83 / 87
これで終わり
しおりを挟む
目の前の男は私が威嚇の為に地面に発砲したのかと思っただろうが、実際は違う。
本当は足を狙ったのだ。奴が私に近づかないようにと。
あれだけダンテ様から銃の使い方について指導を受けたのにこれだ。
やはりどうしても人に対して撃つとなると躊躇してしまう。
(前世でも今もこういう荒事とは無縁の世界で生きてきたからな……。やっぱり人に向けて撃つとなると足がすくむし手も震えて狙いが定まらない)
私が今持っている銃はか弱い貴婦人でも扱えるようにと設計された軽量型の物らしい。
なので銃弾を二発しか込められないとか。知識がないからよく分からないがこれは前世のものとは少し違う様だ。
亡くなった元皇太子のジュリアス殿下の婚約者はその二発を確実に人体へと撃ち込んだと聞く。一発目はジュリアス殿下に、そしてもう一発目は自分へと。周囲が止める間もないほど早く、躊躇いなくやってみせた。か弱い貴婦人をそこまで衝動に駆り立てるほどジュリアス殿下の仕打ちは彼女の精神を傷つけたのだろう。
それに比べて私は目の前の男にそこまでの怒りや憤りは感じていない。
どちらかというと憐みを向けてしまう。
確かに自分の意志で体を動かせない事は相当なストレスだと分かる。そしていざ動かせるとなった時は既に死ぬことが決まっていたのならそれは絶望するだろう。ただ、その憤りを私にぶつけられても正直困る。同じ転生者というだけで他は何の関係も無い赤の他人なのだから。
それに……別に彼がもっと早くに陛下の体の所有権を奪ってしまえばよかったのではないかと思う。彼の話では陛下の精神が弱ると彼が体を使えるようになるそうだが、だったらもっと早い段階で意図的にその状態を作り出すことも出来たのではないか。
長年同じ体にいたのならば陛下の心の脆い部分など知っていたはずだ。そこを突けばあの脆弱な陛下は簡単に心を弱らせると思う。そこをつけば完全に彼が陛下になり切ることも可能だったはず。
(逆上されると困るから言わないけれどね……)
逆上して再び襲い掛かられたら自分の身を守るために発砲することになるが、当たる自信が無い。しかもそれで弾切れになるし、そうなるともう身を守る術が無くなってしまう。
先程の発砲で戦意喪失してくれたら助かるのだが……と彼を見ると、急にワナワナと震えだした。
「お前には優しさってものがないのか!? 俺はこんなにも恵まれていなくて可哀想なのに……少しくらい俺の望みを叶えてやろうと何故思わない!」
「……お生憎ですけど、わたくしはヒロインではないので慈悲深さも優しさも持ち合わせていませんわ」
「なんて冷たい女なんだ! 流石は悪役令嬢だな? 自分ばかりが幸福で満足か!」
だから体を使って慰めろと? なんで同じ転生者というだけの関係性しかないあんたにそこまでしなきゃいけないのよ!?
「あの……わたくし達って他人ですよね? これで家族とか恋人とか友人とかであればまだしも、貴方は元婚約者の父親というだけの存在ですよね? 特に貴方に何の恩義もありませんよね? なのにどうして貴方の不満をわたくしが解消せねばならないのです?」
正論を告げると男はひどくショックを受けた顔をした。
理解できないが彼の中では私が彼に同情して身を任せるという妄想があったのかもしれない。二次元ではそういう展開もあるかもしれないけど、現実には無理だ。冷たいかもしれないが何の情も無い相手を慰めようなんて気は微塵も起きない。
「それ以上近づいたら撃ちます。今度は地面ではなく、貴方に向けて」
「ふん……上等だ。そんな震えた手で俺に当たると思っているなら好きにしろ。どうせもう、俺は毒杯を飲んで死ぬ運命だ。だったら撃たれようともお前を……!」
男が私を押し倒そうと肩を掴んだその時だった。
「エルリアン嬢! 先程銃声が聞こえましたが無事でいらっしゃいますか?」
バンッと大きな音を立てて扉が開き、外からダンテ様と当家の騎士達が雪崩れ込んできた。
「失礼、こちらの御方は我が主が望まれた大切な存在です。みだりに触れぬように」
ダンテ様は私の肩を掴む偽陛下の両手をはがし、そのまま後ろに回す。
「痛っ……!? な、なにしやがる小僧!!」
「おや? 先王陛下は随分とお言葉に品が無いのですね……? 気でも触れましたか?」
「うるせえ! いいから離せ! 誰だよてめえは!?」
痛みと驚きで偽陛下は口調を取り繕う事もしない。
いや、そもそも今までも取り繕っていたのだろうか?
