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アンゼリカの幸せ③
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「茶会は上手くいきましたね」
「ああ。これで側妃や愛人狙いの女も大人しくなるだろう。流石はアンゼリカだ」
一波乱あった茶会を終えた後、人払いを済ませた私室にてレイモンドとアンゼリカは密かに笑い合った。
「初手であのように強烈な令嬢が現れたせいか、以降はどなたもわたくしに貴方との関係を匂わせる発言をなさいませんでした。もう2,3人はくるだろうと期待していたのですけれどね……」
「いなくてよかったじゃないか。匂いの元となる関係性など何もないのに勝手に妄想されては迷惑だ」
今回の茶会は表向きはご婦人との交流会だが、本当の目的は炙り出しと制裁だ。
レイモンドが即位してからというもの、彼の側妃や愛人の座を狙う者が現れるようになった。若く美しい王に憧れる令嬢、そして彼に娘をあてがい外戚として口出ししようとする貴族。追い払っても次から次へと湧くそれらにレイモンドはすっかりと辟易してしまった。
アンゼリカはというと、特にそのような有象無象の輩など全く気にしていなかった。精々“羽虫が五月蠅い”という程度、追い払ってしまえば何の問題も無い。
だが、そんなアンゼリカとは反対にレイモンドは日に日にストレスを増していった。潔癖なところがある彼にとって、妻以外の女に言い寄られることは苦痛でしかない。何より、もしアンゼリカが誤解したらどうしようという不安が彼を蝕む。
焦がれ続けてやっと手に入れた最愛の妻。そんな彼女が誤解の末に離れていってしまったら……と考えるだけで死にたくなった。
それを見かねたアンゼリカが一計を案じることにした。
といってもそんな複雑な策ではなく、ただ単純に身の程知らずな女を公衆の面前で制裁し、二度とそんな気を起こさなくしてやるというものだ。
それで開催されたのが先の茶会。貴族であれば誰でも参加可能とすれば、レイモンド目当ての令嬢がアンゼリカを挑発しにやってくるはず。そうして炙り出された何人かを牽制という名目で辱めれば、本人やそれを見ていた何人かは恐怖で二度とそんな気を起こさないだろうと考えた。
勿論、やるなら徹底的にやる。言葉で言い負かして恥をかかせるなんて可愛らしいものでは済まさない。アンゼリカお得意の薬で茶会の際中に粗相をしてもらうつもりだった。
貴族だろうと平民だろうと、もう子供でない年齢の人間が人前で粗相をすればひどく恥をかく。
特に未婚の貴族令嬢であればもうそれは致命的で、二度と社交界に顔を出せなくなるのは間違いない。
「この日の為にせっかく、飲んですぐに失禁する薬を開発しましたのに……結局未使用で終わってしまいましたわ」
可愛らしく口を曲げて不満を示すアンゼリカだが、発言の内容は全く可愛くない。
何処の世界に自ら薬品を研究して開発する王妃がいるというのか。しかもそれは失禁するためだけの薬という、相手を辱める以外に何の使い道があるのかという代物だ。
「あれ? 確か扇子に仕込んだ針をあの令嬢に刺していたと女官から聞いたが……あれは違うのか?」
「アレは護身用の睡眠薬を仕込んだ針です。失禁する薬は飲み物に仕込む予定でした」
こちらが辱める必要もないくらい王宮で醜態を晒したハウンド家の令嬢の人生は終わったようなもの。ここで失禁する薬を使用したとしても後片付けが大変になるだけなので、アンゼリカは断念せざるを得なかった。
「挨拶の時点でわたくしに挑戦的な眼差しを送る令嬢は何名かいたのですけどね、ハウンド嬢を見てすっかり気力を削がれておりましたわ。お茶会の際中も借りてきた猫のように静かでしたし……」
猿のようにキーキーと喚くハウンド家の令嬢を目にし、レイモンド狙いの令嬢たちはその気力をすっかり削がれた。ここで自分もアンゼリカを相手に似たようなことを言えば周囲に同類と思われてしまう。あんな猿と同類に見られてしまうなど御免だという心の声が聞こえてきそうなほど顔色悪く俯いていた。
「まさかハウンド家の令嬢が姉妹揃ってこちらに迷惑をかけるとは思わなかった。妹の方は彼女が10の頃に一度挨拶をしたきり一度も顔を合わせていないのに……。私と恋仲などと、どこでそんな勘違いをしたのやら……」
先の茶会で騒いだ令嬢はレイモンドの元婚約者の妹だった。
