bun's Boys Love N collection 男同士文集

bun

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episode A アイとヒューゴ カロンとユアン

009. Future story / かわいい男の子たちのカップル

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午後、
チャイムの音が響き講堂から年若い生徒がぞろぞろ退室してくる。

「リック!」

呼ばれた青年は声の主を確認して満面の笑みを浮かべる。
「コディ、そっち実技ももう終わりかい」
「あぁ、これからどうするんだい」
「午後からコペルニクス先生の研究所でバイトさ」
「そっか、明日は時間があるのかい」
「あぁ、1日一緒に過ごせそうだ」
そっか、
午後のお茶には誘いそびれたが明日のデートは決定的だと知りコディは頬を喜び色にほんのり染めた。


リックは栗毛の癖ッ毛がチャーミングな男の子。
コディは黒髪を短く刈った野性的な雰囲気。
リックは歴史と哲学を
コディは天文学をこの学校で学んでいる。

美青年ふたりのなかむつまじい立ち話はそれだけでも絵になり、通りすがりの女の子たちをときめかせた。

「じゃあ、明日」
「うん、ヒューゴとアイのお墓で待ってる」




丘の中腹の広場の小さなお墓にヒューゴとアイは眠っている。
この街、いやふたりの名は外国にも知れわたる
伝説のカップルだ。
100年以上経つ今でも人々は彼らを愛し広場はライトグリーンの芝で整備され季節の花が常に咲く。
老若男女恋人たちの憩いの場だ。

お日さまがてっぺんまで昇るころ
年若きかわいらしいカップル リックとコディの姿もここにあった。

「リック、今日はどこへ行こうか」
「そうだな…とりあえずバリーさんの店でご飯とお茶してさ、僕の部屋に行こうよ」
「ん?こんな良い天気なのに部屋かい?」
「ああ、これを買ったからコディと読みたくて」
リックは言いながら頬を輝かせ、皮の鞄から薔薇色の表紙の本を取り出した。
ロマンチックな表装を目にしたコディは顔を赤らめ声を上げる。
「お前…!それは女子が読む本だろ」
「別に男が読んだっていいじゃないか」

本。

ヒューゴとアイの伝記や見聞録は発売される度ベストセラーとなり
今でも度々出版されている。
ふたりは生涯かたい絆で結ばれ、愛し合い、世界中を旅し、大勢の孤児や奴隷の子を養子として育て、奴隷の人権保護のため人生を捧げた。
特に旅の途中、エルフの国を訪ねヒューゴが兄と仲直りをするエピソードなどは演劇にもなるほど人気だ。

そして、数年前アイの本棚の鍵が発見され
数十冊もの日記が明るみになった。その日記というのはヒューゴとの愛の営み、めくるめく秘め事がこと細かく記されたもので
ふたりのひ孫であり新進気鋭の女流作家と画家がそのスキャンダラスな日記を編纂し出版されるいなや
街中の婦女たちがそれを買い漁った。
卑猥ながらも美しいと噂の芸術作品…

その本が今、コディの顔を赤らめさせているのだ。

「ねぇ、コディ。いいだろ?」
「う…ぅ…」
できれば昼食のあとに知らせて欲しかった…!だってだって、これって。アレだろ
ハリーさんの美味い飯の味がわからなくなっちゃうじゃないか!
コディはリックのプードルのような愛くるしい巻き毛を恨めしげに眺めながら緩やかな丘から下山した。




「「うわ、」」
「「はぁ、」」
「「すご、」」
ふたりのいちいちハモる声とページをめくる乾いた音が
小ぢんまりとした部屋に響く。
絨毯の床にふたりペタリと座り、机がわりにしたベッドに肘をつき真ん中に置いたアノ本を捲っているところ。
文章はとりあえず飛ばし挿し絵を眺める。
その絵ときたら…
(この画家は死後アスモダイオスにこっぴどく叱られるに違いない)
リックよりもいささか初なコディは腕をぶるりと震わせた。
リックはと言えば生々しい性描写に釘付けで茶色の長い睫毛と薄茶の目をキラキラ輝かせていた。

アイの大きな体がヒューゴの華奢な体を組みふせている絵柄のところで

「「ゴクリ」」

唾を飲み込む音がハモった。
少し気まずい沈黙のあと、先に根を上げたのはリックだった。

「したい…、」
「え?」
「だから、したくなっちゃったってば。コディ」
「わっ!ちょっと、リック!」
リックの手が股間に伸びてきてコディは抗議の声を上げる。
「ほらぁ、コディも興奮してるじゃないか」
「バカッ!リック!」
「あはは、コディの顔真っ赤。相変わらずシャイな奴だな、僕のなんてもっと凄いことになっちゃってるんだよ」
座ったまま足を広げ腰をつきだし真ん中が盛り上がってしまっているズボンを見せびらかされ
コディの顔面は更に赤みを増していく。
「ほら、ベッドに上がろうよ」
強引かつ積極的すぎるリックにワタワタ流され
気づけばコディはベッドに寝かされその視界に映るのは
天井と自分を見下ろす興奮しきった彼氏の顔。

「ちょ…ッ、また俺コッチかよ!?」

ーーー体の関係を持ってまだ日が浅いこのカップル。

まだデートしかしていない頃、コディはずっとリックを抱きたかった。体格は僅かに自分のほうが大きいし、見た目も性格も自分のほうが男らしい。
おっちょこちょいで甘えん坊で声が高めなリックを鳴かせてやりたいという願望は指折り数えられるセックスを経た今も捨ててはいない。

「うん~?、決まってるでしょ…ちゅッちゅッ」
コディの首筋に早速ちゅッちゅしながら、何だか適当な感じで返事をするリック。
「あ…ッ、あのさ、リックはコッチのほうが可愛いっていうか…んッ、似合うと思うんだけど…ッ」

「またその話ぃ?」
一旦顔を上げるリックはちょっと不満げな表情でコディを覗きこむ。
「あぁ~、馬鹿。冗談言わないでよ、コディの可愛らしさに比べたら僕なんて全然。いい加減無自覚直してよね」
「む~~~、コノ、栗鼠みたいな顔でよく言う」
なんだか子憎たらしくなってコディはリックのふっくらした頬を軽くつねる。
「イテイテ、こらコディ、お仕置きしちゃうぞ。というか、この相談はまた今度にしよ。」

「う…、」
リックはコディの手首をベッドにぬいつけ、ちゅッちゅの続きにとりかかる。
ついばむような可愛いちゅッちゅから大人じみた舌での愛撫に切り替えて首から耳を攻めていく。
最初のころ苦戦したシャツのボタンも片手で器用に外せるようになったのだ。
(いつまでも可愛い僕じゃないぞ)
(あ、おっぱい発見。はむはむしちゃおう)

「はぁ…ッ、胸、いや…ああぁ…ッ」
(うふふ、コディったらピクピクしちゃって)
「ああぁ…ッ、あん~~」
(これだけでこんななっちゃうのに僕を抱こうだなんて100年早いなぁ)
「あぁ…、あんッ!」
(ペロペロして甘噛みもしてやろう)
「ああぁ…ッ、噛む…ッなッ…」
(あ、ちょっと!)
なんとか反撃してやろうとコディはリックのズボンの真ん中に手を伸ばし大事なところをやんわり掴んだ。
「フフ、コディ、直に触りたい?」
「うん…、ズボン脱ごうぜ」
ふたりはせかせかと脱いで裏返しになったズボンと下着ををベッドの下に放り投げた。


「むフッ、むふ…ッ、ちゅッ、ちゅッ…」
素肌でぴったり抱き合いながらの口づけがとても気持ちいい。雄芯を擦りつけあい互いの愛液で濡らしあう。
「コディ…、おしり。いい?」
ああ、こいつかわいいのは顔だけだ。

「うん…ッ、いいよ…ッ」
「そうこなくっちゃ」
リックは嬉々として起きあがると、コディの長い足をMの字に持ち上げアナルに顔を近づけていった。
「ああ、恥ずかしいよ…リック…」
「ああ、美味しそう…コディ」
(はむはむしちゃおう)
「あぁ…、あんッ、んうッ…!」
(あ~、ペロペロもしちゃうし)
「うわ、…ッあんッあぁ…あ~」
「ん、柔らかくなってきたよ。指イケるかな」
「はぅ~、…ッ、あぁ…あぁ…、あ!リック…リック」
「んん?」

「俺さ…ッ、んうッ。おしり触られてこんな女の子みたいに声出しちゃってさ…ッ、変じゃないのかなッ」

「知らない。僕、コディ以外の人興味無いから他人と比べないし…」

「あぁ…ッ、強く擦んなってぇ…!」
「コディが変なこと言うから、僕、もう限界」
「うん…ッ!俺ももうしたい…ッ!リックと繋がりたい…ッ」
コディは自ら腰をつきだし疼く蕾にリックを誘う。

「コディ、コディ…、いくよ…ッ」
「うあ…ッ!ああぁ…ッ、」
ゆっくりゆっくりだけど確実にコディのナカに…
「はぁ…ッ、コディのナカ、あつ…ッ」
「く…苦し…ッ、」
ふたつの頭の間の僅かな空間は互いの熱い吐息で充満する
「コディ…、待って待って。もう少し…ッ」
(もっと上手くできる。コディを気持ちよくさせてやれる…!)
「ああぁ…ッ、あんッ!あ、ソコッ…」
「うん…ッ、ここだね…ッ、コディ…、」
こないだのセックスで見つけた、コディが泣いちゃうところ…ここをこういうふうに…

「やぁ…ッ!ソコッ直ぐイッちゃうってばぁ…ッ」
「イこう、イこう…ッ!」

コディのソコを強めに擦りながら、ちゅるちゅると涙を溢すペニスも愛撫し射精を促す。
ああぁ…ッ、僕も出ちゃう。

「やぁ…ッ!気持ちいい…ッ気持ちいい…ッ!もう…もう…」
「コディ…、イクイク…ッ」
コディのナカから己を引き抜き
リックはコディの腹筋、コディの白濁がつくった水溜まりに自分のソレを注いだ。





ドサッ

「ぷはーッ!」
「気持ちいいーッ!」

その後浴室で洗いあっこして色々排水口に流して、ビールをぐびぐび飲んでベッドに再び雪崩れ込んだコディ&リック。

「コディ、お尻とか痛くないかい?」
未だ情事の痕跡残るしわくちゃのシーツで寝そべりながらリックが訊ねる。
「ああ、平気さ。リック優しくしてくれただろ?」
隣で仰向けに寝そべるコディの頬はビールと照れでちょっと赤い。
「そっか、それなら一時間だけ寝よう。」
「ん?」
「起きたら街に出るのさ。レイトショーと夜ご飯を奢るからさ」
「ホント?」
コディの表情が輝くのを見てリックの声が弾む。
「ああ、だって今日はデートでしょ?」
堪らずコディはリックに抱きつく。
「リック、リック…、好きだ!」
「あはは、僕も大好きだよ」



幸せいっぱいのリックの目にふと、
床にほっぽりだしてたヒューゴとアイの本がうつる

(アレはコディとマンネリになったときの参考書にとっておこう)
「今はいいや」
「え~?」
「何でもなーい」

小さな愛の巣でクスクスがしばらく聞こえる。

はじまったばかりの恋はやりたいことでいっぱい。

薔薇色の表紙の金色の題名がほのかに輝いていた。


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