もしかすると彼は独立した人格だから陛下が学んだ作法や言葉遣いの記憶を共有していないのかもしれない。
「助かりましたわ、ダンテ様。来てくださってありがとうございます……」
ダンテ様の顔を見るとほっとして気が抜けてしまった。
その場に膝から崩れ落ちそうになるのを堪えるだけで精いっぱいだ。
本音を言うと怖かった。男に襲われそうになるのも、拳銃を人に向けて撃ったことも。
「エルリアン嬢! 無事ですか? お怪我はございませんか?」
遅れて入ってきた宰相を思わず睨みつけそうになった。
もとはと言えばこいつが“最期の願い”だなんだのと言って私と陛下を二人で会わせたせいでこんな目に……
「ええ、何ともございませんわ」
「そうですか……それはようございました。貴女の協力のおかげで陛下も今生に思い残すことはないでしょう。本当にありがとうございました」
いや、思い残すこと有りまくりだと思うよ?
まあそんなのこの人にとってはどうでもいいだろうな……陛下さえ始末できればそれでいいといった様子に違和感を覚える。
「……宰相閣下、お言葉ですが即位なされます新王陛下は実の兄君の命を奪うことを反対していらっしゃいますよ? 新しき王の意向を無視して先王陛下に死を迫るのは些か烏滸がましいかと」
「なっ……! 無礼ですぞ、エルリアン嬢! 女性が小賢しく口を出すなど品がありませんな!」
なに分かり易く焦ってんのよ? そんな態度じゃ“何かあります”と言っているようなものだけど?
「ほお……。ならば男の儂ならば口を出しても良いというわけだな?」
宰相の背後から現れたのは私の父、エルリアン公爵だ。
父は物凄く厳しい目を宰相に向けている。
「こ、これはエルリアン公爵閣下……。何故このような場所に……?」
「それはこのような場所に我が娘がいるからだよ。それも宰相、貴殿の差し金と聞いたが?」
「いえ……それはその……陛下の最期の願いの為に臣下として動いたまででして……」
「はあ……回りくどいことは止めにしよう。宰相、先王陛下は大公殿下の嘆願により生きていただくことが決定しておるはずだぞ? それを無理に毒にて自害させようとするのは……貴殿の横領を先王陛下が黙認していて、その口封じの為だろう?」
ええ!? そんなくだらない理由で私はここまで来たの?
というか、横領していたの宰相!? その口封じのためになんか上手い事言って自害させようなんて腹黒い奴! ああ、ほら、偽陛下はそのこと知らなかったみたいで唖然としているよ!
顔面蒼白となった宰相が父に命じられた騎士によって捕縛される。
ここに来ることを父に報告したら難しい顔をしたのは宰相を怪しんでいたからなのか。
一騒動が終わり、父親の顔を見たことで余計安堵した私は急に力が抜けてその場に倒れ込んだ。薄れゆく意識の中で私が見たのは慌てた父とダンテ様の顔だった……。
本当は足を狙ったのだ。奴が私に近づかないようにと。
あれだけダンテ様から銃の使い方について指導を受けたのにこれだ。
やはりどうしても人に対して撃つとなると躊躇してしまう。
(前世でも今もこういう荒事とは無縁の世界で生きてきたからな……。やっぱり人に向けて撃つとなると足がすくむし手も震えて狙いが定まらない)
私が今持っている銃はか弱い貴婦人でも扱えるようにと設計された軽量型の物らしい。
なので銃弾を二発しか込められないとか。知識がないからよく分からないがこれは前世のものとは少し違う様だ。
亡くなった元皇太子のジュリアス殿下の婚約者はその二発を確実に人体へと撃ち込んだと聞く。一発目はジュリアス殿下に、そしてもう一発目は自分へと。周囲が止める間もないほど早く、躊躇いなくやってみせた。か弱い貴婦人をそこまで衝動に駆り立てるほどジュリアス殿下の仕打ちは彼女の精神を傷つけたのだろう。
それに比べて私は目の前の男にそこまでの怒りや憤りは感じていない。
どちらかというと憐みを向けてしまう。
確かに自分の意志で体を動かせない事は相当なストレスだと分かる。そしていざ動かせるとなった時は既に死ぬことが決まっていたのならそれは絶望するだろう。ただ、その憤りを私にぶつけられても正直困る。同じ転生者というだけで他は何の関係も無い赤の他人なのだから。