娘が王宮で王妃相手に無礼を働いたと聞いて、慌てて飛んできたハウンド伯爵が顔面蒼白になりながら「この娘は姉の婚約者だった頃からレイモンド陛下に懸想をしておりました……」と告げた。
それを知っていたのに何故今まで放置していたのか。
よりにもよって王宮で「自分が王妃になる!」とまで宣言していた、と告げたら伯爵の顔色が青を通り越して白くなった。
伯爵には世話になっているから娘を気狂い扱いにして、ハウンド家にまで累が及ばぬようにしたことを話すと額を地面につけて礼を述べていた。
「レイモンド様は素敵な方ですもの。そういった勘違いをする女性の一人や二人いてもおかしくないですわ」
姉の婚約者に懸想するとか大概だが、レイモンドは一目見ただけで乙女が恋に落ちるほどに麗しい外見をしている。他人の外見にそれほど興味が無いアンゼリカでさえ、夫の美貌にはため息が漏れる。
乙女を惑わせる美貌をもつ男を夫にしたのだ。その美貌に群がる女と対峙する覚悟は最初からある。だから別にアンゼリカは他所の女にマウントをとられようともレイモンドとの仲を匂わせる発言をされようとも気にしない。そうなるだろうことは最初から分かっていたし、対処する能力もあるのだから何も問題ない。
それでも、レイモンドは身の程知らずの女がアンゼリカに誤解を招くような発言をすることが嫌で仕方ないようだ。
「……私はアンゼリカ以外に懸想されたくない」
嫌そうに呟いてレイモンドは膝の上に座るアンゼリカをきつく抱き締めた。
そう、膝の上。アンゼリカは椅子ではなくレイモンドの膝の上に鎮座しているのであった。
他人に甘えることのないアンゼリカが自らそのような行為をすることはない。
これは隙あらば妻と触れ合いたいレイモンドの望みによりこうしているのである。
いかに冷徹といえどもアンゼリカは基本的に夫に甘い。
甘えることはできなくとも、甘やかすことはできる。それに、こんなことで夫の心が落ち着くのであれば、いくらでも触れてくれてかまわないと思う。
「そういえば、君はどうして件の令嬢がハウンド家の娘だと分かったんだ? 女官から聞いた話では名乗りもしなかったそうじゃないか?」
「それはわたくしが国内全ての貴族の顔と名を記憶しているからです。王妃になるにあたり必要かと思い、貴族名鑑にて覚えましたの」
顔と名を一致させていた方が何かと有利だ。例えば無礼を働かれた場合、相手の名乗りを待たずとも速やかに処罰できる。
「国内全ての貴族を……?」
「ええ、王宮にある貴族名鑑は家名や個人の名前だけでなく、当人の肖像画まで掲載されておりますので。顔と名前を一致させることはさして難しくありませんでしたわ」
平然と言ってのけるアンゼリカにレイモンドは驚愕した。
ひどく頭が良いことは理解していたが、ここまでとは……。
「……驚いた、私の妻は天才だ。こんなにも才能に満ち溢れた美しい人を妻に出来るなんて、私は世界で一番幸福な男だよ」
「まあ、褒めすぎですよ」
「褒めすぎなものか。実際、私の治世は君という賢妃とグリフォン公爵家によって支えられていると言って過言はない」
レイモンドは自分の地位がアンゼリカの貢献とグリフォン公爵家の尽力によって支えられていると正しく理解していた。宮廷は魔窟同然で、自分だけの力で乗り越えることは無理だと分かっている。
こんな場所でよく前国王はやっていけたなと思ったが、よく考えてみればやっていけなかったから破綻したのだった。
「私はまだまだ未熟だ……。情けないが、どうか見捨てないでほしい」
「あら、見捨てるなんて有り得ませんわ。だって、わたくしが王妃になった理由は貴方ですもの」
「私が理由?」
「ええ、貴方をお支えしたいと思ったからこそ、わたくしは王妃という道を選んだのです。貴方でなければ……支えたいなどと思いません」
「アンゼリカ……!」
感極まった様子のレイモンドがアンゼリカに口づける。
アンゼリカは頬を赤く染めながらそれを受け入れた。
「嬉しいな……。愛しているよ、私のアンゼリカ……」
「はい、レイモンド様。わたくしも……」
“愛しております”
消え入りそうな声で告げた愛の言葉はしっかりと彼の耳へと届いた。
見つめ合い、微笑み合うと胸に温かい感情が満ち溢れる。
彼だけが与えてくれる感情の名はきっと“幸福”というのだろう。
この人の隣は誰にも譲らない。
アンゼリカは愛しい人の温もりにうっとりと酔いしれた────。
(了)
──────────────────────────────────────
これにて完結です!
思ったよりも長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
最後まで読んでくださった皆様に最大限の感謝を。
「ああ。これで側妃や愛人狙いの女も大人しくなるだろう。流石はアンゼリカだ」
一波乱あった茶会を終えた後、人払いを済ませた私室にてレイモンドとアンゼリカは密かに笑い合った。
「初手であのように強烈な令嬢が現れたせいか、以降はどなたもわたくしに貴方との関係を匂わせる発言をなさいませんでした。もう2,3人はくるだろうと期待していたのですけれどね……」
「いなくてよかったじゃないか。匂いの元となる関係性など何もないのに勝手に妄想されては迷惑だ」
今回の茶会は表向きはご婦人との交流会だが、本当の目的は炙り出しと制裁だ。
レイモンドが即位してからというもの、彼の側妃や愛人の座を狙う者が現れるようになった。若く美しい王に憧れる令嬢、そして彼に娘をあてがい外戚として口出ししようとする貴族。追い払っても次から次へと湧くそれらにレイモンドはすっかりと辟易してしまった。
アンゼリカはというと、特にそのような有象無象の輩など全く気にしていなかった。精々“羽虫が五月蠅い”という程度、追い払ってしまえば何の問題も無い。
だが、そんなアンゼリカとは反対にレイモンドは日に日にストレスを増していった。潔癖なところがある彼にとって、妻以外の女に言い寄られることは苦痛でしかない。何より、もしアンゼリカが誤解したらどうしようという不安が彼を蝕む。
焦がれ続けてやっと手に入れた最愛の妻。そんな彼女が誤解の末に離れていってしまったら……と考えるだけで死にたくなった。
それを見かねたアンゼリカが一計を案じることにした。
といってもそんな複雑な策ではなく、ただ単純に身の程知らずな女を公衆の面前で制裁し、二度とそんな気を起こさなくしてやるというものだ。
それで開催されたのが先の茶会。貴族であれば誰でも参加可能とすれば、レイモンド目当ての令嬢がアンゼリカを挑発しにやってくるはず。そうして炙り出された何人かを牽制という名目で辱めれば、本人やそれを見ていた何人かは恐怖で二度とそんな気を起こさないだろうと考えた。
勿論、やるなら徹底的にやる。言葉で言い負かして恥をかかせるなんて可愛らしいものでは済まさない。アンゼリカお得意の薬で茶会の際中に粗相をしてもらうつもりだった。
貴族だろうと平民だろうと、もう子供でない年齢の人間が人前で粗相をすればひどく恥をかく。
特に未婚の貴族令嬢であればもうそれは致命的で、二度と社交界に顔を出せなくなるのは間違いない。
「この日の為にせっかく、飲んですぐに失禁する薬を開発しましたのに……結局未使用で終わってしまいましたわ」
可愛らしく口を曲げて不満を示すアンゼリカだが、発言の内容は全く可愛くない。
何処の世界に自ら薬品を研究して開発する王妃がいるというのか。しかもそれは失禁するためだけの薬という、相手を辱める以外に何の使い道があるのかという代物だ。
「あれ? 確か扇子に仕込んだ針をあの令嬢に刺していたと女官から聞いたが……あれは違うのか?」
「アレは護身用の睡眠薬を仕込んだ針です。失禁する薬は飲み物に仕込む予定でした」
こちらが辱める必要もないくらい王宮で醜態を晒したハウンド家の令嬢の人生は終わったようなもの。ここで失禁する薬を使用したとしても後片付けが大変になるだけなので、アンゼリカは断念せざるを得なかった。
「挨拶の時点でわたくしに挑戦的な眼差しを送る令嬢は何名かいたのですけどね、ハウンド嬢を見てすっかり気力を削がれておりましたわ。お茶会の際中も借りてきた猫のように静かでしたし……」
猿のようにキーキーと喚くハウンド家の令嬢を目にし、レイモンド狙いの令嬢たちはその気力をすっかり削がれた。ここで自分もアンゼリカを相手に似たようなことを言えば周囲に同類と思われてしまう。あんな猿と同類に見られてしまうなど御免だという心の声が聞こえてきそうなほど顔色悪く俯いていた。
「まさかハウンド家の令嬢が姉妹揃ってこちらに迷惑をかけるとは思わなかった。妹の方は彼女が10の頃に一度挨拶をしたきり一度も顔を合わせていないのに……。私と恋仲などと、どこでそんな勘違いをしたのやら……」
先の茶会で騒いだ令嬢はレイモンドの元婚約者の妹だった。
娘が王宮で王妃相手に無礼を働いたと聞いて、慌てて飛んできたハウンド伯爵が顔面蒼白になりながら「この娘は姉の婚約者だった頃からレイモンド陛下に懸想をしておりました……」と告げた。
それを知っていたのに何故今まで放置していたのか。
よりにもよって王宮で「自分が王妃になる!」とまで宣言していた、と告げたら伯爵の顔色が青を通り越して白くなった。
伯爵には世話になっているから娘を気狂い扱いにして、ハウンド家にまで累が及ばぬようにしたことを話すと額を地面につけて礼を述べていた。
「レイモンド様は素敵な方ですもの。そういった勘違いをする女性の一人や二人いてもおかしくないですわ」
姉の婚約者に懸想するとか大概だが、レイモンドは一目見ただけで乙女が恋に落ちるほどに麗しい外見をしている。他人の外見にそれほど興味が無いアンゼリカでさえ、夫の美貌にはため息が漏れる。
乙女を惑わせる美貌をもつ男を夫にしたのだ。その美貌に群がる女と対峙する覚悟は最初からある。だから別にアンゼリカは他所の女にマウントをとられようともレイモンドとの仲を匂わせる発言をされようとも気にしない。そうなるだろうことは最初から分かっていたし、対処する能力もあるのだから何も問題ない。
それでも、レイモンドは身の程知らずの女がアンゼリカに誤解を招くような発言をすることが嫌で仕方ないようだ。
「……私はアンゼリカ以外に懸想されたくない」
嫌そうに呟いてレイモンドは膝の上に座るアンゼリカをきつく抱き締めた。
そう、膝の上。アンゼリカは椅子ではなくレイモンドの膝の上に鎮座しているのであった。
他人に甘えることのないアンゼリカが自らそのような行為をすることはない。
これは隙あらば妻と触れ合いたいレイモンドの望みによりこうしているのである。
いかに冷徹といえどもアンゼリカは基本的に夫に甘い。
甘えることはできなくとも、甘やかすことはできる。それに、こんなことで夫の心が落ち着くのであれば、いくらでも触れてくれてかまわないと思う。
「そういえば、君はどうして件の令嬢がハウンド家の娘だと分かったんだ? 女官から聞いた話では名乗りもしなかったそうじゃないか?」
「それはわたくしが国内全ての貴族の顔と名を記憶しているからです。王妃になるにあたり必要かと思い、貴族名鑑にて覚えましたの」
顔と名を一致させていた方が何かと有利だ。例えば無礼を働かれた場合、相手の名乗りを待たずとも速やかに処罰できる。
「国内全ての貴族を……?」
「ええ、王宮にある貴族名鑑は家名や個人の名前だけでなく、当人の肖像画まで掲載されておりますので。顔と名前を一致させることはさして難しくありませんでしたわ」
平然と言ってのけるアンゼリカにレイモンドは驚愕した。
ひどく頭が良いことは理解していたが、ここまでとは……。
「……驚いた、私の妻は天才だ。こんなにも才能に満ち溢れた美しい人を妻に出来るなんて、私は世界で一番幸福な男だよ」
「まあ、褒めすぎですよ」
「褒めすぎなものか。実際、私の治世は君という賢妃とグリフォン公爵家によって支えられていると言って過言はない」
レイモンドは自分の地位がアンゼリカの貢献とグリフォン公爵家の尽力によって支えられていると正しく理解していた。宮廷は魔窟同然で、自分だけの力で乗り越えることは無理だと分かっている。
こんな場所でよく前国王はやっていけたなと思ったが、よく考えてみればやっていけなかったから破綻したのだった。
「私はまだまだ未熟だ……。情けないが、どうか見捨てないでほしい」
「あら、見捨てるなんて有り得ませんわ。だって、わたくしが王妃になった理由は貴方ですもの」
「私が理由?」
「ええ、貴方をお支えしたいと思ったからこそ、わたくしは王妃という道を選んだのです。貴方でなければ……支えたいなどと思いません」
「アンゼリカ……!」
感極まった様子のレイモンドがアンゼリカに口づける。
アンゼリカは頬を赤く染めながらそれを受け入れた。
「嬉しいな……。愛しているよ、私のアンゼリカ……」
「はい、レイモンド様。わたくしも……」
“愛しております”
消え入りそうな声で告げた愛の言葉はしっかりと彼の耳へと届いた。
見つめ合い、微笑み合うと胸に温かい感情が満ち溢れる。
彼だけが与えてくれる感情の名はきっと“幸福”というのだろう。
この人の隣は誰にも譲らない。
アンゼリカは愛しい人の温もりにうっとりと酔いしれた────。
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これにて完結です!
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