87 / 109
この感情の名は
しおりを挟む
その後、応接室にはグリフォン公爵とサラマンドラ公爵が残り、アンゼリカはレイモンドによって別室へと案内された。
「アンゼリカ嬢、隣に座ってもいいだろうか?」
「え? はい、構いませんが……」
案内された陽当たりのいい応接間は初めて二人で話をした場所だった。
違うのは二人の距離感。あの時はテーブルを挟んで対面上に座ったのに、今は二人並んで同じソファーに腰掛けている。
「突然あんな発言をしてすまなかった。その……嫌だっただろうか?」
「いえ……嫌ではありません。少し驚いただけで……」
こちらを伺うような紫の瞳から反射的に目を逸らしてしまった。
そんな自分の行動をアンゼリカは不思議に思う。
(おかしいわね……公子様と目を合わせられない)
先程から不自然なまでに心臓が早鐘を打つのだ。
彼と目を合わせようとするともっとひどくなる。
感じたことのない症状にアンゼリカは自らの病を疑ったが、特定の人物と目を合わせようとすると生じる病など聞いたことが無い。
「アンゼリカ嬢、こちらを向いてくれないか?」
「…………駄目です」
「えっ!?」
恋い慕う相手に顔を背けられたことにレイモンドはショックを受けた。
なんとかこちらを向いてもらおうと懇願するもあっさりと断られ、ますます心に衝撃を受ける。
「す、すまない……! あんな場所で求婚をしたから怒っているのか?」
「はい? いえ、それには怒っておりません」
「え? では、何故こちらを向いてくれない? 君は、いつも真っすぐこちらを見てくれるじゃないか……」
レイモンドの指摘の通り、アンゼリカは基本的に真っすぐ相手の目を見て対話する。そうすることによって相手を圧倒し、こちらが優位に立てると理解しているからだ。
「……そうですけど、今は無理です。わたくしの体に言語化し辛い現象が起きておりますので」
「言語化し辛い状況……? もしかして具合が悪いのか?」
「具合が悪い……? いえ、それとは何だか違う気がします。強いて言えばこう……胸がどくどくとして、頭がふわふわします」
何だその表現、幼児か。アンゼリカは自分が発した言葉がひどく抽象的で分かりづらいことに驚いた。幼い頃ですらこんな発言をしたことがないのに。
「え……!? それは……君が私の事を意識してくれていると捉えていいのだろうか?」
「え? 意識……?」
こんな抽象的すぎる発言の意味を判断してくれたことに驚き、アンゼリカは思わず彼の方に顔を向けた。すると熱を帯びた紫の瞳と目が合い、その瞬間沸騰しそうなほど体が熱くなった。普段からは有り得ないほど体が熱い。特に頬のあたりに熱が集中していることが分かる。
「……わたくし、やはり具合が悪いのかもしれません……。何だか顔が熱いのです。先ほどまでは何でもなかったのに、公子様のお顔を見たら急に……」
そこまで言ってアンゼリカは口を閉ざした。
これではまるでレイモンドのせいで具合が悪くなったと言っているみたいではないか。
すぐに謝罪をしようと再び口を開いたアンゼリカだが、その瞬間レイモンドに荒々しく抱き寄せられた。
「こ、公子様……?」
「可愛い……アンゼリカ嬢……」
うっとりとした声を耳元で囁かれ、自分とは違う逞しい腕に包まれると痛いくらい心臓が鼓動を刻む。体験したことのない不思議な感覚にアンゼリカはひたすら困惑した。
「普通に好意を伝えられるよりもグッとくるな……。私の心をここまで掻き乱す人は貴女だけだ……」
「好意……? わたくしが、貴方に……?」
「違うのか? 先程の言い方はそのように捉えられる。私の顔を見ると熱くなるということは……つまりはそういうことだろう?」
「そう……なのでしょうか? 分かりません。だって、わたくし今までこんな気持ちを抱いたことが無いのです」
アンゼリカが好意と呼べる気持ちを抱いた相手はミラージュだけだった。
でも、彼女に対する感情とレイモンドに対する感情は全く別物だ。こんな、心臓が壊れてしまいそうなほど鼓動を刻む激情をミラージュ相手に抱いたことはない。
「ふむ……。こんな気持ちとは……具体的にどのようなものだろうか?」
「え? えーと……そうですね、まるで口から心臓が飛び出てしまいそうな……おかしな気持ちです。それでいて、何故か恥ずかしくて公子様のお顔が見られません。何が恥ずかしいのかは分からないのですけれど……」
支離滅裂な自分の発言にアンゼリカは嫌気が差した。
こんな抽象的で分かりにくい言葉を使っても相手には伝わらない。そう思っていると自分を抱きしめる彼の腕の力が強くなった。
「公子様……?」
「くっ……可愛い。可愛すぎる……。君は私をどうしたいんだ……」