それに……別に彼がもっと早くに陛下の体の所有権を奪ってしまえばよかったのではないかと思う。彼の話では陛下の精神が弱ると彼が体を使えるようになるそうだが、だったらもっと早い段階で意図的にその状態を作り出すことも出来たのではないか。
長年同じ体にいたのならば陛下の心の脆い部分など知っていたはずだ。そこを突けばあの脆弱な陛下は簡単に心を弱らせると思う。そこをつけば完全に彼が陛下になり切ることも可能だったはず。
(逆上されると困るから言わないけれどね……)
逆上して再び襲い掛かられたら自分の身を守るために発砲することになるが、当たる自信が無い。しかもそれで弾切れになるし、そうなるともう身を守る術が無くなってしまう。
先程の発砲で戦意喪失してくれたら助かるのだが……と彼を見ると、急にワナワナと震えだした。
「お前には優しさってものがないのか!? 俺はこんなにも恵まれていなくて可哀想なのに……少しくらい俺の望みを叶えてやろうと何故思わない!」
「……お生憎ですけど、わたくしはヒロインではないので慈悲深さも優しさも持ち合わせていませんわ」
「なんて冷たい女なんだ! 流石は悪役令嬢だな? 自分ばかりが幸福で満足か!」
だから体を使って慰めろと? なんで同じ転生者というだけの関係性しかないあんたにそこまでしなきゃいけないのよ!?
「あの……わたくし達って他人ですよね? これで家族とか恋人とか友人とかであればまだしも、貴方は元婚約者の父親というだけの存在ですよね? 特に貴方に何の恩義もありませんよね? なのにどうして貴方の不満をわたくしが解消せねばならないのです?」
正論を告げると男はひどくショックを受けた顔をした。
理解できないが彼の中では私が彼に同情して身を任せるという妄想があったのかもしれない。二次元ではそういう展開もあるかもしれないけど、現実には無理だ。冷たいかもしれないが何の情も無い相手を慰めようなんて気は微塵も起きない。
「それ以上近づいたら撃ちます。今度は地面ではなく、貴方に向けて」
「ふん……上等だ。そんな震えた手で俺に当たると思っているなら好きにしろ。どうせもう、俺は毒杯を飲んで死ぬ運命だ。だったら撃たれようともお前を……!」
男が私を押し倒そうと肩を掴んだその時だった。
「エルリアン嬢! 先程銃声が聞こえましたが無事でいらっしゃいますか?」
バンッと大きな音を立てて扉が開き、外からダンテ様と当家の騎士達が雪崩れ込んできた。
「失礼、こちらの御方は我が主が望まれた大切な存在です。みだりに触れぬように」
ダンテ様は私の肩を掴む偽陛下の両手をはがし、そのまま後ろに回す。
「痛っ……!? な、なにしやがる小僧!!」
「おや? 先王陛下は随分とお言葉に品が無いのですね……? 気でも触れましたか?」
「うるせえ! いいから離せ! 誰だよてめえは!?」
痛みと驚きで偽陛下は口調を取り繕う事もしない。
いや、そもそも今までも取り繕っていたのだろうか?
もしかすると彼は独立した人格だから陛下が学んだ作法や言葉遣いの記憶を共有していないのかもしれない。
「助かりましたわ、ダンテ様。来てくださってありがとうございます……」
ダンテ様の顔を見るとほっとして気が抜けてしまった。
その場に膝から崩れ落ちそうになるのを堪えるだけで精いっぱいだ。
本音を言うと怖かった。男に襲われそうになるのも、拳銃を人に向けて撃ったことも。
「エルリアン嬢! 無事ですか? お怪我はございませんか?」
遅れて入ってきた宰相を思わず睨みつけそうになった。
もとはと言えばこいつが“最期の願い”だなんだのと言って私と陛下を二人で会わせたせいでこんな目に……
「ええ、何ともございませんわ」
「そうですか……それはようございました。貴女の協力のおかげで陛下も今生に思い残すことはないでしょう。本当にありがとうございました」
いや、思い残すこと有りまくりだと思うよ?
まあそんなのこの人にとってはどうでもいいだろうな……陛下さえ始末できればそれでいいといった様子に違和感を覚える。
「……宰相閣下、お言葉ですが即位なされます新王陛下は実の兄君の命を奪うことを反対していらっしゃいますよ? 新しき王の意向を無視して先王陛下に死を迫るのは些か烏滸がましいかと」
「なっ……! 無礼ですぞ、エルリアン嬢! 女性が小賢しく口を出すなど品がありませんな!」
なに分かり易く焦ってんのよ? そんな態度じゃ“何かあります”と言っているようなものだけど?
「ほお……。ならば男の儂ならば口を出しても良いというわけだな?」
宰相の背後から現れたのは私の父、エルリアン公爵だ。
父は物凄く厳しい目を宰相に向けている。
「こ、これはエルリアン公爵閣下……。何故このような場所に……?」
「それはこのような場所に我が娘がいるからだよ。それも宰相、貴殿の差し金と聞いたが?」
「いえ……それはその……陛下の最期の願いの為に臣下として動いたまででして……」
「はあ……回りくどいことは止めにしよう。宰相、先王陛下は大公殿下の嘆願により生きていただくことが決定しておるはずだぞ? それを無理に毒にて自害させようとするのは……貴殿の横領を先王陛下が黙認していて、その口封じの為だろう?」
ええ!? そんなくだらない理由で私はここまで来たの?
というか、横領していたの宰相!? その口封じのためになんか上手い事言って自害させようなんて腹黒い奴! ああ、ほら、偽陛下はそのこと知らなかったみたいで唖然としているよ!
顔面蒼白となった宰相が父に命じられた騎士によって捕縛される。
ここに来ることを父に報告したら難しい顔をしたのは宰相を怪しんでいたからなのか。
一騒動が終わり、父親の顔を見たことで余計安堵した私は急に力が抜けてその場に倒れ込んだ。薄れゆく意識の中で私が見たのは慌てた父とダンテ様の顔だった……。
4,425
お気に入りに追加
9,914
あなたにおすすめの小説

【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。

一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・

【完結】旦那様の幼馴染が離婚しろと迫って来ましたが何故あなたの言いなりに離婚せねばなりませんの?
水月 潮
恋愛
フルール・ベルレアン侯爵令嬢は三ヶ月前にジュリアン・ブロワ公爵令息と結婚した。
ある日、フルールはジュリアンと共にブロワ公爵邸の薔薇園を散策していたら、二人の元へ使用人が慌ててやって来て、ジュリアンの幼馴染のキャシー・ボナリー子爵令嬢が訪問していると報告を受ける。
二人は応接室に向かうとそこでキャシーはとんでもない発言をする。
ジュリアンとキャシーは婚約者で、キャシーは両親の都合で数年間隣の国にいたが、やっとこの国に戻って来れたので、結婚しようとのこと。
ジュリアンはすかさずキャシーと婚約関係にあった事実はなく、もう既にフルールと結婚していると返答する。
「じゃあ、そのフルールとやらと離婚して私と再婚しなさい!」
……あの?
何故あなたの言いなりに離婚しなくてはならないのかしら?
私達の結婚は政略的な要素も含んでいるのに、たかが子爵令嬢でしかないあなたにそれに口を挟む権利があるとでもいうのかしら?
※設定は緩いです
物語としてお楽しみ頂けたらと思います
*HOTランキング1位(2021.7.13)
感謝です*.*
恋愛ランキング2位(2021.7.13)

愛を求めることはやめましたので、ご安心いただけますと幸いです!
風見ゆうみ
恋愛
わたしの婚約者はレンジロード・ブロフコス侯爵令息。彼に愛されたくて、自分なりに努力してきたつもりだった。でも、彼には昔から好きな人がいた。
結婚式当日、レンジロード様から「君も知っていると思うが、私には愛する女性がいる。君と結婚しても、彼女のことを忘れたくないから忘れない。そして、私と君の結婚式を彼女に見られたくない」と言われ、結婚式を中止にするためにと階段から突き落とされてしまう。
レンジロード様に突き落とされたと訴えても、信じてくれる人は少数だけ。レンジロード様はわたしが階段を踏み外したと言う上に、わたしには話を合わせろと言う。
こんな人のどこが良かったのかしら???
家族に相談し、離婚に向けて動き出すわたしだったが、わたしの変化に気がついたレンジロード様が、なぜかわたしにかまうようになり――

冷遇する婚約者に、冷たさをそのままお返しします。
ねむたん
恋愛
貴族の娘、ミーシャは婚約者ヴィクターの冷酷な仕打ちによって自信と感情を失い、無感情な仮面を被ることで自分を守るようになった。エステラ家の屋敷と庭園の中で静かに過ごす彼女の心には、怒りも悲しみも埋もれたまま、何も感じない日々が続いていた。
事なかれ主義の両親の影響で、エステラ家の警備はガバガバですw
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる