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低階層 編
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目を覚ますと見慣れた天井だった。
そこに横から目も覚める美形の女性が顔を覗かせた。
思わずキスしそうになるのを抑えて微笑んでおく。
「ご主人様、お身体はいかがですか?」
柔らかい声で心配され、何故自分がここに寝ているかを思い出した。召喚の際に力を使いすぎて倒れたのだった。
「大丈夫、問題ない。それより、名前を教えてもらえるかな?」
女性型悪魔にそう問いかけると、柔らかく微笑みながら口を開いた。
「私の名前はシェリーと申します。シェリー・ビフロンスと申します。」
その名前を聞いた際に俺は驚いた。
「ソロモン七十二柱の悪魔か。ここは地球ではないのになぜ?」
「ご主人様の驚きももっともです。私自身も本来の力を制限された状態ではありますが、地球以外に召喚されるなど初めてのことで戸惑いを隠せません。」
あらあら困ったとばかりに頬に手を当てて首を傾げる姿はさながら傾国の美女である。
「まぁ不満はあるであろうが、どうか手助けを頼む。俺もいきなりこの様な環境に放り込まれて手探りでさ。」
俺は素直に今おかれている状況を話し、助力を願い出た。
「贄や、設備無しに序列四十六位の私を召喚できたご主人様ですから仕えるに値しましょう。それでは私にご主人様のお名前をお教えください。」
シェリーはそういうと恭しくお辞儀をした。
「そういえば名乗っていなかったね、失礼をした。私の名前はケイト。家名は思い出せないが、ケイトと呼んでほしい」
「承りました、ケイト様。」
シェリーがそう名前を口にすると、二人の間に通路が繋がったような感覚がした。不思議な感覚ではあったが、一人ではないその心強さに安心感を得られたのだった。
そこに横から目も覚める美形の女性が顔を覗かせた。
思わずキスしそうになるのを抑えて微笑んでおく。
「ご主人様、お身体はいかがですか?」
柔らかい声で心配され、何故自分がここに寝ているかを思い出した。召喚の際に力を使いすぎて倒れたのだった。
「大丈夫、問題ない。それより、名前を教えてもらえるかな?」
女性型悪魔にそう問いかけると、柔らかく微笑みながら口を開いた。
「私の名前はシェリーと申します。シェリー・ビフロンスと申します。」
その名前を聞いた際に俺は驚いた。
「ソロモン七十二柱の悪魔か。ここは地球ではないのになぜ?」
「ご主人様の驚きももっともです。私自身も本来の力を制限された状態ではありますが、地球以外に召喚されるなど初めてのことで戸惑いを隠せません。」
あらあら困ったとばかりに頬に手を当てて首を傾げる姿はさながら傾国の美女である。
「まぁ不満はあるであろうが、どうか手助けを頼む。俺もいきなりこの様な環境に放り込まれて手探りでさ。」
俺は素直に今おかれている状況を話し、助力を願い出た。
「贄や、設備無しに序列四十六位の私を召喚できたご主人様ですから仕えるに値しましょう。それでは私にご主人様のお名前をお教えください。」
シェリーはそういうと恭しくお辞儀をした。
「そういえば名乗っていなかったね、失礼をした。私の名前はケイト。家名は思い出せないが、ケイトと呼んでほしい」
「承りました、ケイト様。」
シェリーがそう名前を口にすると、二人の間に通路が繋がったような感覚がした。不思議な感覚ではあったが、一人ではないその心強さに安心感を得られたのだった。
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