「どう……と、仰られましても……」
先程から意思の疎通がうまくいかない。
それはおそらくこの感情を判別出来ていないからだろう。
「申し訳ございません。わたくし……生まれつき感情の起伏が乏しいのです。だからこの感情が何なのかを理解できておりません」
「そうだったのか……。私も君の気持ちを断定することは出来ないが、それが私への恋情であってくれたなら嬉しい」
「恋情……? これが……」
この身を焦がすような感情は“恋”なのか。
ふと、アンゼリカが顔をあげると熱を灯した紫の瞳と目が合った。
「アンゼリカ嬢、私はずっとこうやって君に触れたかった……。君は、私に触れられるのは嫌か?」
「……いいえ、嫌ではありません。でも、とても不思議な気持ちになります。心臓が痛いくらい鼓動を刻むから離してほしいのに、ずっとこのままでいたいような……そんな不思議な気持ちに……」
今まで味わったことのない感情に困惑するアンゼリカは感じたことをそのまま口にする。それがレイモンドの心に刺さり、余計に彼女への愛しさが増した。
「……なんとも攻撃力の高い台詞だな。“嬉しい”と言われるよりもずっと心に刺さる。そんな君が愛しくてたまらない。好きだ」
「好き……? 公子様が、わたくしを……?」
「ああ、君と初めて会った時からずっと。王太子と婚約を解消して私の婚約者になってほしいと、ずっと願っていた。……だから王太子が当家を訪ねて来た時、君と婚約を破棄すると聞いて喜んでしまった。不謹慎ですまない……」
「まあ……そんな、気になさらないでください。わたくしも殿下が生理的に無理だったので、婚約破棄はむしろ望むところでした。あのまま夫婦になり、殿下に触れられるのだと思うと気持ち悪くて……」
「あ、殿下のことそこまで嫌いだったんだな……。なら、私にこうされるのは気持ち悪くないか……?」
レイモンドは鼻の先が触れる距離まで顔を近づけた。
少し動けば唇が重なってしまいそうなほど近くに。
「……気持ち悪くなどありません。むしろ……もっと近づきたくなります。こんな風に……」
「……え? は? ア、アンゼリカ嬢……?」
一瞬、アンゼリカの唇がレイモンドの唇に触れた。
それが彼女からの口づけだと理解した瞬間、彼は顔を真っ赤に染めてアンゼリカを強く抱き締める。
「ああ、もう…………! 君はどこまで私を夢中にさせるつもりだ……」
「可能であれば……ずっと。ずっとわたくしに夢中になっていてほしいと、今心の底からそう思いました。おかしいでしょうか……自分に夢中になってほしいと願うなど」
「おかしいわけがあるか! 私だってそうだ。君の心を揺るがすのは、生涯私だけであってほしいと願っている」
「公子様…………」
湧きたつ衝動のまま、アンゼリカは彼の背中に自分の両腕を回す。
自分とはまるで違う、逞しい体つきにアンゼリカの胸はますます激しい鼓動を刻んだ。
「不思議です……。こうしていると、心が満たされるような心地になります」
彼の体温も、匂いも、感触も、全てが心地いい。
うっとりと身をゆだねるアンゼリカの髪にレイモンドは何度も口づけた。
「可愛い……愛している。アンゼリカ嬢、改めて言う。私の妻になってくれないか?」
「公子様……わたくしでよろしいのですか? こんな……感情の起伏が乏しい冷徹な女と添い遂げる覚悟がお有りで?」
「それが何だと言うのだ。そういうところも含めて丸ごと君を愛している」
欲しくてたまらなかった愛しい少女がこうして自分の腕の中にいる。
その事実にたまらず、彼は少女の唇に自分のを重ねた。
「ん……、公子様……」
「レイモンド、と。そう呼んでくれ、アンゼリカ……」
「はい……レイモンド様」
想いを確かめ合うように二人は何度も唇を重ねた。
まだ『好き』も『愛している』も口に出来ないアンゼリカだが、いつの日かきっと彼にそれを伝えられるだろうと予感する。
彼といると、経験したことのないような幸せが心に満ちていくから……。
しばらく経った後、二人は連れ添いながら公爵達が待つ応接室へと戻った。
どう見ても“何かあった”感が漂う二人の空気にサラマンドラ公爵はもの言いたげな目線を息子へ向け、グリフォン公爵はむず痒そうにソワソワし始めたのだった。
「アンゼリカ嬢、隣に座ってもいいだろうか?」
「え? はい、構いませんが……」
案内された陽当たりのいい応接間は初めて二人で話をした場所だった。
違うのは二人の距離感。あの時はテーブルを挟んで対面上に座ったのに、今は二人並んで同じソファーに腰掛けている。
「突然あんな発言をしてすまなかった。その……嫌だっただろうか?」
