禍々しく、魔力保有量がかなり多い。
魔力保有量とは、生命体が持つ魔力量のことだ。
俺は鑑定眼というスキルを持っているため、相手の力量やジョブを把握することができる。
だが、こいつの場合、スキルが全く見えない……。
相手のスキルが鑑定眼で見えない理由は、二つに分かれる。
一つは、相手が鑑定眼より高い隠蔽スキルを持っている場合。
もう一つは、相手の実力が自分より上の場合だ。
おそらくこいつの場合は後者だろう。
その場合、迂闊に手を出したら命が危ない。
「……名を聞くなら自分から名乗るのが礼儀じゃないか?」
そう言うと、黒いモンスターは腹を抱えて笑い出した。
「ハハッ。確かに小僧の言う通りだな。失礼した。魔神龍の俺相手に怯まない相手は久方ぶりだ。俺は魔神龍、"ニーズヘッグ"だ」
黒いモンスターは一瞬驚いたような素振りを見せた。
しばらく見つめ合ったのちに、黒いモンスターが口を開いた。
「お前、魔力濃度が濃いな。名はなんと言う?」
モンスターには様々な種類がいるが、人語を話せるモンスターは数が限られている。
しかも、こいつはただのモンスターにしては、禍々しく、魔力保有量がかなり多い。
魔力保有量とは、生命体が持つ魔力量のことだ。
俺は鑑定眼というスキルを持っているため、相手の力量やジョブを把握することができる。
だが、こいつの場合、スキルが全く見えない……。
相手のスキルが鑑定眼で見えない理由は、二つに分かれる。
一つは、相手が鑑定眼より高い隠蔽スキルを持っている場合。
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その場合、迂闊に手を出したら命が危ない。
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