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ああ、そうか……この人は……
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「私が住む村は領主様のお屋敷に近かったのです。そして領主様……先代侯爵様は私が住む村からよく奉公人を受け入れておりました。両親を流行病で亡くした私と兄は生活の為に二人で奉公にあがったのです。この時兄と私はお嬢様付きの使用人となりました」
「え……? いきなりお嬢様付きに……?」
この国の習慣では主人一家の専属に新参者を宛がうことはまずない。
そういう花形職は長く勤めた者がその働きを認められてなるものである。
「ええ、驚きますよね。私もそれがおかしいと、領地を出て初めて知りました。普通は長く勤めた人がなるものだと。ですが屋敷の中ではそれが当たり前だったのです。お嬢様付きの人……特に女性はすぐに辞めてしまうので。私は当時10になったばかりの子供だったのですが、それでも人手が足りないから割り当てられたんだと思います」
「10歳で? でも、そんな幼いと仕事をこなすのも難しいのではなくて?」
ベロニカはコンラッド侯爵家の女性使用人がすぐに辞めてしまう、というところにあまり驚かなかった。
貴族令嬢の中には使用人に横柄な態度をとるのも珍しくなく、そのせいで使用人が居つかないのはよくあることだからだ。
だが、流石に10歳のメイドというのは聞いたことがない。一番若くてもせいぜい13からが普通なのだから。
10歳ではまだ背も低いし力もない、それでは仕事を満足にこなすことは難しそうなものだが……。
「いえ、力仕事は兄を含めた男性使用人がするので問題はありませんでした。私の仕事なんてせいぜいお茶を用意するだけでしたので」
「え……お茶だけ? 着替えや湯浴みなどは……?」
着替えも湯浴みもメイドの仕事。
未婚の令嬢の肌に触れる仕事は全て同性がやることが普通なのだが………まさか……。
「それは男性使用人の仕事でした。着替えも、湯浴みも、寝台の準備も全て……」
あまりの衝撃にベロニカは言葉を失った。
男性使用人が身の回りのことを全てやる、とは己の肌を見せ、触れさせるということ。
それはベロニカにとっては悍ましく忌避すべき行為で、想像するだけで身の毛がよだつ。
「すみません、気分を悪くさせてしまいましたね。……お察しの通り、コンラッドのお嬢様は己の肌を男性使用人に晒しておりましたし、触れさせておりました。やけに見目のいい男ばかりがお嬢様の専属になってるなと子供心に思ったものです」
「信じられない……未婚の令嬢が……。それじゃまるで大昔のハーレムみたいじゃない……」
「ああ、この国にはその昔、王様が沢山の美女を侍らしていたそうですよね。確かにそんな感じでした。お嬢様は全員と関係を持っておりましたし……」
これは以前、コンラッド侯爵から聞いた話と同じだ。
亡くなった夫人は複数の使用人と関係を持っていると聞いたあの時の。
「待って、もしかして先代の侯爵夫妻は娘が使用人とそういうことをしていると知っていたのかしら?」
コクリと頷くキアラにベロニカは内心「やっぱり……」と思った。
侯爵から聞かされたときも思ったのだが、通常未婚の令嬢がいくら使用人とはいえ男と簡単に関係を持つことは難しい。
必ず複数の侍女が監視と護衛を兼ねて傍に侍るはずだし、親も娘に危害を加えられないようにと厳重に警護させるものだ。
コンラッド家の嫡女なのに、貴族令嬢であれば当たり前の防衛をされていなかった。
だからそんなに簡単に複数の男と関係を持てたのか。
「ですが、先代の領主様も仕方なかったんだと思います。お嬢様はどうも……男にチヤホヤされないと生きていけないような、そんな方でしたので……。一度、娘の淫蕩ぶりを耐えられなかった領主夫人がお嬢様から男を遠ざけたのですが、まるで狂ったように騒ぎだして手が付けられなかったと聞きました」
「そんなに……? 信じられない……」
ああでも、エーミールもそうだった。
彼も異性にチヤホヤされないと生きていけないような性質だ。
聞いている限りだと、彼の母親は彼よりもそれが根深そうだが……。
「お嬢様には魔性ともいえる魅力があったのです。一度お嬢様のお姿を見れば、男はたちまち虜になりました。それこそ男の精を喰らって生きるという空想上の悪魔、淫魔のように。それは私の兄も例外ではなく……まるで魅入られたようにお嬢様に夢中になっていたのです。兄には村に結婚を約束した許嫁がいるにも関わらずです」
「まあ……! お兄様には許嫁がいらっしゃったの!?」
「はい、数か月後には結婚を控えておりました。でもちっとも村には帰らず、許嫁にも会わず、私や周囲の者が何を言っても聞かず、まるでお嬢様以外が目に入っていないかのようでした。結局、結婚は破談になりましたよ。当たり前ですよね、他の女に夢中になっている男と結婚したって幸せになんてなれませんもの。許嫁の方には本当に申し訳ないことをしました……」
まるで物語のようだ。
結婚を約束した相手がいるのに、別の女性に夢中になってしまうだなんて。
「お嬢様の傍付きがいない、というのもこういった理由からです。複数の男と戯れるお嬢様を傍で見続けるというのは、中々精神的に辛いものがありますからね。私も辞めたかったのですが、兄と許嫁の破談が村中に広まっておりますし、村にも戻れず仕方なく耐えました。そしてある年、お嬢様にお婿様を迎えるため、お嬢様付きの使用人は全て解雇となりました」
「え? 解雇?」
「ええ、お婿様にあのような爛れた光景を見せるわけにはいかないと。私も口止め料として多額の退職金と貰いましたよ。そのお金で王都の学園に通えるほどの大金をね。もう村にも帰れませんし、許嫁を裏切った兄とも離れたかったので丁度良かったです」
「そんなことがあったのね……。お兄様は今、どうしてらっしゃるの?」
「兄は解雇された後、しばらくしてから病で亡くなりました。兄以外にも、お嬢様に侍っていた男達も全て同じ病で。決して流行り病とかではなく、いわゆる娼婦が罹る病が原因です」
「え……それって……」
「ええ、お嬢様を介して罹患したのでしょう。昔の使用人仲間に聞いた話ですと、お嬢様の死因も同じだったようですし。幸い、婿様にはうつらなかったようで、よかったです。優秀な婿様のおかげで領地もよりよいものとなり、今じゃお嬢様のことなんて皆忘れてしまいましたよ。私もご子息のことがなければ思い出すこともありませんでした……」
まさかここまで重大な情報を知ることになるとは思ってなかった。
キアラが話した内容はどれもこれもコンラッド侯爵家の醜聞になるものばかり。
彼女もきっと誰かに話したくて、でも話したら不味いと分かっているから出来ないと我慢していたのかもしれない。だからこうやって話せる機会に全てを吐き出してしまいたかったのだろうか。
「ご子息にもお嬢様と同じような性質があるようだったので、その……ついベロニカ様は大丈夫だったかと思い余計な話をしてしまいました。ご不快に思われたなら申し訳ございません」
「あら、わたくしの方から話してほしいと願ったのだし、不快に思うわけないわ。それに心配してくれてありがとう、でもわたくしは大丈夫よ。エーミール様にはこれっぽっちも魅力を感じなかったのだもの」
「ええ、そのようで……こう言っては何ですけどよかったと思います。……お嬢様に魅入られた男は碌な最後を遂げてません。その悪しき魅力が遺伝してしまったご子息に魅入られた女性もきっとそう……。聞けばご子息に言い寄った男爵令嬢も家から追い出されたようですし、皇女様もきっと……」
キアラの黒い瞳はここではない何処かを見ているかのように虚ろだった。
自分の兄が一人の女に人生を狂わされたことは彼女にとって余程の恐怖だったのだろう。
忘れていた忌まわしい思い出が、エーミールのことがきっかけで呼び覚まされた。
つくづく彼は直接的にも間接的にも他人に嫌な思いをさせるなと、ベロニカは内心で悪態をついた。
(それにしても……今の話を聞いて分かったわ。どうしてキアラにエーミール様の面影を感じたのか……)
侯爵は婿入りした際に既に妻の腹には子が宿っていたと言っていた。
そしてキアラは、婿を迎えるまで彼女の兄を含めた使用人達とお嬢様は関係を持っていたと言った。
つまりは……エーミールの、実の父親は……
「あ、すみません。カップが空ですね、お替わりをお持ちします」
キアラはスッと立ちあがりティーセットが乗ったワゴンの方へと足を向けた。
その際、髪を結い上げた彼女のうなじが目に映る。
髪の生え際に並ぶようにホクロが三つ。
(あのホクロ……エーミール様にも同じものが……)
ホクロが遺伝するとかは聞いたことがないが、偶然にしてはあまりにも……。
キアラが新しいお茶を用意すべくティーセットが乗ったワゴンを押して部屋の外へと出た。
誰もいなくなった部屋でベロニカはポツリと呟く。
「エーミール様の実の父親って……もしかして、キアラのお兄様……?」
そう考えれば合点がいく。
キアラにエーミールの面影を見たのも、彼女が彼の叔母だから……。
ベロニカはそこまで想像して頭を横に振った。
そうだとしても、この事実を知って特になる者など誰もいない。
「忘れましょう……その方がいいわ」
ベロニカはそれきり、そのことを考えるのを止めた。
だが、この秘密はそう遠くない未来明るみに出る。ベロニカが知らぬまま、知らぬ場所で―――。
「え……? いきなりお嬢様付きに……?」
この国の習慣では主人一家の専属に新参者を宛がうことはまずない。
そういう花形職は長く勤めた者がその働きを認められてなるものである。
「ええ、驚きますよね。私もそれがおかしいと、領地を出て初めて知りました。普通は長く勤めた人がなるものだと。ですが屋敷の中ではそれが当たり前だったのです。お嬢様付きの人……特に女性はすぐに辞めてしまうので。私は当時10になったばかりの子供だったのですが、それでも人手が足りないから割り当てられたんだと思います」
「10歳で? でも、そんな幼いと仕事をこなすのも難しいのではなくて?」
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「いえ、力仕事は兄を含めた男性使用人がするので問題はありませんでした。私の仕事なんてせいぜいお茶を用意するだけでしたので」
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「それは男性使用人の仕事でした。着替えも、湯浴みも、寝台の準備も全て……」
あまりの衝撃にベロニカは言葉を失った。
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それはベロニカにとっては悍ましく忌避すべき行為で、想像するだけで身の毛がよだつ。
「すみません、気分を悪くさせてしまいましたね。……お察しの通り、コンラッドのお嬢様は己の肌を男性使用人に晒しておりましたし、触れさせておりました。やけに見目のいい男ばかりがお嬢様の専属になってるなと子供心に思ったものです」
「信じられない……未婚の令嬢が……。それじゃまるで大昔のハーレムみたいじゃない……」
「ああ、この国にはその昔、王様が沢山の美女を侍らしていたそうですよね。確かにそんな感じでした。お嬢様は全員と関係を持っておりましたし……」
これは以前、コンラッド侯爵から聞いた話と同じだ。
亡くなった夫人は複数の使用人と関係を持っていると聞いたあの時の。
「待って、もしかして先代の侯爵夫妻は娘が使用人とそういうことをしていると知っていたのかしら?」
コクリと頷くキアラにベロニカは内心「やっぱり……」と思った。
侯爵から聞かされたときも思ったのだが、通常未婚の令嬢がいくら使用人とはいえ男と簡単に関係を持つことは難しい。
必ず複数の侍女が監視と護衛を兼ねて傍に侍るはずだし、親も娘に危害を加えられないようにと厳重に警護させるものだ。
コンラッド家の嫡女なのに、貴族令嬢であれば当たり前の防衛をされていなかった。
だからそんなに簡単に複数の男と関係を持てたのか。
「ですが、先代の領主様も仕方なかったんだと思います。お嬢様はどうも……男にチヤホヤされないと生きていけないような、そんな方でしたので……。一度、娘の淫蕩ぶりを耐えられなかった領主夫人がお嬢様から男を遠ざけたのですが、まるで狂ったように騒ぎだして手が付けられなかったと聞きました」
「そんなに……? 信じられない……」
ああでも、エーミールもそうだった。
彼も異性にチヤホヤされないと生きていけないような性質だ。
聞いている限りだと、彼の母親は彼よりもそれが根深そうだが……。
「お嬢様には魔性ともいえる魅力があったのです。一度お嬢様のお姿を見れば、男はたちまち虜になりました。それこそ男の精を喰らって生きるという空想上の悪魔、淫魔のように。それは私の兄も例外ではなく……まるで魅入られたようにお嬢様に夢中になっていたのです。兄には村に結婚を約束した許嫁がいるにも関わらずです」
「まあ……! お兄様には許嫁がいらっしゃったの!?」
「はい、数か月後には結婚を控えておりました。でもちっとも村には帰らず、許嫁にも会わず、私や周囲の者が何を言っても聞かず、まるでお嬢様以外が目に入っていないかのようでした。結局、結婚は破談になりましたよ。当たり前ですよね、他の女に夢中になっている男と結婚したって幸せになんてなれませんもの。許嫁の方には本当に申し訳ないことをしました……」
まるで物語のようだ。
結婚を約束した相手がいるのに、別の女性に夢中になってしまうだなんて。
「お嬢様の傍付きがいない、というのもこういった理由からです。複数の男と戯れるお嬢様を傍で見続けるというのは、中々精神的に辛いものがありますからね。私も辞めたかったのですが、兄と許嫁の破談が村中に広まっておりますし、村にも戻れず仕方なく耐えました。そしてある年、お嬢様にお婿様を迎えるため、お嬢様付きの使用人は全て解雇となりました」
「え? 解雇?」
「ええ、お婿様にあのような爛れた光景を見せるわけにはいかないと。私も口止め料として多額の退職金と貰いましたよ。そのお金で王都の学園に通えるほどの大金をね。もう村にも帰れませんし、許嫁を裏切った兄とも離れたかったので丁度良かったです」
「そんなことがあったのね……。お兄様は今、どうしてらっしゃるの?」
「兄は解雇された後、しばらくしてから病で亡くなりました。兄以外にも、お嬢様に侍っていた男達も全て同じ病で。決して流行り病とかではなく、いわゆる娼婦が罹る病が原因です」
「え……それって……」
「ええ、お嬢様を介して罹患したのでしょう。昔の使用人仲間に聞いた話ですと、お嬢様の死因も同じだったようですし。幸い、婿様にはうつらなかったようで、よかったです。優秀な婿様のおかげで領地もよりよいものとなり、今じゃお嬢様のことなんて皆忘れてしまいましたよ。私もご子息のことがなければ思い出すこともありませんでした……」
まさかここまで重大な情報を知ることになるとは思ってなかった。
キアラが話した内容はどれもこれもコンラッド侯爵家の醜聞になるものばかり。
彼女もきっと誰かに話したくて、でも話したら不味いと分かっているから出来ないと我慢していたのかもしれない。だからこうやって話せる機会に全てを吐き出してしまいたかったのだろうか。
「ご子息にもお嬢様と同じような性質があるようだったので、その……ついベロニカ様は大丈夫だったかと思い余計な話をしてしまいました。ご不快に思われたなら申し訳ございません」
「あら、わたくしの方から話してほしいと願ったのだし、不快に思うわけないわ。それに心配してくれてありがとう、でもわたくしは大丈夫よ。エーミール様にはこれっぽっちも魅力を感じなかったのだもの」
「ええ、そのようで……こう言っては何ですけどよかったと思います。……お嬢様に魅入られた男は碌な最後を遂げてません。その悪しき魅力が遺伝してしまったご子息に魅入られた女性もきっとそう……。聞けばご子息に言い寄った男爵令嬢も家から追い出されたようですし、皇女様もきっと……」
キアラの黒い瞳はここではない何処かを見ているかのように虚ろだった。
自分の兄が一人の女に人生を狂わされたことは彼女にとって余程の恐怖だったのだろう。
忘れていた忌まわしい思い出が、エーミールのことがきっかけで呼び覚まされた。
つくづく彼は直接的にも間接的にも他人に嫌な思いをさせるなと、ベロニカは内心で悪態をついた。
(それにしても……今の話を聞いて分かったわ。どうしてキアラにエーミール様の面影を感じたのか……)
侯爵は婿入りした際に既に妻の腹には子が宿っていたと言っていた。
そしてキアラは、婿を迎えるまで彼女の兄を含めた使用人達とお嬢様は関係を持っていたと言った。
つまりは……エーミールの、実の父親は……
「あ、すみません。カップが空ですね、お替わりをお持ちします」
キアラはスッと立ちあがりティーセットが乗ったワゴンの方へと足を向けた。
その際、髪を結い上げた彼女のうなじが目に映る。
髪の生え際に並ぶようにホクロが三つ。
(あのホクロ……エーミール様にも同じものが……)
ホクロが遺伝するとかは聞いたことがないが、偶然にしてはあまりにも……。
キアラが新しいお茶を用意すべくティーセットが乗ったワゴンを押して部屋の外へと出た。
誰もいなくなった部屋でベロニカはポツリと呟く。
「エーミール様の実の父親って……もしかして、キアラのお兄様……?」
そう考えれば合点がいく。
キアラにエーミールの面影を見たのも、彼女が彼の叔母だから……。
ベロニカはそこまで想像して頭を横に振った。
そうだとしても、この事実を知って特になる者など誰もいない。
「忘れましょう……その方がいいわ」
ベロニカはそれきり、そのことを考えるのを止めた。
だが、この秘密はそう遠くない未来明るみに出る。ベロニカが知らぬまま、知らぬ場所で―――。
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