「いえ……嫌ではありません。少し驚いただけで……」
こちらを伺うような紫の瞳から反射的に目を逸らしてしまった。
そんな自分の行動をアンゼリカは不思議に思う。
(おかしいわね……公子様と目を合わせられない)
先程から不自然なまでに心臓が早鐘を打つのだ。
彼と目を合わせようとするともっとひどくなる。
感じたことのない症状にアンゼリカは自らの病を疑ったが、特定の人物と目を合わせようとすると生じる病など聞いたことが無い。
「アンゼリカ嬢、こちらを向いてくれないか?」
「…………駄目です」
「えっ!?」
恋い慕う相手に顔を背けられたことにレイモンドはショックを受けた。
なんとかこちらを向いてもらおうと懇願するもあっさりと断られ、ますます心に衝撃を受ける。
「す、すまない……! あんな場所で求婚をしたから怒っているのか?」
「はい? いえ、それには怒っておりません」
「え? では、何故こちらを向いてくれない? 君は、いつも真っすぐこちらを見てくれるじゃないか……」
レイモンドの指摘の通り、アンゼリカは基本的に真っすぐ相手の目を見て対話する。そうすることによって相手を圧倒し、こちらが優位に立てると理解しているからだ。
「……そうですけど、今は無理です。わたくしの体に言語化し辛い現象が起きておりますので」
「言語化し辛い状況……? もしかして具合が悪いのか?」
「具合が悪い……? いえ、それとは何だか違う気がします。強いて言えばこう……胸がどくどくとして、頭がふわふわします」
何だその表現、幼児か。アンゼリカは自分が発した言葉がひどく抽象的で分かりづらいことに驚いた。幼い頃ですらこんな発言をしたことがないのに。
「え……!? それは……君が私の事を意識してくれていると捉えていいのだろうか?」
「え? 意識……?」
こんな抽象的すぎる発言の意味を判断してくれたことに驚き、アンゼリカは思わず彼の方に顔を向けた。すると熱を帯びた紫の瞳と目が合い、その瞬間沸騰しそうなほど体が熱くなった。普段からは有り得ないほど体が熱い。特に頬のあたりに熱が集中していることが分かる。
「……わたくし、やはり具合が悪いのかもしれません……。何だか顔が熱いのです。先ほどまでは何でもなかったのに、公子様のお顔を見たら急に……」
そこまで言ってアンゼリカは口を閉ざした。
これではまるでレイモンドのせいで具合が悪くなったと言っているみたいではないか。
すぐに謝罪をしようと再び口を開いたアンゼリカだが、その瞬間レイモンドに荒々しく抱き寄せられた。
「こ、公子様……?」
「可愛い……アンゼリカ嬢……」
うっとりとした声を耳元で囁かれ、自分とは違う逞しい腕に包まれると痛いくらい心臓が鼓動を刻む。体験したことのない不思議な感覚にアンゼリカはひたすら困惑した。
「普通に好意を伝えられるよりもグッとくるな……。私の心をここまで掻き乱す人は貴女だけだ……」
「好意……? わたくしが、貴方に……?」
「違うのか? 先程の言い方はそのように捉えられる。私の顔を見ると熱くなるということは……つまりはそういうことだろう?」
「そう……なのでしょうか? 分かりません。だって、わたくし今までこんな気持ちを抱いたことが無いのです」
アンゼリカが好意と呼べる気持ちを抱いた相手はミラージュだけだった。
でも、彼女に対する感情とレイモンドに対する感情は全く別物だ。こんな、心臓が壊れてしまいそうなほど鼓動を刻む激情をミラージュ相手に抱いたことはない。
「ふむ……。こんな気持ちとは……具体的にどのようなものだろうか?」
「え? えーと……そうですね、まるで口から心臓が飛び出てしまいそうな……おかしな気持ちです。それでいて、何故か恥ずかしくて公子様のお顔が見られません。何が恥ずかしいのかは分からないのですけれど……」
支離滅裂な自分の発言にアンゼリカは嫌気が差した。
こんな抽象的で分かりにくい言葉を使っても相手には伝わらない。そう思っていると自分を抱きしめる彼の腕の力が強くなった。
「公子様……?」
「くっ……可愛い。可愛すぎる……。君は私をどうしたいんだ……」
「どう……と、仰られましても……」
先程から意思の疎通がうまくいかない。
それはおそらくこの感情を判別出来ていないからだろう。
「申し訳ございません。わたくし……生まれつき感情の起伏が乏しいのです。だからこの感情が何なのかを理解できておりません」
「そうだったのか……。私も君の気持ちを断定することは出来ないが、それが私への恋情であってくれたなら嬉しい」
「恋情……? これが……」
この身を焦がすような感情は“恋”なのか。
ふと、アンゼリカが顔をあげると熱を灯した紫の瞳と目が合った。
「アンゼリカ嬢、私はずっとこうやって君に触れたかった……。君は、私に触れられるのは嫌か?」
「……いいえ、嫌ではありません。でも、とても不思議な気持ちになります。心臓が痛いくらい鼓動を刻むから離してほしいのに、ずっとこのままでいたいような……そんな不思議な気持ちに……」
今まで味わったことのない感情に困惑するアンゼリカは感じたことをそのまま口にする。それがレイモンドの心に刺さり、余計に彼女への愛しさが増した。
「……なんとも攻撃力の高い台詞だな。“嬉しい”と言われるよりもずっと心に刺さる。そんな君が愛しくてたまらない。好きだ」
「好き……? 公子様が、わたくしを……?」
「ああ、君と初めて会った時からずっと。王太子と婚約を解消して私の婚約者になってほしいと、ずっと願っていた。……だから王太子が当家を訪ねて来た時、君と婚約を破棄すると聞いて喜んでしまった。不謹慎ですまない……」
「まあ……そんな、気になさらないでください。わたくしも殿下が生理的に無理だったので、婚約破棄はむしろ望むところでした。あのまま夫婦になり、殿下に触れられるのだと思うと気持ち悪くて……」
「あ、殿下のことそこまで嫌いだったんだな……。なら、私にこうされるのは気持ち悪くないか……?」
レイモンドは鼻の先が触れる距離まで顔を近づけた。
少し動けば唇が重なってしまいそうなほど近くに。
「……気持ち悪くなどありません。むしろ……もっと近づきたくなります。こんな風に……」
「……え? は? ア、アンゼリカ嬢……?」
一瞬、アンゼリカの唇がレイモンドの唇に触れた。
それが彼女からの口づけだと理解した瞬間、彼は顔を真っ赤に染めてアンゼリカを強く抱き締める。
「ああ、もう…………! 君はどこまで私を夢中にさせるつもりだ……」
「可能であれば……ずっと。ずっとわたくしに夢中になっていてほしいと、今心の底からそう思いました。おかしいでしょうか……自分に夢中になってほしいと願うなど」
「おかしいわけがあるか! 私だってそうだ。君の心を揺るがすのは、生涯私だけであってほしいと願っている」
「公子様…………」
湧きたつ衝動のまま、アンゼリカは彼の背中に自分の両腕を回す。
自分とはまるで違う、逞しい体つきにアンゼリカの胸はますます激しい鼓動を刻んだ。
「不思議です……。こうしていると、心が満たされるような心地になります」
彼の体温も、匂いも、感触も、全てが心地いい。
うっとりと身をゆだねるアンゼリカの髪にレイモンドは何度も口づけた。
「可愛い……愛している。アンゼリカ嬢、改めて言う。私の妻になってくれないか?」
「公子様……わたくしでよろしいのですか? こんな……感情の起伏が乏しい冷徹な女と添い遂げる覚悟がお有りで?」
「それが何だと言うのだ。そういうところも含めて丸ごと君を愛している」
欲しくてたまらなかった愛しい少女がこうして自分の腕の中にいる。
その事実にたまらず、彼は少女の唇に自分のを重ねた。
「ん……、公子様……」
「レイモンド、と。そう呼んでくれ、アンゼリカ……」
「はい……レイモンド様」
想いを確かめ合うように二人は何度も唇を重ねた。
まだ『好き』も『愛している』も口に出来ないアンゼリカだが、いつの日かきっと彼にそれを伝えられるだろうと予感する。
彼といると、経験したことのないような幸せが心に満ちていくから……。
しばらく経った後、二人は連れ添いながら公爵達が待つ応接室へと戻った。
どう見ても“何かあった”感が漂う二人の空気にサラマンドラ公爵はもの言いたげな目線を息子へ向け、グリフォン公爵はむず痒そうにソワソワし始めたのだった。
6,261
お気に入りに追加
7,504
あなたにおすすめの小説
【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
さよなら、皆さん。今宵、私はここを出ていきます
結城芙由奈
恋愛
【復讐の為、今夜私は偽の家族と婚約者に別れを告げる―】
私は伯爵令嬢フィーネ・アドラー。優しい両親と18歳になったら結婚する予定の婚約者がいた。しかし、幸せな生活は両親の突然の死により、もろくも崩れ去る。私の後見人になると言って城に上がり込んできた叔父夫婦とその娘。私は彼らによって全てを奪われてしまった。愛する婚約者までも。
もうこれ以上は限界だった。復讐する為、私は今夜皆に別れを告げる決意をした―。
※マークは残酷シーン有り
※(他サイトでも投稿中)
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる