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我が家に王命が下ったよ
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王命なんて自分には一生縁のない話だと思っていた。
だって私はしがない子爵家の娘。由緒正しき名家でもなければ資産家というわけでもない特に目立った部分が無いありふれた家の娘。当然国王陛下に拝謁できるような身分でもない自分に、その陛下から直々に命令が下ることなんて天地がひっくり返っても有り得ない。
そう、有り得ない。有り得ないはずだ。
じゃあ、これはどういうことなのだろう……?
「うん、天地はひっくり返っていないわね」
窓から外を眺めて私は現実逃避の言葉を呟いた。
天は青々として日の光が眩しく、地は草木を生き生きと育んでいる。
あー……いい天気。このままコレを見なかったことにしてお散歩にでも行きたい。
窓の外を眺めて再び現実逃避を考えた。
だって仕方ない。そうでもしなければ意識を保てないほどコレ……国王陛下の玉璽が押された手紙の衝撃が大きい。
こんな木端貴族の令嬢に畏れ多くも国の頂点に座す御方から直々に手紙が届いたというだけでも驚きがすごいのに、その内容は更に驚愕ものだ。
“フロンティア子爵家の娘をバーティ侯爵家に嫁がせよ”
『何それ?』というのが初めに出た感想。
次に『バーティ侯爵って誰?』となった。
何で見知らぬ人、しかも高位貴族家にこんな木端貴族家の娘が嫁がなくてはならないの?
ちなみに我が家に娘は私だけ。つまり“フロンティア子爵家の娘”は私を指す。
そう、私しかいないのだ。ならば何もこんな回りくどい書き方などしなくとも、私の名で書けばいいのではないかと思う。アリッサ・フロンティアをバーティ侯爵に嫁がせよ、と。
手紙が届くことも解せないが、内容がもっと解せない。
どうして私が見知らぬ人に嫁がなくてはならないの?
確かに貴族は政略結婚が当然とはいえ、我が家のような特に利益の無い家と縁付いてこのバーティ侯爵とやらに何の得があるのだろう?
「お父様に聞いてみるしかないわね……」
ちなみにこの手紙の宛名は私ではない。当主である父宛てだ。
本来であれば私が開封して中を読んではいけないのだろうが、今は両親ともに遠出しており不在の為一時的に私が当主の代理を担っている。手紙も急ぎのものがあっては困るので開封を許可されているのだ。
しかし今は開けてしまったことを後悔している。
何だこれ、本当に意味が分からない。
これで私が夢見がちな性格ならば「侯爵様と結婚!? やった! 玉の輿だわ!」と喜べただろう。だが生憎の事そこまで純粋ではない。どちらかといえばこんな上手い話は裏がありそうでただひたすら怖い。
父に聞けば何か分かるだろうか?
というより、これは父がまた何かをやらかしたゆえの結果なのではないだろうかという予感がしてならない。
「お父様達が帰ってくるのは夕方か……」
こんなにも穏やかな天気の良き日だというのに、夕方まで悶々として過ごさなければならないのか……。
こんな手紙開封するんじゃなかった……。
どうせ父は今日帰ってくるのだから父に未開封の状態で渡せばよかった。
自分の行動を後悔しつつ私は父達の帰りを待ち続けるのだった……。
だって私はしがない子爵家の娘。由緒正しき名家でもなければ資産家というわけでもない特に目立った部分が無いありふれた家の娘。当然国王陛下に拝謁できるような身分でもない自分に、その陛下から直々に命令が下ることなんて天地がひっくり返っても有り得ない。
そう、有り得ない。有り得ないはずだ。
じゃあ、これはどういうことなのだろう……?
「うん、天地はひっくり返っていないわね」
窓から外を眺めて私は現実逃避の言葉を呟いた。
天は青々として日の光が眩しく、地は草木を生き生きと育んでいる。
あー……いい天気。このままコレを見なかったことにしてお散歩にでも行きたい。
窓の外を眺めて再び現実逃避を考えた。
だって仕方ない。そうでもしなければ意識を保てないほどコレ……国王陛下の玉璽が押された手紙の衝撃が大きい。
こんな木端貴族の令嬢に畏れ多くも国の頂点に座す御方から直々に手紙が届いたというだけでも驚きがすごいのに、その内容は更に驚愕ものだ。
“フロンティア子爵家の娘をバーティ侯爵家に嫁がせよ”
『何それ?』というのが初めに出た感想。
次に『バーティ侯爵って誰?』となった。
何で見知らぬ人、しかも高位貴族家にこんな木端貴族家の娘が嫁がなくてはならないの?
ちなみに我が家に娘は私だけ。つまり“フロンティア子爵家の娘”は私を指す。
そう、私しかいないのだ。ならば何もこんな回りくどい書き方などしなくとも、私の名で書けばいいのではないかと思う。アリッサ・フロンティアをバーティ侯爵に嫁がせよ、と。
手紙が届くことも解せないが、内容がもっと解せない。
どうして私が見知らぬ人に嫁がなくてはならないの?
確かに貴族は政略結婚が当然とはいえ、我が家のような特に利益の無い家と縁付いてこのバーティ侯爵とやらに何の得があるのだろう?
「お父様に聞いてみるしかないわね……」
ちなみにこの手紙の宛名は私ではない。当主である父宛てだ。
本来であれば私が開封して中を読んではいけないのだろうが、今は両親ともに遠出しており不在の為一時的に私が当主の代理を担っている。手紙も急ぎのものがあっては困るので開封を許可されているのだ。
しかし今は開けてしまったことを後悔している。
何だこれ、本当に意味が分からない。
これで私が夢見がちな性格ならば「侯爵様と結婚!? やった! 玉の輿だわ!」と喜べただろう。だが生憎の事そこまで純粋ではない。どちらかといえばこんな上手い話は裏がありそうでただひたすら怖い。
父に聞けば何か分かるだろうか?
というより、これは父がまた何かをやらかしたゆえの結果なのではないだろうかという予感がしてならない。
「お父様達が帰ってくるのは夕方か……」
こんなにも穏やかな天気の良き日だというのに、夕方まで悶々として過ごさなければならないのか……。
こんな手紙開封するんじゃなかった……。
どうせ父は今日帰ってくるのだから父に未開封の状態で渡せばよかった。
自分の行動を後悔しつつ私は父達の帰りを待ち続けるのだった……。
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