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カサンドラの後悔④

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 クリスに協力してもらったことでめでたくレオナと会えたのだが、彼女の反応は想像と全く違った。

 ゲームのスチルではいかにも親友ですと言わんばかりの態度と笑顔でカサンドラの傍にいたレオナ。
 だが、実際に会った彼女は怪訝そうにこちらを見ている。

 まるでかのように……。

 困ったわたくしはクリスの方を一瞥するも、彼は婚約者の反応を全く気にしていない。
 それどころか「もう始まるから急ごう」とわたくしの手を取りさっさと劇場内に入ってしまう。

 婚約者を置いていっていいの?
 
 そう思ったものの、劇が始まると夢中で見てしまいレオナのことは頭から抜け去ってしまった。
 気付くと彼女の姿はなく、いつ席を立ったのかすら分からない。

 結局彼女と碌に会話も出来なかったと残念がるわたくしに、クリスは「じゃあ今度は我が家のお茶会に招待しますよ。それなら沢山話せるでしょうし」と提案してくれる。

 そうね。お茶会だったらきっと沢山話せるし、親交を深められるわよね。

 そう期待したのに、茶会の席にもつかずに彼女はさっさと馬車に乗って帰ってしまった。

 何だろう……避けられている気がする。
 
 レオナはカサンドラの友人のはずなのに……。
 彼女のあの……おかしな者を見るような目に、どうしようもなく不安がこみ上げてくる。

 気晴らしに街で買い物でも楽しもうと思い入ったブティック。
 そこでなんとを見つけた。

 目立つピンクブロンドの髪を一目見た瞬間、居ても立っても居られなくなり彼女に詰めよってしまった。
 思えばこの辺りから人生の歯車が狂い始めたような気がする。

 あれよあれよという間にわたくしは王太子から婚約破棄され、家からも追い出されてしまった。
 味方をしてくれるはずのレオナも全然役に立たない。それどころかちゃっかり王太子の婚約者の座におさまっている。

 なんで? なんで結局こうなるの?

 わたくしは頑張ったのに……!
 国外追放されないために努力してきたのに……ゲームの強制力には勝てないの!?
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