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闖入者
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「アレクセイ!? お前……どうしてここにいる!」
全員が呆気にとられる中、大公殿下だけはすぐさま無礼な闖入者に対応していた。
軟禁されているはずの王太子がどうしてここに?
「父上! 叔父上! お聞きください!」
大公殿下の問いかけを無視し、王太子は仰々しい態度で両手を広げた。
何だコイツ、舞台俳優みたいな動作しやがって。
「そこにいる私の婚約者ミシェルはあろうことか王太子である私の物を盗ったのです! 私がヘレンに贈るはずだった紫色のドレス! それをこの女は奪った!」
また馬鹿な事を言っているよ……。
発言の意味が全く分からない。自分が我が家にドレスを送りつけたくせに何を言っているんだか。
「黙れ! 何を訳の分からぬ事をぬかしておるか! 衛兵! 何をボサッとしておる! さっさとこの無礼な輩を摘まみだせ!」
陛下の命令に従い衛兵達が王太子を拘束した。
それでも王太子は顔を真っ赤にして私を睨みつけてくる。
「聞け、ミシェル! 私が王家の一員として迎え入れると決めたのはヘレン唯一人! たかが婚約者でしかないお前になぞ誰が王家の色を纏わせるか! 自惚れるのも大概にしろ!」
王太子が鼻息を荒くして吠えるも、私は全く意味が分からず「はあ、そうですか」という気のない返事しか出来なかった。最初から最後まで彼の発言が全く理解できない。お願いだから人間の言葉で話してほしい。
「何だそのふてぶてしい態度は! 私の物を盗んでおいてその図々しい態度……お前のように性根の腐った女が未来の王妃になどなれるものか!!」
「…………色々申し上げたいことはございますが、もうすぐ皇太子殿下が参りますのでお静かに願います」
手持ちの鉄扇を王太子の脳天に叩き込んでやると王太子はカエルが潰れたような声を出した。
衛兵に両脇を掴まれているので倒れはしないが、明らかにぐったりとしている。静かになって何よりだ。
「エルリアン嬢……!? アレクセイに何を……!」
「何、とはおかしな事をおっしゃいますね? わたくしが王太子殿下のどのような態度をとろうと不問に致すとお約束してくださいましたでしょう? 咎められるなど心外ですわ」
「い、いや……それは確かにそうだが……。これは流石に……」
「まあ! では、陛下は我が父エルリアン公爵と書面で交わしたお約束を破るとおっしゃるの?」
「…………っ!? い、いや、そんなことは……」
事前条件として『私が王太子に何をしようが不問にする』とある限り文句を言われる筋合いはない。しかも口約束ではなく、きちんと書面で交わした契約だ。これを反故にするということはエルリアン公爵との約束を破ったということ。
そんなことになれば父は喜んで王家と縁を切ると思うが、それをされて困るのは王家だ。
我が家は何にも困りやしない。
「兄上! エルリアン嬢を責めるのは筋違いだ! 今のはどう見てもアレクセイの方に非があるだろう!?」
「う……うむ、そう、だな……。すまなかったエルリアン嬢……」
大公殿下の叱責に陛下は渋々といった感じで頷いた。今日初めて気づいたけど、陛下って親馬鹿だったのね。
だからあの阿呆が図に乗るのよ……。
「大体どうしてアレクセイが外に出ている? 見張りの兵はどうした!」
「そ、それが……少し目を離した隙に外に出てしまわれたようで……」
なんで見張りの兵が目を離すのよ? それじゃ見張りの意味ないじゃない。
「はあ……もうすぐ皇太子殿下がお見えになる時間です。すぐに王太子殿下を部屋から出さねばなりません」
色々突っ込みたい部分は山ほどある。
でも、もうすぐ皇太子殿下がここに来るので内輪で揉めている姿を見せるわけにはいかない。特にこの疫病神のような王太子は人の目に触れない場所へとしまわねば。
「それもそうだな……。すぐにアレクセイを自室へと戻せ!」
「いえ、陛下、それでは同じことの繰り返しです。きちんと外から鍵がかけられる場所へとお願いします」
「それはっ……! いや……確かに其方の言う通りだな。衛兵! こやつを貴族牢へと投獄しろ!」
貴族牢か……。確かヘレンもそこに入っているのよね。
いやまあ……多分違う牢に入れるのでしょうけど……。
意味不明な発言をしながら突撃してきた猪のような王太子は衛兵に両脇を抱えられて引きずられて行った。いや、それだと猪に失礼ね。猪はあの男みたいに意味不明な発言はしないから。
「何なんだあいつは……。エルリアン嬢、大丈夫か?」
大公殿下がひどく心配そうな面持ちで私に声をかけた。
甥が女性に向かってあんな意味不明な罵倒をしているところを目の当たりにしたせいか、彼はひどくショックを受けている。
でも、あの男がミシェルの顔を見るなり意味不明な言いがかりをつけるのはいつものことだ。今更どんな意味不明な発言をされようとも「またか」としか思えない。
「はい、ご心配いただきありがとうございます」
「まさか女性にあのような罵声を浴びせるなど……なんという恥知らずだ。あれではまるで王族というより破落戸のようではないか……。発言も支離滅裂でどうもおかしい。兄上、アレクセイは気が触れているのではありませんか……?」
大公殿下が同意を求めると陛下は力なく頷いた。
「ああ……あのように意味の分からぬ暴言を婚約者に向かって吐くとは……」
二人とも王太子の醜態が相当ショックだったようだ。
いや~……あんなの通常運転だよ? あいついつもミシェルのことを罵倒していたもの。
知らない方が不思議だよ。隠れて罵倒していたならともかくとして、王宮の何処でも所かまわずだったのに、大公殿下はともかくとして陛下は何故知らないの?
いくら王妃に情報を隠されていたとはいえ、ここに至るまで全く耳に入らないなんて逆に凄い。
「おまけにエルリアン嬢を盗人呼ばわりとは無礼にも程がある。エルリアン嬢、さぞかし不快だったろう。誠に申し訳なかった……」
深々と頭を下げる大公殿下が何だか可哀想になってきた。
この人は何も悪くないのに、馬鹿な甥のせいで格下の令嬢相手に何度も頭を下げることになっているんだもの。
「いえ、どうぞ頭を上げてください。王太子殿下に意味の分からぬことで罵倒されることはいつものことですので気にしてはおりません。あのドレスは王太子名義で当家に送られてきたものですが……殿下の中ではそれが“盗人行為”になるのでしょう。当家にはきちんと王太子殿下より送られてきたという記録もありますし、わたくしもお礼状を書いて殿下宛てに送りました。それでも盗まれたとおっしゃるのでしたらどうぞ裁判でも何でも起こしてくださって構いません。そのように殿下にお伝えくださいまし」
わざと大公殿下ではなく陛下の方を向いて嫌みたらしく伝える。
すると陛下の顔はどんどん青くなっていった。
気にしていないとは言ったけど、怒っていないわけじゃない。
いらない物を送りつけた挙句に盗人呼ばわりされて不愉快ではある。
「…………エルリアン嬢、愚息に変わって余が謝罪を申し上げる。其方の名誉を傷つけるような真似をして本当に申し訳ない。誰が其方を訴えるような真似をしようか、そのような非常識がまかり通ればこの国では贈り物を受け取った者は皆盗人ということになる。……あれはもう駄目だな。早々に北の塔へと幽閉せねば」
北の塔とは王宮の北にひっそりと建てられている寂れた塔のこと。
気が触れた王族を一生閉じ込めておくための場所だと聞いたことがある。
「私もそれがいいと思う。アレクセイはすっかり変わってしまった……。幼い頃のあの子はもっと利発で礼儀正しかったのに……まるで別人のようではないか」
大公殿下の“別人”という言葉が不思議と引っかかった。
ミシェルと初めて顔を合わせた頃からあの男はあんな性格で、利発さも礼儀正しさも持ち合わせていなかったのだが……それ以前は違ったのだろうか?
全員が呆気にとられる中、大公殿下だけはすぐさま無礼な闖入者に対応していた。
軟禁されているはずの王太子がどうしてここに?
「父上! 叔父上! お聞きください!」
大公殿下の問いかけを無視し、王太子は仰々しい態度で両手を広げた。
何だコイツ、舞台俳優みたいな動作しやがって。
「そこにいる私の婚約者ミシェルはあろうことか王太子である私の物を盗ったのです! 私がヘレンに贈るはずだった紫色のドレス! それをこの女は奪った!」
また馬鹿な事を言っているよ……。
発言の意味が全く分からない。自分が我が家にドレスを送りつけたくせに何を言っているんだか。
「黙れ! 何を訳の分からぬ事をぬかしておるか! 衛兵! 何をボサッとしておる! さっさとこの無礼な輩を摘まみだせ!」
陛下の命令に従い衛兵達が王太子を拘束した。
それでも王太子は顔を真っ赤にして私を睨みつけてくる。
「聞け、ミシェル! 私が王家の一員として迎え入れると決めたのはヘレン唯一人! たかが婚約者でしかないお前になぞ誰が王家の色を纏わせるか! 自惚れるのも大概にしろ!」
王太子が鼻息を荒くして吠えるも、私は全く意味が分からず「はあ、そうですか」という気のない返事しか出来なかった。最初から最後まで彼の発言が全く理解できない。お願いだから人間の言葉で話してほしい。
「何だそのふてぶてしい態度は! 私の物を盗んでおいてその図々しい態度……お前のように性根の腐った女が未来の王妃になどなれるものか!!」
「…………色々申し上げたいことはございますが、もうすぐ皇太子殿下が参りますのでお静かに願います」
手持ちの鉄扇を王太子の脳天に叩き込んでやると王太子はカエルが潰れたような声を出した。
衛兵に両脇を掴まれているので倒れはしないが、明らかにぐったりとしている。静かになって何よりだ。
「エルリアン嬢……!? アレクセイに何を……!」
「何、とはおかしな事をおっしゃいますね? わたくしが王太子殿下のどのような態度をとろうと不問に致すとお約束してくださいましたでしょう? 咎められるなど心外ですわ」
「い、いや……それは確かにそうだが……。これは流石に……」
「まあ! では、陛下は我が父エルリアン公爵と書面で交わしたお約束を破るとおっしゃるの?」
「…………っ!? い、いや、そんなことは……」
事前条件として『私が王太子に何をしようが不問にする』とある限り文句を言われる筋合いはない。しかも口約束ではなく、きちんと書面で交わした契約だ。これを反故にするということはエルリアン公爵との約束を破ったということ。
そんなことになれば父は喜んで王家と縁を切ると思うが、それをされて困るのは王家だ。
我が家は何にも困りやしない。
「兄上! エルリアン嬢を責めるのは筋違いだ! 今のはどう見てもアレクセイの方に非があるだろう!?」
「う……うむ、そう、だな……。すまなかったエルリアン嬢……」
大公殿下の叱責に陛下は渋々といった感じで頷いた。今日初めて気づいたけど、陛下って親馬鹿だったのね。
だからあの阿呆が図に乗るのよ……。
「大体どうしてアレクセイが外に出ている? 見張りの兵はどうした!」
「そ、それが……少し目を離した隙に外に出てしまわれたようで……」
なんで見張りの兵が目を離すのよ? それじゃ見張りの意味ないじゃない。
「はあ……もうすぐ皇太子殿下がお見えになる時間です。すぐに王太子殿下を部屋から出さねばなりません」
色々突っ込みたい部分は山ほどある。
でも、もうすぐ皇太子殿下がここに来るので内輪で揉めている姿を見せるわけにはいかない。特にこの疫病神のような王太子は人の目に触れない場所へとしまわねば。
「それもそうだな……。すぐにアレクセイを自室へと戻せ!」
「いえ、陛下、それでは同じことの繰り返しです。きちんと外から鍵がかけられる場所へとお願いします」
「それはっ……! いや……確かに其方の言う通りだな。衛兵! こやつを貴族牢へと投獄しろ!」
貴族牢か……。確かヘレンもそこに入っているのよね。
いやまあ……多分違う牢に入れるのでしょうけど……。
意味不明な発言をしながら突撃してきた猪のような王太子は衛兵に両脇を抱えられて引きずられて行った。いや、それだと猪に失礼ね。猪はあの男みたいに意味不明な発言はしないから。
「何なんだあいつは……。エルリアン嬢、大丈夫か?」
大公殿下がひどく心配そうな面持ちで私に声をかけた。
甥が女性に向かってあんな意味不明な罵倒をしているところを目の当たりにしたせいか、彼はひどくショックを受けている。
でも、あの男がミシェルの顔を見るなり意味不明な言いがかりをつけるのはいつものことだ。今更どんな意味不明な発言をされようとも「またか」としか思えない。
「はい、ご心配いただきありがとうございます」
「まさか女性にあのような罵声を浴びせるなど……なんという恥知らずだ。あれではまるで王族というより破落戸のようではないか……。発言も支離滅裂でどうもおかしい。兄上、アレクセイは気が触れているのではありませんか……?」
大公殿下が同意を求めると陛下は力なく頷いた。
「ああ……あのように意味の分からぬ暴言を婚約者に向かって吐くとは……」
二人とも王太子の醜態が相当ショックだったようだ。
いや~……あんなの通常運転だよ? あいついつもミシェルのことを罵倒していたもの。
知らない方が不思議だよ。隠れて罵倒していたならともかくとして、王宮の何処でも所かまわずだったのに、大公殿下はともかくとして陛下は何故知らないの?
いくら王妃に情報を隠されていたとはいえ、ここに至るまで全く耳に入らないなんて逆に凄い。
「おまけにエルリアン嬢を盗人呼ばわりとは無礼にも程がある。エルリアン嬢、さぞかし不快だったろう。誠に申し訳なかった……」
深々と頭を下げる大公殿下が何だか可哀想になってきた。
この人は何も悪くないのに、馬鹿な甥のせいで格下の令嬢相手に何度も頭を下げることになっているんだもの。
「いえ、どうぞ頭を上げてください。王太子殿下に意味の分からぬことで罵倒されることはいつものことですので気にしてはおりません。あのドレスは王太子名義で当家に送られてきたものですが……殿下の中ではそれが“盗人行為”になるのでしょう。当家にはきちんと王太子殿下より送られてきたという記録もありますし、わたくしもお礼状を書いて殿下宛てに送りました。それでも盗まれたとおっしゃるのでしたらどうぞ裁判でも何でも起こしてくださって構いません。そのように殿下にお伝えくださいまし」
わざと大公殿下ではなく陛下の方を向いて嫌みたらしく伝える。
すると陛下の顔はどんどん青くなっていった。
気にしていないとは言ったけど、怒っていないわけじゃない。
いらない物を送りつけた挙句に盗人呼ばわりされて不愉快ではある。
「…………エルリアン嬢、愚息に変わって余が謝罪を申し上げる。其方の名誉を傷つけるような真似をして本当に申し訳ない。誰が其方を訴えるような真似をしようか、そのような非常識がまかり通ればこの国では贈り物を受け取った者は皆盗人ということになる。……あれはもう駄目だな。早々に北の塔へと幽閉せねば」
北の塔とは王宮の北にひっそりと建てられている寂れた塔のこと。
気が触れた王族を一生閉じ込めておくための場所だと聞いたことがある。
「私もそれがいいと思う。アレクセイはすっかり変わってしまった……。幼い頃のあの子はもっと利発で礼儀正しかったのに……まるで別人のようではないか」
大公殿下の“別人”という言葉が不思議と引っかかった。
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